2012/06/29

【15:00】

　先ほど，千葉県から粉瘤の患者さんが受診されました。1ヶ月前に発症し，近くの皮膚科医院を受診するも「炎症が起きているので治療できません。抗生物質を出しますから収まったらまた来て下さい」と18日分（！）の抗生物質を処方されて返されたそうです。その後，粉瘤が自壊して膿が出てきたため，再度その皮膚科に連絡したところ，「膿が出たんですか。自分で絞り出して下さい。膿が出なくなったら受診して下さい」と説明したそうです。そこで困り果ててネットで調べ，当科を受診されたそうです。

　当科ではすぐさま局麻をして粉瘤の除去を行いましたが，炎症が収まった状態ほど皮膜を除去しにくいことに気が付きました。炎症の極期ではあれほど簡単に皮膜が取れるのに，炎症が収まってしまうとこんなに皮膜って固く癒着するもんなんですね。普段なら1～2分で終わるのに，7分ほどかかっちゃいました。
　やはり，粉瘤は炎症が起きているときに切開しなければ駄目だな，と改めて思い知らされました。

　以前，茨城県の病院にいた時，粉瘤の治療で栃木県から受診された患者さんがいらっしゃいましたが，粉瘤ごときで県境を越えて受診された患者さんに恐縮してしまいます。

　そして，今日の午後，西東京市から受診された2歳の熱傷患者さん。最初，近くの総合病院皮膚科を受診したそうですが，「消毒とガーゼの治療」に疑問を持ち，Yahoo!の知恵袋を見て湿潤治療のことを知ったそうです。

　と，ここまでは普通の経過なんですが，このお母さんは私のサイトを熟読し，「要するに水疱膜が取れてしまえばいいわけね。そうしたらラップで治療できるわけね。何かあったら練馬まで行けばいいだけのこと」と理解し，子供が寝ているときに眉毛きりのハサミで手背の水疱膜を綺麗に切り取り，ラップを当てておいたそうです。
　そして，受傷から8日目の今日，当科を受診されましたが，手背の熱傷創はものの見事にきれいに治っていました。汗疹一つできていません。お見事！
　というわけで，西東京市の某総合病院皮膚科より，このお母さんのほうが知識を持っていて，適切な治療ができていました。

　そういうわけなので，総合病院皮膚科や形成外科では，従来通りの熱傷治療を続けていて下さい。患者が当科に逃げてくるので，当科としては大助かりです。

【13:30】

　「糖質制限食が食べられる飲食店」のリストをいただきましたので，マップにしてみました。よろしかったらご利用下さい。
　なお，このマップですが，［トップページ］⇒［その他／糖質制限］⇒［左側カラムの一番上］か，［トップページ］⇒［ミニエッセイ］⇒［糖質制限］⇒［左側カラムの一番上］から開けます。

【08:30】

　昨日の記事を読んで，こんなメールを寄せた人も。
　『一昨日「レバ刺しが食えなくなる！！」と嫁が喚くので焼肉屋に行き』という文面をそのまま転載するのはいかがなものでしょう。食中毒の危険性を軽視しているように思います。
　2012年6月28日の時点絵レバ刺しを店が提供するのは違法でもなんでもなく正当な商行為です。それを食べようが，食べたと書こうが問題はありません。そんなの当たり前でしょう。なんでこんなくだらないことにいちいちメールをよこすのか，訳がわかりません。

　私はレバ刺しは好きでも嫌いでもありません。無理をしてまで食べたいものではありませんが，他人が無理しても食べたいというのは邪魔しません。
- 他人に「レバ刺しを食べろ」というのは間違い
- 「レバ刺しを食べたら美味しい」と他人に言うのは正しい。
- 「レバ刺しを食べると必ず死ぬ」のであれば，食べるなというのは正しい。それでも食べたいという人がいたら邪魔しない。
- 必ず死ぬわけでなければ，死ぬ危険性を数字で出し，それを元に個人が食べるかどうかを判断するのは正しい。
　お隣の韓国に行けばレバ刺しは普通に売っていて，みんな食べています。では，2012年7月1日以降，「私は韓国旅行に行ってレバ刺しを食べた」と人に告げるのは違法行為ですか？

　ちなみに私は，「レバ刺しにまで国家が口を出すほど，お上は暇なのか？他にすべきことがいくらでもあるでしょう。政治の優先順位が狂ってませんか？」と思います。

　糖質制限食を提供する飲食店の一覧をいただきました。これもマップにしようかと考えているところです。

【06:00】

　幼児の指尖部壊死シリーズの第2回目。壊死した先端部分が近位部から次第にピンクがかってきて，縫合部の間から肉芽が顔をのぞかせ，祖霊伴って遠位の壊死組織が浮いてきているのがわかります。極めてダイナミックな変化です。

　アルゼンチンの地下鉄を舞台にした感動的なヒューマンドラマ，《ルイーサ》を紹介。極めて入念に練り上げられた脚本といい，主人公の老女を演じるレオノール・マンソの入魂の演技といい，実に素晴らしい作品です。

　39歳の事務職の男性から糖質制限についてのメールをいただきました。あまりに嬉しそうな内容に，読んでいる方も頬が緩んでしまいます。

　突然ですが、私の糖質制限の成果が目覚ましく、お礼かたがたご報告（自慢）にとメールいたしました。
　入職時に５９ｋｇだったものが、趣味のスキーをやめてトレーニングをしなくなってから増加しはじめ、現在３９歳、入職１６年目を目前にした１月２１日時点で、９７ｋｇ・・・
　さて、最早かつての栄光のモテ期はどこへやら、既に減量に挑む気概すら無くしておりましたが、久々に体重計に乗ったあの１月２１日、さすがに９７ｋｇは「もう１００ｋｇって言っても差し支えないよね！」レベルと思われ、このままでは死んでしまう！と、いきなり危機感も顕わに慌てふためきました。

　その時、先生の「糖質制限」の話題を思い出し、この出会いこそチャンスとばかりに翌日から即刻スタンダード制限を開始しました。

	before	after
朝食	菓子パン１個	無糖ヨーグルト１個（80ｇ）
昼食	大盛り定食+そば	定食ごはん少なめ（さらに5分の2を必ず残す）
夕食	就寝直前のドカ食いｏｒ外食でラーメン+チャーハン等	コンビニのフライドチキン１個+サラダ+豆腐一丁

　いきなりの導入でしたが、効果はテキメンでした。開始後の実感は以下の通りです。

２時ごろの猛烈な眠気、夕方の激烈な飢餓感が無くなった（よって外食せずに帰宅できる）
開始３日で体重減少が始まった。最初の１月で10ｋｇ近く減量
動くとすぐにバテていたものが、だんだん疲れにくくなってきた

　ちなみに、マイナス要素もありました。

関連は不明ですが、開始直後から１週間ほど、結構な頭痛に苛まれた

これは、体に相応の変化があるのだろう、と我慢しておりました。

　そして、６月２７日時点で７９ｋｇ。５か月で実に１８ｋｇの減量です。さらに減り続けておりますし、何より「何一つ努力していない」というのが素晴らしいです。
　かつて２０数年前、大減量を行い１月で１５ｋｇ（１年で２５ｋｇ）の減量を行ったことがありましたが、引き換えに何かを失った気がする（寿命？）ほど大変でしたが、糖質制限はほんの小さな気配りだけで大きな成果があるので、誰にでも出来ると思いました。

　もっとも、米離れが進む昨今でありながらも、「米食の呪縛」は凄まじく、職場であれこれ聞いてくるのでお勧めしますが、みんな等しく「アタシお米ＬＯＶEだから」と実行に移しません。米ＬＯＶＥ・麺激ＬＯＶE度なら、それこそかつての私が職場で最強だったはず。「その気」さえあれば、そんな呪縛は呆気ないほどに切れるのですが・・・このようなニュースに触れても導入できないのは、なんとも惜しいことです。

　さて、重量だけでなく、数値の面で色々改善されました。定期健診の結果が出ましたが、あくまでも健診時の数値です。改善の度合いは更に高いはずです。

	before	after
腹囲	101.5ｃｍ	88ｃｍ
ＢＭＩ	33.1	28.7
GOT	37	22
GPT	60	21
γGTP	57	18
GPT	60	21
ALP	203	174
LDH	173	146
総コレ	192	156
HDL	48	46
TG	141	52
LDL	133	103
血圧	160/96	122/85

　と、こんな感じです。前回の健診時に医師からは、「これはもう医療の対象だよ」と言われましたが、ことごとく改善しております。努力してないのに！

　まだまだ、世間様的にはおデブさんでしょうが、重量以上にシェイプアップの効果があるのか７０ｋｇ程度にしか見られません。実際に、大事にしまっておいた数年前のお気に入りの服が復活しています。また、実際カラダが軽くなったので、自然と運動欲が高まって、家族が寝ているスキに早朝裏山登山などしております。
　この後も「糖質制限とは、本来あるべき自分に戻るための道である」との思いで邁進いたします。（邁進といっても、努力も気負いも必要ありませんが）

　湿潤治療も糖質制限も、専門家でない人間でも膝を打って得心できる、簡潔な道理が感じられます。たぶん、物事の真理とは、そのように「シンプルでかつ美しい」ものなんでしょうね。
　自分の体に、こんなに感動出来る部分があったのかと、本当に嬉しく過ごしております。

　このメールにもありますが，こんなに簡単な減量法なのに，「米を食べない，パンも麺類も食べない」と聞いただけで拒否反応を起こす人が多いですが，それこそ「コチラ側の人間」からすると，なんでそんなに米に執着するのか不思議でなりませんが，こういう時は，「君たちはこれからもずっと米を食ってデブのままでいていいよ。オレだけ痩せるからさ」と言いましょう。

　先日，ちょっとだけ紹介した『ウナギ大回遊の謎』を読み終えました。ウナギはあの広い太平洋のどこで産卵しているのか，という水産界最大の謎を解明した研究者の書いた本です。私より10歳くらい上の方が，30年近くの研究生活を時系列にまとめただけなのですが，これが面白いのなんのって！
　僅かな手がかりをヒントに研究が飛躍的に進んだり，ウナギの専門家でない調査メンバーの直感が見事に的中したり，偶然が味方してくれたり，先入観が目を曇らせたり・・・と，波瀾万丈の冒険小説です。そして，広大な太平洋のどまんなかで，深さ160メートルの海水から直径1.5mmの産卵されたばかりのウナギの卵が見つかるのです。「わらの中から針を探す」どころの話ではありません。太平洋から1.5mmの卵ですぜ。
　こういう大発見なのに，とても淡々と書いていて，しかも随所にとぼけた味のイラストが書かれていて，その落差がまた素敵です。

【中国人よ、ばかにされるくらいなら日本人や韓国人のふりをしよう―中国】
　「欧米では日本人のふりをしてもバレないだろう」とありますが，多分，速攻でバレると思います。

2012/06/28

【15:30】

　病院で褥瘡委員会を立ち上げることになり，私が委員長ということでいよいよ動き出しました。第一回目の委員会で私が委員長ということで次のような方針を提案しました。
1. 病院ができたばかりで，いろいろな病院で働いてきた看護師が混在しているので，褥瘡処置の方法はこれ以上シンプルにできないというほどシンプルにする。シンプルであればあるほど，やり方を統一できるから。
2. シンプルなほど判断ミスが起こらない。
3. 褥瘡治療に専門知識は不要。専門知識・過去の常識はむしろ邪魔。
4. 褥瘡を特別扱いしない。病棟看護師はそれでなくても忙しいのだから，褥瘡処置だけを特別に行うのはナンセンス。褥瘡なんて片手間でも治せるのだから，おむつ交換の際に一緒にすればいい。
5. 褥瘡回診は一人あたり数十秒の診察で十分。多人数による褥瘡回診もナンセンス。みんな忙しいのだから，少人数で短時間で回診する。
6. 褥瘡回診では回診車は使用しない。回診車は回診の邪魔。
7. 褥瘡患者には栄養管理は行わない。

【13:00】

【男性は８５ｃｍでメタボ…腹囲の基準見直さず】
　今年1月までの私は腹囲85cm直前でしたが，糖質制限で一気に腹囲が7cmほど縮小し，29インチのジーンズも楽々状態ですから，メタボの基準なんて全く無関係，ドーデモいいことです。
　私の基本的スタンスは「オレだけ痩せればそれでいい。自分以外の中年オッサンはみんなメタボ腹を揺らして歩いていて欲しい」でございます。

【08:30】

【日本料理文楽】
　先日から折を見て紹介してきた「糖質オフの和食」のお店がついにベールを脱ぎました。栃木県足利市の「日本料理文楽」です。
　店主の方の祖父，父親が肥満＋糖尿病の家系で糖尿病で苦労をしてきたのを目の当たりにしていたものの，自分も次第に太ってきてしまい，「肥満は料理人の職業病」と諦めかけていたところ，ある医師に糖質制限を教えてもらい，糖質オフの和食に挑戦されたそうです。

　このお店や下記の「南山」のような「糖質制限食が食べられるレストラン，中華料理店など」をご存知のかたは，情報をお寄せいただけないでしょうか。

　神戸在住の先生から糖質オフ弁当情報をいただきました。美味しそう！
　私たち夫婦も糖質制限を始めて３ヶ月で合計１０Kg痩せました。私はLDLが２０も下がりました。

　ところで江部先生の本に登場する、糖質オフ焼肉コースがあるという京都の「南山」という店が、糖質オフ弁当を売り出していて、最近京都駅でも買えることがわかり、先週京都に講演会を聞きに行った帰りに買って来ました。ボリュームがあって美味しかったです。
　「豆腐干糸の肉味噌麺」といい、麺は麺状の豆腐ともやしでできていて、肉味噌とゆで玉子や野菜が載っています。７５０円です。これで糖質６．５g、カロリー２８０KCal とは。こういうものが手軽にあるといいのですが・・・。

　京都駅西口改札を出た向かいの伊勢丹スバコを入ってすぐの食料品売り場にあります。出張なさったときにいかがですか？

　昨日（27日），取り上げた「皮膚移植でハゲになり，そのハゲを治すために再度皮膚移植をすすめるバカ医者」への感想をいただきました。
　医原性禿髪の記事を見てちょっと感じたことなのですが、なんだか街金→闇金の流れに似ているなぁと・・・
　これって生活費に困った消費者が街金でお金を借りる。しかし金を返す当てはないので違う街金から借りる・・・
　次第に返済は行き詰ってついには闇金に手を出してしまう・・・

　結局禿は治ってないし、金も返せてないし…
　患者が文句を言おうものならきっと「じゃあ違う病院でにも行って治療してもらってください」

　不法原因給付を盾にした居直り強盗のような振る舞いですね・・・

　糖質制限中々調子いいですよｗ
　一昨日「レバ刺しが食えなくなる！！」と嫁が喚くので焼肉屋に行き、大凡1ｋｇ肉を食してきました・・しかし今日の体重は食す前と同じ！・・・そんなに大量に便が出たかな・・？
　不思議に思いつつもほくそ笑んでしまいました。

【06:00】

　6月18日にこのコーナーで取り上げた幼児の指尖部壊死の経過です。とりあえず，初診から1週間目までの経過ですが，壊死した皮膚の下でも軟部組織は死んでいないことがわかるはずです。
　今後，この指がどのように変化していくか，予想してみて下さい。

　練馬光が丘病院では看護師を募集していますが，「褥瘡のラップ療法をやってみたいが，今の病院では思うようにできない」という不満を持っていらっしゃる看護師さん，光が丘病院で働いてみませんか。興味をお持ちの方はメールでご連絡下さい。

【「妊娠7カ月で強制堕胎」、外国メディアに話した女性家族に村中が「売国奴、出て行け」―陝西省】
　「妊娠7ヶ月で強制堕胎」，「胎児の死体を母親の隣に寝せて記念撮影」，「外国メディアに接触したら村八分」，「家族全員が中国当局の監視下に」・・・と，どっからツッコんでいいかわからないのが中国の現状です。

　ちなみに，先日の中国の有人宇宙船「神舟9号」については，こんな噂も飛び交っていて，いかにも中国的です。

　微妙にそそられるデジタルガジェット発見。人柱になってみる？
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【公共投資増に蠢き出した　消費税増税の政治経済学】
　鳩山⇒菅⇒野田と政権が変わるたびに，「官僚」という言葉が演説に登場しなくなり，それに比例するように「消費税増税」という言葉が増えていったわけね。なるほどなぁ。そして，消費税増税の使い道は大型公共投資！　また，全国各地に使い道のない豪華ハコモノや車の通らない高速道路が作られるのかな？

2012/06/27

【14:30】

　ある先生からのメールです。

　内科検診の際に「HbA1cが高め（6を超えている）」と指摘され糖質制限始めました。オヤジもインスリンを打っていたので間違いなくDMハイリスクです。
　そろそろ3カ月ですが、ほとんど炭水化物を食べていません。外食も家族で居酒屋です。小学生の娘2人に指摘されたのですが、最近いわゆるオヤジ臭がしなくなったとのことです。シャツも臭くないといわれます。脂肪酸代謝に変化が出るのでしょうか？
　それと確かに昼間に空腹を感じなくなりましたね。

　それと鼻ヘルペスの患者さんですが、もしヘルペスウイルスだとすればもともと真皮層まで感染を起こすことが出来ないので（表皮層のみ）本来は跡形無く治るハズですよね。患者さんが人為的に掻きむしったか、皮膚科の薬で医原性の損傷を起こしたかですね。

【12:30】

　講演用のスライドをマイナーバージョンアップしました。最新版は6月27日作成のもので，褥瘡のフローチャートを修正しています。ご覧になりたい方は本名，所属を明記してメールでご連絡下さい。
　なお，以前ダウンロードしたことがある方は同じアドレスからダウンロードできますのでご利用下さい。

　毎日，いろいろな病院から患者さんが逃げてこられますが，今日は獨協大学附属病院皮膚科からです。結婚を控えている若い女性の鼻部ヘルペス後の瘢痕です。
　最初は近所の皮膚科に通院し，その後，獨協大学を受診していますが，ここでゲーベンクリームを処方されて1週間使用して潰瘍がさらにひどくなり，その後はヒルドイドソフにしてみたり，プロスタンディン軟膏にしたりと軟膏から軟膏へのサーフィン状態だったそうです。
　現在は色素沈着を伴う陥凹したやや広めの瘢痕になっていて，同大学皮膚科では「このままでは治らないから手術が必要」と説明したそうですが，これは切除縫縮は無理なサイズではないかと思われます。
　おまけに，現在はプロスタンディン軟膏が処方されていますが，「陥没した部分が盛り上がるように」と説明したそうですが，瘢痕の上にプロスタンディンを塗っても効果がないことは，この軟膏の作用機序からすると明らかです。薬理学の初歩から学び直して下さい。

　それにしても，顔の傷にゲーベンを処方するようなバカ医者が世の中にいるんですね。びっくりしました。まさかこれ，皮膚科の常識じゃないですよね。

【08:30】

【新型インフルの死者、報告の１５倍か　米研究者ら】
　このCDCの研究者，何が言いたいんでしょうか。「報告数の15倍」なんて数字はどうだっていいのです。重要なのは「新型インフルエンザ関連死者数２８万４４００人」という数字が，例年のインフルエンザによる死者に対し多いか少ないのかです。つまり，こういう記事を載せるなら，例年のインフルエンザによる死者の数も併記してくれないと判断のしようがあありません。

　私のようにひねくれた人間は，「オイオイ，またまたCDCの自作自演研究かよ？」と思っちゃいます。

　糖質制限についてのメールです。オカラおにぎりでスムーズに糖質制限をスタートされたそうです。

　私も今年の春頃から、プチ糖質制限中です。朝は元々水しか飲みませんが、用意と後片付けの楽さから、昼食は冷凍したおにぎりを解凍して会社に持参しています。夜はご飯をなるべく付けず、卵中心におかずのみを食べています。

　さて、私も最初に「ご飯を食べない方がいい」というお話を伺った時は、どれだけ身体に悪くても、ご飯が食べられないなんて悲しすぎると感じました。そこで色々試行錯誤し、辿り着いたのが「おからご飯」です。名の通り、ご飯におからを混ぜたものです。「ご飯を断った」感を感じずに摂取量を減らせると思います。
　おから自体にほとんど水分がないので、ただ混ぜるだけだと粉っぽさを感じると思いますが、私はその食感が結構好きなので、昼食やご飯を食べたい時は専らこれを食べています。私はおからと米を半々で混ぜていますが、おからが苦手なら割合を減らすのも有りかと思います。使用する米を玄米にすれば、なおいいんじゃないかと。

　そうしている内に、ご飯を食べない生活にも慣れ、今はお昼のおからご飯おにぎり以外はご飯抜きであまり不都合を感じません。
　元々痩せ型なので体型にはほとんど変化がありませんが、午後の眠気は緩和した感じがします。

　ただ、たまに甘いものが欲しくて、しばらく食べていなかったチョコレートに手を出してしまいました。子供の頃などはチョコレートなしの人生なんて潤いがないと思っていましたが、ここ数年は食べたいという欲求もありませんでした。それがご飯を食べなくなってからチョコレートが欲しくなり、それについての関連性はあるのだろうかと考えていた所存です。

　いずれにせよ、ご飯を「全く食べない」事で体調が悪くなる人は少数いるかもしれませんが、なるべく摂取量を減らすのは大抵の人にとって悪くない事だと感じます。全く食べないのがきつければ、何か混ぜ込んで炭水化物の量を減らすのは手だと思います。おからに限らず、こんにゃくとか色々バリエーションはありそうです。

【06:00】

　「プラスモイストP取り扱い薬局一覧」に，神奈川県横浜市のよつば薬局菊名と，茨城県ひたちなか市のあんず薬局佐和店を追加しました。

　6月14日のこのコーナーで
「頭部から採取した皮膚を手背に植皮する手術を受けた。主治医（形成外科医）は絶対に頭が禿になることはないと断言したのに，しっかりと禿になった」
という可哀想な患者さんのことを書きましたが，どうやらこの主治医はこの手術ミスを更なる手術で覆い隠そうとして，ご両親にとんでもない提案をしているそうです。
　6月14日の状態を提示します。見事な「医原性禿髪」です。また，恐れていたように，手背の移植皮膚からは毛が生えてきているようです。　この主治医の提案はご両親によると次のようなものだったようです。
1. 手に移植した皮膚を剥ぎとって頭のハゲの部分に移植します。そうすれば，手に生えた毛が頭に移動するので，ハゲは治せます。
2. 手の皮膚を剥ぎとったところには，別の部分から剥ぎ取った皮膚を移植します。
3. 皮膚を剥ぎとったところは自然に皮膚が再生するのを待ちます。
　まともな知識のある形成外科医ならこんなアホな提案をしますか？このバカ医者，患者のことをオモチャだと思っているのでしょうか？この手術が絶対に失敗することに，なぜ気が付かないのでしょうか？

　手背に移植した「毛の生えた皮膚」を頭に移植するとどうなるか。毛は正常な頭髪の密度でなく，非常に薄い密度でしか生えて来ません。移植操作により，一部の毛根は必ず死ぬからです。その証拠に，「現在手背の移植皮膚から生えている毛」はチョボチョボ状態ということですから，いわば準ハゲ状態です。その「準ハゲ」を頭部に移植すると，毛の密度は更に低くなります。私の予測では，ほとんど毛は生えてこないか，生えても「波平さんの頭」程度のはずです。
　しかも，手背に移植した「毛の生えてきた皮膚」は最初の状態より縮んでいますから，採取時の面積より小さくなっています。つまり，頭のハゲを覆う面積はありません。これは形成外科のイロハです。
　つまり，手背の毛を頭部に戻しても，ハゲの治療にはなりません。

　要するに，このお馬鹿さんは「ハゲを治さず，体の別の部分にさらに傷をつけましょうね」と提案しているのです。まともな知識と経験と判断力を持っている形成外科医とは思えません。

　ちなみに，このお医者さまは今回の手術が，「生まれて初めて行った頭皮からの採皮」だったそうです。

　埼玉，東京方面で小児の手の手術（瘢痕拘縮形成術）の治療でお薦めの病院，お薦めの先生をご存知のかたは，メールで教えていただけないでしょうか。1歳の赤ちゃんの手掌熱傷後の瘢痕拘縮です。

【アマゾン、Kindle 日本版を近日発売】
　突然の，降って湧いたようなニュースです。どうやら今度こそ本当に日本国内で正式に販売されるようです。Kindle Fireのアメリカ本国での値段は199ドルですから昨日のレートでは15,800円とチャイナPad顔負けの値段になり，インパクトはかなりのものでしょう。

　とは言っても，Kindleだけあってもそれで読める本がふんだんになければ無用の長物です。つまり最低でも，書店に並んでいるあらゆる本が買えなければKindleを持っていても意味がありません。「読みたい本は自分で自炊してね」ではダメなんですよ。

【GoogleタブレットはJelly Bean搭載の「Nexus 7」、199ドルで販売？】
　199ドルつながりで，こちらはGoogleオリジナル（？）のタブレットです。まだ詳細な情報が出ていないためなんとも言えませんが，このスペックでは「魅力は値段の安さだけ」になってしまいかねません。要するに，薄い，軽い，クアッドコア，高精細液晶，というハードだけではiPadキラーには成り得ないのです。
　それだったら，iPadの弱点である「入力のしにくさ・遅さ」をターゲットにして新たに設計した（と思われる）マイクロソフトの「Surface」の方がはるかに魅力的です。

【「読書で刑期短縮」、ブラジルの刑務所で新たな試み】
　本を1冊読んで内容を小論文にまとめれば，刑期4日短縮してくれるそうです。私の読書ペースなら2日で「刑期4日短縮」が可能ですから楽勝じゃん，すぐに出所できるじゃん，と思ったら，最大でも12冊までという上限がありました。

【議員定数削減、週明け審議入りを　民主当選１回議員が申し入れ】
　議員定数を議員が決める，という事自体に無理があります。これは，「試験の合否判定を受験生自身がする」，「スピード違反の速度を運転者に決めさせる」，「AKB総選挙をAKBのメンバーだけで行う」のと同じです。
　「議員数は人口100万人あたり1人とし，前回の国勢調査を基に機械的に決める」として，人口の少ない僻地県だけ特別枠として最初から議員1人の枠をとっておく，なんてことにすべきです。国会議員の数を国会で決めるなんてナンセンスです。

2012/06/26

【15:30】

【切ない思いが伝わってくる…パパが作ったレゴのお墓】
　このお墓を作らざるを得なくなったお父さん，辛かったでしょうね。泣きました。

【11:30】

　糖質制限と登山についてのメールをいただきました。

　糖質制限1年5ヶ月を超え、数年前から始めた山歩きを続けています。
　食費に関して、最初は、かなり肉、魚を食べていましたが、しばらく続けるうちに、あまり、たくさん食べたいとは思わなくなり、食べる量が減ってきました。食費も落ち着いて来ました。

　登山に関して、一昨日、8時間の行動でした。朝食、昼食におにぎりを食べ、水分の補給にスポーツドリンクを飲んでいた頃は、すぐに疲れ、休憩していましたが、糖質制限にしてからは、疲れなくなり、ほとんど休憩無しに歩き続けられるようになりました。
　行動中の水分補給は、水、山頂でわかす無糖コーヒー、おしるこも二人で分けて食べましたが、、、糖質1回20gを超えてはいません。行動中の糖分補給は０ではありません。塩飴、チョコレートを少し食べ、減少した筋肉中のグリコーゲン補給をしています。しかし、食べ過ぎると、逆に、疲れが出るように思います。

　心拍計を使い、180-年齢（マフェトン理論）以上に心拍をあげないようにして歩いています。そのため、歩く速度は遅いです。急坂では設定値を超えてしまいますが。。。この領域は、エアロビック運動で、糖質ではなく、ケトン体を主なエネルギーとするとのことです。心拍をあげると、糖質をたくさん使うようになります。
　直前に糖質をたくさん食べると、体がケトンモードでは無くなって蓄えた糖質を消費してしまうので、逆効果のように思います。

　皆さんと同じように、御飯を食べるとおなかがすくというのを山でも実感しています。

【09:00】

　糖質制限と毎日の食事について，家庭の主婦の方からのメールです。

　旦那様たちが、糖質制限食に対して奥様たちがよい顔をされない・・・とありましたが、敵をやっつける？一番の方法は味方につけること・・・ということで、奥様も一緒に糖質制限されたらいかがでしょうか？？

　わたしは糖質制限を初めてちょうど半年・・・
　ダイエット目的ではなく、純粋にHｂA1cを下げたい一心で、朝と晩は主食抜き。食事もなるべく砂糖やケチャップ、ソースは控えめ・・・だけど食べたいときにはお菓子も食べるしケーキも食べるし、昼食は大スキなパンと弁当。
　外食ではパスタを食べたりラーメンを食べたり、デザート食べたり、ドリンクバイキングでジュースを飲んだり・・・と普通に食事を楽しんできました。

　以前は午前中の早い時間におなかがすいて、お菓子を食べずにはいられなかったのが、糖質制限食を始めてからは全然おなかがすかなくて・・・我慢しているわけではなく、間食する必要がなくなりました。
　そんなわけで・・・アラフォーのわたし、身長１６１ｃｍ　５３．５ｋｇが、体重４８．５ｋｇになりました。（ここで止まったようです）
　一番の変化が下半身のサイズで、出産後下半身のサイズが大変なことになってしまい、ズボンはLサイズかLLサイズじゃないと太ももやウエストが入らず、上がMサイズ、下がLかLLという非常にアンバランスな体系でしたが、あれよあれよというまにおなかがへこみ、太ももも細くなり、今ではズボンがSサイズ（ウエストサイズでいうと６１ｃｍ）になりました。それでいて、女性にはかなり大切なバストについては、アンダーバスト（胴回り）はサイズダウンしましたが、カップサイズは変わっていません。
　また女性の場合急激な体重減少は、月経不順を招くことが多いのですが、そちらも異常なし。しかも貧血は改善・・・といいことづくめです。

　糖質制限食は、コツをつかむまでは面倒に感じるし、おかずの種類を増やさないといけないとか食費がかかるとか、奥様にとってはかなり面倒に思えるかもしれませんが、「旦那様の健康とスタイル」のためではモチベーションが上がらなくても、「奥様ご自身の健康とスタイル維持もしくは改善のため」ならがんばれるのではないでしょうか？？？

　ちなみに今、中２の息子が糖質制限食にシフト中・・・
　劇的な変化はまだありませんが、気力も体調も上昇傾向な気がします。

　ボディーシャンプーを止めてみたら・・・という女性からのメールです。
　最近、糖質制限の話題が多く、シャンプーレスからこのサイトを見ている身としてはちょっと寂しい限りなので、今日は私が体験したボディシャンプーレスの効果についてご報告したく、メールをいたしました。

　当方女性ですが、ボディシャンプーをやめてから、おしりや性器まわりの臭いがほぼなくなりました。
　以前は夏など特に、拭き忘れかと思うくらい下着が臭うときがあり、お風呂のときはそれは懇切丁寧に（陰部を）ボディシャンプーで洗っていたものですが、これは体臭なんだと諦めていました。

　それが、ボディシャンプーをやめたらスッキリ治ったんです！　そして、オリモノの量も激減して、オリモノシートフリーになりました。今は汗だくになった日でも下着はほぼ無臭です。
　今まで、洗いすぎで正常細菌叢がやられていたと考えると、すべての説明がつきそうです。もし災害があって数日着替えができなくても、ストレスなくいられそうな自信がつきました。
　世の中には、「彼女のあそこが臭い」と悩んでる人がいるようですが、ぜひ教えてあげたいです！

　なお、我が家では夫もボディシャンプーレスなので、あまったボディシャンプーは風呂掃除に使っています。湯あかが綺麗におちるので、我が家では風呂掃除用マジックリンも買わなくなりました。ボディシャンプーレスといっても、掃除や料理のあとには手を洗うのに石鹸を使うこともあるので、使いまわしができてちょうどいいです。
　というわけで，「女性のデリケートな部分のかゆみや臭い」でお悩みの方は，とりあえずボディーシャンプー／ボディーソープで洗うのを止めてみられてはいかがでしょうか。多分，これだけで臭いも痒みもなくなるはずです。

【06:00】

　「外傷を湿潤治療している医師」，「熱傷を湿潤治療している医師」に，名古屋市天白区のしばた整形外科／柴田正人先生にも加わっていただきました。ありがとうございます。

　変幻自在に色々な形になるテーブルを買っちゃいました。まだ使い始めて数日ですが，クールでスタイリッシュなアルミの筐体（という言葉を使いたくなるフォルムです）に惚れ込んじゃいました。形を整えるために6つのボタンを押して角度調整を行うことで，20種類以上の形のテーブルが作れるそうですが，なんだかパズルをしているみたいで楽しいです。
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　「我が家では糖質制限があまりうまく行っていません」というメールをいただきました。
　私が一人で主食を抜いているのをみて、夫がまねしだしました。しかし、夫は自営業で朝食、昼食は自分で作って食べています。ところが、糖質制限食を始めてから、
「食べられるものがもう、ない！（＝いつも同じものしか、作れない）」「俺は何を作って食べればいいんだ！（＝メニューが増やせない）」「腹へってどうしようもない」
と、いうようになりました。
　江部先生のレシピ本を何冊も買って参考にしてますが、夫にとっては、どれも量が少ないです。
　糖質制限が体にいいということを理解している（実際ウエストも細くなった）だけに、食欲を満たすことができずにとてもストレスを感じています。
　私自身は夕食にしても、いつものおかずを少し多めに食べれば、ご飯を食べなくても大丈夫ですが、夫はそうは行かないようです。夜の10時、11時になっても、何かかにか、つまんでいます。もちろん、糖質はないものですが・・・
　そんなんでしたら、夕食にきちんとご飯も食べて、おなかいっぱいにして、そして、それ以降ものを食べない、というほうが、体にとってはいいのではか？とも思うのです。

　どなたかが、発言されていましたが、糖質制限食にしてから、うちの食費は月２万円以上多くなっています。肉、野菜、魚を余計に買うからでしょう。
　将来の医療費と思えば安いものとも思えますが、日々の出費、空腹感との戦い（おなかがすかないというのが、信じられません。）などマイナス面を思うと、このまま糖質制限食を続けていくのが辛いです。

　別の話題ですが・・・
　私は学生時代、部活で行っていた登山を去年から再開しました。100キロマラソンを成功した方の談話がありましたが、私の場合は、かなりばてました。
　昨日、11時間行動となる登山をしましたが、上りは、体の不調はどこにもないのに、仲間について歩くことができません。そこで、下山前に、甘めのおやつを口にして、何とか最後まで足を運ぶことができましたが、糖質制限食にしてから、スタミナがついたとおっしゃられる面々がいるなかで、私の場合は、スタミナ切れをおこしています。
　登山のような、持久戦の場合は、よく言われているような、直前３日間くらいの糖質付加が必要なのでしょうかねえ・・・
　これは、これからの私の実験課題です。
　このメールを読んで「シャンプーレスを提唱した時に似ているかも」と思ってしまいました。数年前に私が「シャンプーを止めてお湯だけ洗髪にしたらフケもなくなるし痒みもなくなるみたいだ」と書いたところ，多くの人たちがそれを追試（？）してくれました。
　ほとんどの人は「確かに快適，快調！」でしたが，ごく一部ですが，「どうしてもシャンプーを止めると痒みがひどくなる」，「シャンプーをきちんとしている方が調子がいい」という人がいたのです。
　例えは変ですが，乳糖不耐症の人とそうでない人での，牛乳に対する反応に似ているような気もしないでもありません。
　もしかしたら，糖質オフにしたほうが調子がよく空腹感も覚えなくなる人種と，真逆の反応を示す人種にすでに分かれているのかもしれません。前者はいわば縄文人，後者は糖質に高度に適応してしまった進化型人類だったりして・・・！

　そういう意味では，私同様，典型的縄文人体質の滋賀の岡田先生からもメールをいただきました。今流行のAGEについてです。

　時々、糖と蛋白質が結合した終末糖化物質(AGEs)が老化の原因であるという番組を見ます。要は糖質制限して食後血糖値を上げなければAGEsが作られないのに，それを見事にスルーして、食べる順番とか、AGEsが多く含まれている食品を避けるという話になっていますね。
　皮肉なことに糖質はAGEsが少なく、獣肉はAGEsが多いということです。しかしAGEsを摂取しても人間の体のAGEsはほとんど増えないとも言っていました。当然でしょう。
　まあ、何にしろ糖質制限はアンチエイジングであると考えていいと思います。

　私も「AGEこそがアンチエイジングの要！」という提灯記事を読むたびに，なんだか胡散臭いなぁ，と感じていました。

【ベーリング海の植物プランクトンに変化】
　私の「かなりいい加減な記憶」によると，一般に熱帯の海は貧栄養状態，寒帯の海は栄養豊富です。これは，冬になると寒帯では気温が低くなり，海水表層も冷やされて表面海水は冷たくなり，このため，この海域の海水は「上が冷たく，下が温かく」なります。この温度勾配は物理的に不安定なため，上の冷たい水は下へ，下の温かい海水は上に移動しようとし，海水の撹拌が起こります。この時，海底の泥もかき混ぜられ，泥の中の有機物が海水中に溶け込み，それが直物プランクトンの栄養となり，栄養豊富な海域となります。
　逆に，南の海は表層と深層の温度の逆転はなく，撹拌も起きません。このためもあって，南の水は貧栄養状態になるようです。
　いずれにしても，植物プランクトンは食物連鎖の最底辺にいるため，結果的にその海域の生物相を左右します。つまり，植物プランクトンの種類が珪藻から円石藻に変わるというのは，生物環境にとって大事件なのです。食物連鎖の最底辺が変わることで，それまでの食物連鎖は変化せざるを得ないからです。

　ちなみに，珪藻の死骸が降り積もってできたのが珪藻土ですが，ノーベルが最初に作ったダイナマイトは，ニトログリセリンを珪藻土に染み込ませて作られたのは有名です。

2012/06/25

【15:30】

　今日の午後から，トップページのデザインをちょっと変えています。ほとんど気が付かないかもしれない微細な変化なんですが，ちょっと変則的なTableタグの使い方で組んでいるため，思い描いた形になるまでそれなりに大変でした。
　やはり，プログラムコードを自分でいじっているのが好きです。

【15:00】

　ある先生から「アルツハイマーと老化と糖質制限」という三題噺メールをいただきました。
　昨年のランセットに【うつ，糖尿病，肥満，高血圧，低知的教育，低運動頻度，喫煙】の７つの因子を減らすことがアルツハイマー病になりにくくなることという結果が出たと，今週号の週刊文春で順天堂大学の白澤卓二教授が言っていました。
　糖質制限して、うつ、糖尿病、高血圧、肥満がなくなりそうですから、糖質制限するとアルツハイマー病になりにくそうですね。

　老化の理論と老年医学の役割（東京大学大学院医学系研究科加齢医学講座　大内尉義）の最後のページに以下の10か条が載っていました。
【亭主を早死させる10か条？】（Mayer, J）

夫をうんと太らせる。砂糖、菓子をうんと食べさす。

とりわけ大事なのは、夫をいつも坐らせておくこと。

酒をうんと飲ます。

動物性脂肪をうんと食べさせる。

塩分の多い食べ物に慣れさせる。

コーヒーをがぶがぶ飲ませる。

たばこをすすめる。

夜ふかしをさせる。

休暇旅行に行かせぬ。

最後の仕上げに、終始文句をいっていじめる。
　私が糖質制限すると、「ひいおばあちゃんから米が食えるのは有り難いこと、と言われていた」と妻から猛反対にあいますが，10か条全部はまだされてませんのでマシかもしれません。
　そのうち，「アルツハイマーの一部は糖質の過剰摂取が引き金になって発症している」なんて事がわかったりするかもしれません。
　それと「亭主早死10箇条」ですが，「亭主殺すに刃物は要らぬ。毎日山盛りの飯を食わせるだけでよい」なんて都々逸ができそうです。

【10:30】

　「ネットを見て湿潤治療のことを知り受診しました」という外傷患者さんがとても多いのが当科の特徴ですが，その中でも「Yahoo!の知恵袋でアドバイスされた」という人が多いです（今日だけで2人）。
　Yahoo!の知恵袋のアドバイザーの皆様，ありがとうございます。皆様の的確なアドバイスのおかげで多くの患者さんが救われていますよ。

【06:00】

　明治牛乳宅配会社デミックの季刊誌「D」に『痛くない！早く治る！　怪我治療の新常識』を掲載していただきました。

　先日，ちょっとだけ紹介した『データで検証地球の資源』という本のレビューを追加。キーワードは「持続可能」と「小規模分散」です。非常に示唆に富んだ良書です。

　ある歯科の先生からの糖質制限についてのメール。
　実は私も体重80kgが目前となりズボンのサイズアップを余儀なくされたため、去年の３月から「ビール・日本酒・ワインは一切控えない」「御飯もカレーや焼肉の時は食べる」「甘い物もたまには食べる」という「なんちゃって糖質制限」をはじめました。
　結果、「なんちゃって」でも数カ月で79kg→65～66kgまで一気に落とせました。いや、あまりの効果にびっくりです。

　今日担当したope患者さんも去年HbA1cが17（体調悪くなり検査して発覚）という酷いDMだったのですが、術前の検査値ではHbA1c５台だったため、どうやったのか聞いた所、暴飲暴食だったのを糖質制限で下げたそうで「もう糖分は調味料に入ってる分くらいしか摂ってないですよ」だそうです。糖質制限の鑑です。糖尿病患者さんにはもっと知られて欲しいですね。

　シャンプー・石鹸レスもはじめて５年になりますが全く問題ありません。

　しかし、糖質制限もシャンプー・石鹸レスも一番の敵は妻です。
　私がやる分には文句を言わないのですが、子供（２歳半と３ヶ月）には「子供が御飯食べなくてもいいなんて聞いたことが無い。（シャンプー・石鹸レスは）学校に行くようになったらいじめられる」とやらせてくれません。唯一、子供への歯磨き粉レスだけは本職だけに死守しています。
　先日，糖質制限をしている医者たち6人と宴会をしたことがありますが，皆さん，「妻が糖質制限，シャンプーレスにいい顔しないんだよね」とぼやいておりました。考えてみれば，糖質制限は実行する側（＝食べる方）は楽ですが，それまでの献立の組立全く通用せず，味付けの基本ルールが変わってしまうため，糖質制限に付き合わされる奥様たちはとても大変だと思います。

　ただ，食べ方の基本ルールの変更といっても，「食事のルールを変えるとデブになって不健康になる」のでなく，「デブだったのに痩せて，しかも健康体になり，格好良くなる（？）」方向への変化ですから，ここは一つ，「デブで不健康な旦那よりいいか」と大目に見ていただけますと助かります。

　「水いぼ」関連のメールを頂きました。
　ペンレス保険適応通知を添付します。

　「学校感染症に関する統一見解」が日本臨床皮膚科医会の会員ページよりダウンロードできます。
P 99表2「学校感染症に関する統一見解（児童生徒・保護者向け）」（注：学校感染症第三種「その他の感染症」に関する日本臨床皮膚科医会の統一見解として平成16年12月に公表され、平成20年6月、日本小児皮膚科学会との共通見解になりました。）
４）伝染性軟属腫（みずいぼ）：幼児、小児によく生じ、放っておいても自然に治ってしまうこともありますが、それまでには長期間を要するため、周囲の小児に感染することを考慮して治療します。プールなどの肌の触れ合う場ではタオルや水着、またプールのビート板や浮き輪の共用を控えるなどの配慮が必要です。この疾患のために学校を休む必要はありません。
共用を控えればプールに入れるということとも解釈できそうです。

　以前にも「ムカデ咬傷の痛みには熱めのお湯に漬ける！」という治療法を紹介しましたが，やはり有効だったというメールをいただきました。
　一昨夜，10cm級のムカデ（トビズムカデ）に上腕部（ひじの内側のすぐ上）をかまれました。このサイトのムカデの記述を覚えていたので，すぐに熱めのお湯に腕をつけました。
　時々ぴりぴりとしたしびれるような感じを覚えましたが痛みはなく，一瞬「這ってただけで噛まれてないのかな？」と思うぐらいでした。実際は，数分後に，患部に蚊に刺されたような膨らみが１cmほどの間隔で２カ所出てきたのでその場所を噛まれた事は間違いないと思います。（下手人は捕獲したので夢でもないです。）
　１０～１５分ほど，湯につけた部分が赤くなるくらいの時間温めてからそのまま寝ました。起きたあとは何事もなかったように治っていました。ムカデ毒はほんとに熱で壊れるんですね。

　実は，ここの情報に助けられたのはこれが初めてではないです。第２子出産後，抜け毛がひどく，いわゆるホルモンバランスのせいだと思っていたのですが，ふと思い立ってシャンプーレスにしたらあっけなく治ったんです。
　その後２年ほど，シャンプーを使わずに過ごしています。

【ファーストサーバ、共有サーバーとVPSサービスで「データ復旧は不可能」】
　低価格を売りにユーザーを増やしてきたレンタルサーバですが，「データ復旧不可能」という，ありえない＆とんでもない事故が23日に起きてしまいました。しかもこのファーストサーバは個人のメールやブログだけでなく，会社法人のネットショッピングの機能も提供していましたから，被害は甚大でしょう。私も一時，低価格に魅力からこのファーストサーバへの移転も考えていましたが，乗り換えなくてよかったと胸をなでおろしています。
　ちなみにファーストサーバの約款には「データ消失の危険性は常にある事業なので，ユーザー側がバックアップしていないデータがどうなろうと知ったこっちゃないし，弊社は責任は一切取りません」と明記されているようです。
　もしも同じ事故がGoogle MailやYahoo Mail，Facebook，Evernote, Dropboxなどのクラウドサービスで起きたら・・・と考えるとゾッとしませんか。
　そういうわけで私は，たとえ時代遅れと言われてもデータはクラウドに置かず，個人のパソコンと外付けHDDに保存していきます。手元にデータさえ残っていれば，あるサーバがダウンしても別のサーバに乗り換えればいいだけですから。

　本屋さんて見つけた面白いそうな本が『農耕起源の人類史』。でもお値段がちと高いです。私が躊躇せずに衝動買いする本のお値段の限界をちょっとだけ（？）超えています。でも，すごく面白そうなんで，自宅に戻ってからもずっと迷っています。

【「インプラント治療で重症に」　歯科医25％が経験】
　私費診療で高い値段が取れるから，歯科医はどんどんインプラント手術をします。儲かりますから・・・。だから，インプラント治療は全て保険診療で行うことと定めた上で治療費を安く設定すれば，下手な歯科医はインプラント治療をしなくなるんじゃないかと思いますが，いかがでしょうか。

【3.7兆円に！　受給者急増で膨らむ生活保護／誰でももらえる!?　欠陥だらけの制度の全貌】
　先日紹介したこの本によると，「まじめに働くより生活保護を受けたほうが収入がいい」という現象を生み出したのは，1985年の年金改正らしいです。
　この制度は，男性サラリーマンと専業主婦の組み合わせを標準家庭として，主婦がパートで年間130万円以上稼いいだ場合，夫の扶養控除がなくなる，としました。そのため，主婦の時給は安く抑えられ，主婦もそれを望むことになります。時給が高くて年間130万以上になると控除がなくなるからです。そのようにして決まった「安い時給」がそのまま，学生のバイトやフリーターの時給の基準となり，彼らの定収入をもたらした・・・ということらしいです。

2012/06/22

【16:00】

　糖質制限についての極めて面白い資料を教えていただきました。
　先日チラリと書いた「人口から読む日本の歴史」ですが、実際に購入して読んでみたろことひじょうに面白かったです。
　読んでいると、その中にこのような引用文がありました
　「最近の（といっても1990前後のようです）栄養人類学的研究は、新大陸における土着農耕民の出生児平均寿命が狩猟採集民よりも短く、農耕化が必ずしも死亡率改善に繋がらなかったことを明らかにしている。その原因は、栽培直物（トウモロコシ）への依存は摂取熱量を高め、栄養を量的には向上させたが、穀物への過度の依存が動物性たんぱく質の摂取を減少させて、栄養の質的低下をもたらしたことにあった。発掘された人骨から見ると、狩猟民では乳児の死亡がもっとも多いのに対して、農耕民では１～３歳の幼児が大きな比重を占めていた。離乳期における柔らかな澱粉質の食事が最近を繁殖させて下痢を引き起こしやすく、また蛋白質欠乏症をもたらしたためであった（井川史子　「骨で見分ける古代人の生活ぶり」「科学朝日」42巻12号
　作者は初期の農耕化によってに乳幼児死亡率は改善されなかったという意見を紹介しています。一方、弥生時代以降の水稲農耕については死亡率低下の役割が無視できないようだとコメントしています。

　それにしても上記の文章は糖質制限食というより炭水化物食？に関わることではないのでしょうか？糖質に依存することの問題点を上げているように思えます。これからは「主食」という考えは捨てて良いのではないか思います。従来のいわゆる「主食」というのは実は主食ではなく「おかず」もしくは「つけあわせ」と考えても良いのではないでしょうか？？

　原本を読もうにもすでに科学朝日は廃刊になっており国会図書館にでも行かないと読めないでしょうが、1980年台の記事でこのようなものがあることにびっくりしました。
　というわけで，この本，私も早速この本を購入することにしました。

【15:00】

　内科の先生からの「水いぼ」関連メールです。
　2003-2004年ごろの研修医向けの雑誌に（JIM?)下記のような保護者への説明の例がありました。これに賛同してパクッて使用しております。近くの保育園、幼稚園は1か所ずつこの方針を受けて入れてくれました。

　顔面でかゆがり赤くはれている場合は除去しています。広がり続けたときも除去しています。プールに入りたいときも仕方なく除去しています。ペンレステープなどは使わず1％キシロカインを用い27G針でほんの少し膨隆するくらい局麻するとアドソン攝子でむしっても全くいたがりません。一度に10個でも20個でもとれます。取った後はワセリン+採血用のブラットバンをはると翌々日にはだいたい治癒しています。原本を見つけることはできませんでした。
【みずいぼ】
　みずいぼ（伝染性軟属腫）とはみずいぼウイルスが感染しておこる小さな水ほうをつくる病気です。小さな丘状の水ほう様のぶつをつくります。つぶすと白い小さな固まりが出てきます。この中にはウイルスがたくさんいます。これが感染していきます。また、周りに湿疹ができる性質を持っています。

【治療】

つまんでとる。特殊なピンセットでつまんでとります。中から白い芯が出てきます。いくら手早くしてもかなり痛いものです。

塗り薬：硝酸銀など塗る治療です。焼くので痛みがあります。硝酸銀を塗る方法は40％のものを直接塗ったり、小麦粉で硝酸銀をまぜたり、痛みの少なくなる方法をいろいろ考えられていますが、今ひとつです。硝酸銀を使うと後が焦げたようになります。それで治ってしまうのならいいのですが、何回もしなければならない場合があります。子どもの負担になります。また、治癒すると跡が白くぬけたようになります。直前にキシロカインを塗ってから処置をする方法もあります。

のみ薬：あまり効きません。

【治療の考え方】
※６ヶ月から１年半くらいで自然に治るのでほっておく手があります。ほとんどの教科書（小児科のものでも皮膚の病気に関しては）は皮膚科の先生が書いているので、すぐに取りなさいと書いていますが、実はほっておいていいと私は考えています。
　なぜかというと、取ってもまた出てくるからです。目に見えないくらい小さいものが残っていて、取りきれないものがたくさんあるからです。その度に取らなければならなくなります。みずいぼウイルスに対する抗体ができるまでは続きます。
　みずいぼをとるのは簡単ですが、子どもは大変痛がります。数が多いときは本当に残酷な感じです。自然に治り、できていてもほとんど悪さをしないものに対して、こんな痛い思いをさせるのが本当の治療といえるでしょうか。　また、プールでうつると行って、プールに入れないのもおかしい。手や接触でもうつるのですから。

※硝酸銀の治療法も工夫されたものも含めていろいろやってみましたが、いまいちです。治るまでゆっくり待てばいいでしょう

※季節によっても考え方が違います。夏前に急に増えることが多いです。少ないうちに取るのでしたら、季節も考慮に入れる必要があります。

【注意】

かゆみがあるので、かきむしることがあります。爪をよく切っておきます。周りに湿疹のできる性質がありますので、この湿疹は治療します。
　保育園や幼稚園の先生への手紙を書いてみました。
幼稚園・保育園園長殿

　水イボの季節になりました。感染するということで水イボを取らないとプールに入れないということで、取るようにいわれて受診されますが、以下の理由で取る必要がないと思います。

取った後、見た目で見えなくてもウイルスは存在する。つまり治癒していないので感染しないとはいえない。

自分が抗体を作って治癒していなければ、すぐに再び出てくる。おっかけっこになる。

目に見えないほどの小さいものまでは取りきれない。

プールで移るという確証はない。

紫外線とプールの強い塩素のため感染する可能性は低い。

ピンセットで一つ一つつまんで取るため非常に痛い。硝酸銀の方法は焼け跡が残る

ほっておいても自然に治る。出たからといって、大きな問題にはならない。

非常に痛いため、医師を大変怖がるようになる。キシロカインを塗っていても痛いものは痛い。
　私は以前、押さえつけて大泣きさせて水イボをがんばって取っていましたが、今は以上の理由で痛い思いをさせて取る必要はないと考えています。

内科の先生からの「水いぼ」のメール
　水いぼについてですが、「水いぼ」、「医師会」と検索すると、各地の医師会の（公式？）見解がいくつか出てきます。
　また、学校保健法施行規則が平成１１年４月１日より一部改正され、
1. 「水いぼ」は単に「通常登園停止の措置は必要ないと考えられる伝染病」
2. 「原則としてプールを禁止する必要はない」　ただし、重症な場合はビート板や浮き輪の共用をしない。
ということが公に認められているようです。公に認められているわけですから、プール禁止としている施設への反論の決定版となると思います。

　当院での対処ですが、放っておいてもなくなることもあり、増えることもあり、かいて傷やとびひになることもあるし、現にとびひになって来院する場合もあるので、そのことおよびプールに関する話題を説明の上、除去を希望する場合には取り除いています。

　私見ですが、除去することで傷を修復する機転が働くのか（免疫力が活性化する？）、除去していない水いぼもなくなることがあります。一時的に増えてもしてもいずれなくなっていくので、全て取りきらなくてもよいようです。

　ちなみに、ペンレスは、H24.6月から水いぼ除去の際にも保険適応となりました。
　というわけで，「水いぼだからプールに入れてはいけない」というのは学校保健法施行規則違反ということになります。

　小児科の先生からのメール。
　学会で見解を出すことは意味があります。以前、手足口病の出席停止期間で、保育園ともめたことがあって、小児科学会でこういっていたから、とつっぱねることができました。はじめはなかなか、折れてくれなかった保育園も、次第に本人の調子さえ良ければ、登園できるようになりました。
　こういうときは権威の笠を借りるのもよいなあと思いました。

　水イボごときでプールに入れないのは、こどもがかわいそうです。親のエゴではなくて、管理者の問題だと思っています。アトピーでひっかき傷のある子がプールに入ることの方がよっぽど問題ではないでしょうか。
　咽頭結膜熱も診断をつけてしまうと、プールの水を全部かえなければいけない、といわれて、それ以来病名をつけるのをやめました。

　泣き叫ぶくらい痛い処置なら、やらなければいい。もっと痛くない治療がいっぱい紹介されているので、それをやってあげればいいと思います。（本当は必要ではないけれど。）
　こどもが泣くのをみるのは嫌です。

【12:30】

　6月19日にこのコーナーに書いた「デビュー直前の歌手」の方ですが，跡形なくきれいに治りました。よかった，よかった！

　60代で顔を怪我した患者さんが受診されましたが，話を聞いたら昔ボクシングのトレーナーをしていたとのこと。それで，「昔，カシアス内藤というボクサーがいましたよね」と言ったら，「知ってるよ。だって同じジムだもの。俺，三迫ジムだったんだ」って言うじゃないですか。もうびっくりしちゃいましたよ（カシアス内藤についてはこの映画レビューの最後の方をお読みください）。その他，輪島功一さんのタイトル戦の話などで，しばし盛り上がってしまいました。世の中，広いようで狭いです。

　幼稚園の先生からの水いぼ関連のメールです。
　この季節になるとプールが始まりますが、約１０年くらい前からウチの幼稚園では「水いぼでもプール可」としています。水量と塩素濃度の高いプール内で感染するとは考えにくく、タオルやビート板、腕うきわなど直接肌に触れる物は共有せず、この１０年で特に水いぼが増えたとか、悪化した事例はありません。
　無理にとらなくてもいいのではないかな、と経験的に感じています（科学的ではないですね）。
　学校の意識が変われば、水いぼはたいした問題にならないのではないかな、と思っています。

【08:30】

　9月1日に愛知県一宮市で講演することが決まりました。

　昨日（21日），「革靴にワセリンを塗ったら撥水加工！」というメールを紹介しましたが，今日の朝，東京地方はかなりの雨だったため，早速試してみました。もちろん，撥水効果は抜群でした。水たまりに間違って入っても水をはじきまくっています。

　その際，ちょっと紹介した愛用のヴィンテージレザーリュックサックについて問い合わせをいただきました。
- 外側に3つ，サイドに1つ，内側に1つの計5個のポケットがあり，とても機能的です。バッグの命はポケットの数にあり，というのが私の選択基準です。
- 13.3インチのノートパソコンがらくらく収納できるサイズです。容量も結構あります。
- 作りはしっかりしています。

【06:00】

　10月21日（日）に東京小児科医会で講演することが決まりました。会場は西新宿の東京医科大学病院です。

　11月4日（日）に新医協全国研究集会鍼灸領域分科で講演することも決まりました。都内での開催となりますが，会場はまだ未定です。

　小児科にしても鍼灸医学にしても，これまで外傷や熱傷治療とは全く無縁だった領域の先生方からの講演依頼というのが，時代の変化というやつかもしれません。

　「プラスモイストP取り扱い薬局一覧」に，茨城県大洗町のあんず薬局大洗店と，群馬県前橋市の調剤薬局元気の森の2店を追加しました。

　ある，医療系ジャーナリストの方からの「水いぼ」関連メールです。
　前に、とびひの取材をしたときに、ちょっと聞きました。
- 皮膚科医は治したい
- 小児科医は放置してもいいと考える
- 間にいるのは、日本小児感染症学会
で、いろいろもめた結果、板挟みになって、（水いぼの臨床研究への）大号令がかけられなかった，というようなことを聞いたことがあります。

　ある皮膚科の先生からの「水いぼ関連メール」です。
　水いぼの問題ですが、私は極力治療したくありません。労力だけ多く、儲けは微々たるもの。私の知り合いの皮膚科医でも好んで治療する人はいません。まず無治療で経過をみることを保護者には勧めます。基本的には親の強い希望により仕方なく治療します。

　その誘因は、学校でプールに入れてもらえないことです。学校、保護者の意識が変わらない限り、この問題は解決しません。

　ちなみに無治療の場合、私の経験では短い子で半年、長い子では３年以上かかります。平均しても１、２年はかかると思います。
　その間、プール禁止は酷でしょう。水いぼがあってもプールOK、プールに入るからには水いぼをうつされて文句は言わない、というコンセンサスが得られない限り、治療せざるを得ない状況は続くのではないでしょうか？

　ある小児科医のメールに出ていた、【無治療の時の感染率も変わらなかった】というのは本当ですか？そんなデータをどうやってとったのでしょうか？ちょっと怪しくないですか？
　これに対し，私が「誰かが音頭を取って皮膚科学会，小児科学会を巻き込んでの「エビデンス作り」を立ち上げ，「科学的根拠のある水いぼ治療」のガイドラインを策定する必要があると思うのですが・・・」と返事したところ，次のようなレスをいただきました。
　そううまくはいかないと思います。いくらガイドラインがあっても、今の時代、いくら無害とは言え、自分の子供が水いぼをうつされかねない状況を許容する保護者は少ないと思います。うつされるのが嫌ならプールに入るな、という論理は社会的に通らないでしょう。

　じゃあ、どうすべきか？良い案はありませんが、個人的には、水いぼがあったら学校のプールは我慢するしかないと思います。多分、子供自身はあんな思いをしてまで、学校のプールに入ろうとは思ってません。大体は親のエゴです。本人が頑張って治療するというならする、嫌なら学校のプールは諦めて個人的にこっそりプールに行く、しかないんじゃないでしょうか？
　データとか、エビデンスとか、ガイドラインとかの問題じゃないと思います。

　感染率の問題は、水いぼ治療した場合としない場合の他者に対する感染率を調べるのは現実的には不可能だと思います。私が怪しいと言ったのはそのデータではなく、そんな話があったとメールした小児科の先生がうる覚えで言っているのでは？ということです。実際は、治癒までの期間に有意差はなかったという話で、感染率までは言及していなかったのではないかと推測します。
　確実に言えることは，何が最適な治療かわからないまま，今年もまた「水いぼの季節」がやってくるということです。

【具合悪いけど疾患ナシってどういうこと!？　俗に言う「自律神経失調症」の正体とは】
　「自律神経失調症と診断される症状は不眠、気力の低下、集中できない、食欲の変化、胃腸症状など多彩です」という説明を読むと，外科系糖質セイゲニストは
「この症状って全て，糖質過剰摂取とその後の急激な血糖降下で説明できるよね。ってことは，自律神経失調症って糖質制限すれば治るんじゃないっすか？」
と単純に考えてしまいます。
　我ながら，短絡的単純思考に苦笑してしまいますが，原因不明で検査しても異常もなく多彩な症状のみ存在するというのであれば，可能性はゼロではないような気がしますが，いかがでしょうか。

2012/06/21

【16:30】

　水いぼについて，ある小児科の先生からのメールです。
　１０年以上前だったと思いますが、札幌だか、北海道だかのたぶん小児科医会で、水イボをとった時と、とらなかった時の治癒までの期間を調べたのが、朝日新聞に載っていて、じつは治癒までの期間はかわらなかったという結果がでていました。
　つまりは消毒と同じで、見えるものやとりやすいものだけとっているのであって、小さいものには手をだしていない、ので、本人が水イボウイルスに対する抗体を得なければ、治らないそうです。あと、そのときの結果では感染率も変わらなかったそうです。

　以前背中一面に水イボがでたこどもがいて、赤ちゃんだったので、お母さんもかわいそうだからとらない、と言っていたのが、あるとき急にすーっとへこんでいったのを見たことがあって、それ以来、まわりから、横やりが入らない限りは、積極的にとりにはいきません。聞かれたときは、1-2年たてば、治るよと言っています。
　もっとも、本当の治りがけは湿疹が周りにできて、とても痒いので（つまりは炎症がおこってウイルスが排除されるのでしょうが、そのときは弱いステロイドをだします），ひっかいてとびひになってひどいことになったこともあったし、わたしは見ていませんが、100個以上でた子もいたそうです。

　スイミングスクールや保育園、幼稚園の対応は、ほとんど、できたら取れ、とらなければプールにいれないという方針です。
　水イボ程度で大騒ぎしなくても、と思うのですが、集団生活だとそうもいかないのでしょうね。結局取り切れなくて、一夏プールに入れないこどももいました。
　保育園や幼稚園を説得するのは大変なので、お母さんにはとらなくても治るけど、プールにはいるためには仕方ないよね、などと話をしています。なんか、この構図、湿潤療法に似ていますね。

　基本的に皮膚科はとる、小児科はなるべくとらない、なので、お母さんの強い希望があったときは、さんざん皮膚科で待たせるのはかわいそうなので、治療します。結局ここでことわっても、皮膚科に行くだけなので。
　皮膚科の開業医は、申し訳ないけど、信用していません。周りの皮膚科は、軟膏はすぐ混ぜるし、アズノールとコンベックとか、いらないじゃない、という薬を平然と出すし、ゲンタシン軟膏なんてきかないし、もうちょっと勉強してくれても、と思います。

　自分の専門は逆に新しいことをとりいれにくいということなのでしょう。これも湿潤療法の構図そのものですね。
　そろそろ，小児科学会あたりが総力を上げて水いぼの自然経過についてデータを出し，その上で「水いぼは取らなくていい」と学会の公式見解を出すべき時期ではないかと思います。そうすれば，プールとか幼稚園とかで，個々の小児科医が悩まないで済みます。「先生，この水いぼは取らなくていいのですか？」と質問されたら，「日本小児科学会が切除すべきでないと結論を出しました」と胸を張って答えられるようになります。

　いずれにしても，これほど患者数が多い疾患なのに，治療方針が定まっていない，個々の医者に治療方針が委ねられている，あるいは小児科と皮膚科で治療方針が違う，ということ自体が異常なんですよ。おそらく現場の医師たちも，これが異常事態であることを肌で感じているはずです。
　それこそ，1年くらいかけて全国の小児科医が水いぼ患者を追っていけば，その自然経過（切除しないで放置したものがどのくらいの経過で消失するか）は明らかにできるでしょう。そして，「科学的根拠に基づいた水いぼの治療指針」が作れるでしょう。それを作るのは小児科学会の使命であり，小児科学会以外にはできない仕事です。

【10:00】

　そろそろプールの時期が近づいて来ました。そうなると増えるのが「水いぼを取って下さい」という患者さんです。しかし，小児科の先生からは「小児科的には取らなくてもいいし，放置してもいい，という考える先生が多いけどね」という話を聞くこともあります。
　というわけで，「水いぼは医学的・科学的見地から取るべきなのか，取る必要はないのか」についてご存知のかたは，メールで教えていただけないでしょうか。小児科，皮膚科を問わず，情報をお持ちの方はご教示いただけましたら幸いに存じます。

【09:00】

　昨日（20日）の「心臓外科／深いい話」を教えてくれた先生からのメールです。
　先生が紹介したリストパースですが、病院内で使っています．今、病院の警備が厳重で、どこの、病棟に行くにもカードが必要です．胸のネームプレート入れに入れておくか、お財布に入れて使っていたのですが、胸を突き出したり、お財布を出したり、面倒でした．リストパースがあれば、手をかざすだけで、ドアが開きます．他の人は(リストパースは白衣に隠れているのでわかりません)手かざしでドアが開くとびっくりしています．すぐに種明かしをしますが．．．(^ー^) ．
　最近，新しい病院はどこもオートロック式のドアで管理区域を物理的に区切り，カードキーがないと入れないようになっていますから，このリストパースはとても便利でしょう。
　というか，こういう病院の医者，看護師，パラメディカル，事務向けにもうちょっと安い「リストパース」を作って売ったら，かなり売れるような気がしますがいかがでしょうか。

　ついでに，この先生から「この本も読みなさい！絶品です」と薦められたのがこれ。

【08:30】

　糖質制限とワセリンの思わぬ使い方についてのメールをいただきました。
　糖質制限をすれば２食/dに・・・確かにそうですね。私も糖質制限をするまでは、朝にラーメン、昼にラーメン+おにぎり、晩ゴハンもご飯２膳って感じでしたが今は朝に無調整豆乳とチーズかヨーグルト。昼はラーメン・唐揚げ・サラダ、夕食は家ごはんのおかずのみです。一応３食ですが、全体の食事量としては減っていますし、食事量が減っているのに空腹感は少なくなっています。

　さて、昨日は台風がきて大変でした。また、梅雨どきということもあり、傘をさいていても足元からべちょべちょ、靴にも水がしみこんできて残念な気分に・・・
　そこで！湿潤療法実践者なら常備？の白色ワセリンの登場です。サラリーマンな方で革靴着用者限定ですが。はい、そのまさか！革靴にワセリン塗っちゃいました。縫い目のところは入念に。べたつくようならペーパータオルやティッシュでゴシゴシ。ワセリンゴシゴシ法です。結果ですが、とても撥水してくれます。
　水たまりにうっかり踏み込んでも、足を出した瞬間に水気は水玉となって転がり落ちてくれます。急に雨が降ってきたけど、靴用防水スプレーないなー、白色ワセリンならあるけど・・・って奇特な方にはぜひオススメいたします。
　ぜひお試しあれ。
　東京地方は今日の午後，また雨になりそうとの予報だったので，私も出掛けに革製スニーカーにタップリとワセリンを塗りこんできました。
　ちなみに私は通勤の時は次の革製リュックですが，雨が降りそうな時は全体にワセリンを塗っています。防水スプレーのほうが手軽なんですが，防水スプレーの臭いがちょっと苦手なもんで・・・。ちなみにこの革製リュックは13インチのノートパソコンが余裕で入るサイズです。

　「革製品のお手入れには革専用のクリームをお使い下さい」というのもどうなのかなぁ，疑い始めています。数年前から革の財布に時々ワセリンを縫って汚れを落としていますが，革の調子がとてもいいからです。また，革の色が落ちたり変色することもないようです。もちろん，n=2 ですけどね。

【06:00】

　お馬鹿でパワフルなホラー映画，《セクシー・キラーリベンジ・オブ・ザ・デッド》を紹介。私はこういう映画が大好きです。もちろん，評価は最高ランクの★5つ！だって，こんな映画が好きなんだもん。

【洗礼者ヨハネの遺骨発見？】
　この程度のデータでいきなり「洗礼者ヨハネの遺骨だ！」と考える方が無茶です。それこそ，「この骨は1800年ほど前の日本で発見されたものだ。１８００年前だから卑弥呼の遺骨に違いない」というのと五十歩百歩です。
　多分，この「洗礼者ヨハネの遺骨」をネタにミステリー小説とそれをもとにした映画が作られるんだろうな。

　シャンプーレスと糖質制限についてのメールです。
　私も去年1月からお湯だけで髪や顔などを洗っています。それまでは石鹸シャンプーやアミノ酸系シャンプーを使ってました。結果は今のほうが調子いいです。フケなし、皮脂のバランスがいい感じ、(メリット使わなくても)サラサラ～です。
　ぬるめの温度（35度位）で洗うのが良いようで、熱め（42度位）はフケらしきものが出ました。肌もサラサラです。前は部分ごとにカサカサだったりべとついていたり。面白いのは、シミの所の皮膚が何度かヒラ～っとめくれます。いま観察中です。

　糖質制限も始めて半年位です。パンが好きでたまに羽目をはずし食べますが、ぼおっとしたり、なんでこんなことでという事で気分が下がったりという事が糖質制限を始めてからよくわかるようになりました。今は間食にはきゅうりかじったり、ナッツや納豆です。前は間食に菓子食べて胃がへんに痛いし気持ち悪かったりしましたが、今はないです。。
　そんなところです。自分の観察、更に続けてみます。

【スマホにも使えるUSBメモリ】
　これはちょっと便利かも。J-Forceの公式サイトを見ると，Xperia，Arrows，Aquos, Galaxy，Regza，Sony Tabletなどには対応しているようです。

【バッファローの耐衝撃ポータブルHDDにUSB3.0接続2TBモデル】
　［外付け／USB3.0／2TB］のHDDは結構ありますが，ポータブルHDDで2TBというのはまだ少ないようです。まだお値段的にはお高いですが・・・。
　実は，私とバッファロー製品，相性が悪いんですよ。これまでいい思い出がほとんどありません（例：あの外付けHDD，あの無線LANルータ，あのUSBメモリ・・・）。もちろん，天下のバッファローですから，私が不運なだけだと思います。

【インド、化石燃料と補助金】
　この本を読み終えたばかりの人間はこの記事を読むと，「そうか，インドでは家庭の煮炊きは液化天然ガス（LNG）でなく液化石油ガス（LPG）が使われているのか。専用パイプラインさえ引けばLNGの方が安上がりのはずでは」とか，「肥料や木材を燃やしてエネルギー源にするより，小規模のバイオマス発電を村ごとに作ったほうが長期的に見て安上がりっすよね」と反応してしまいます。

【＜熊本大病院＞男児の足の指壊死　点滴が漏れ】
　塩化カルシウムは一応，「点滴漏れすると組織障害が起こる薬剤」の一つです。
　ただ，「術後まもなく右足が腫れ、（中略）手術の２カ月後、親指が第１関節から欠落した」と経過が長いこと，おそらく足背静脈でのルート確保と考えられること，そして局所治療の手段が「塗り薬」だったことから考えると，局所治療の知識がきちんとあったら，大丈夫だったのではないかと思われます。なぜかというと，足背の組織壊死でも指動脈（＝足底側にある）には損傷は及ばず，たとえ足背の組織壊死があっても指動脈が生きていれば，第1趾壊死には至らないはずです。
　この症例の治療経過は不明ですが，よくあるパターンはこういう治療経過をたどっています。
［手術終了時に水疱に気づく］⇒［点滴漏れなのでアクリノールで湿布］⇒［水疱膜が破れる］⇒［潰瘍になったのでアクトシン軟膏などに切り替える］⇒［次第に潰瘍が深くなる］⇒［感染を起こしたので潰瘍が深くなったと考えゲーベンクリームに切り替える］⇒［さらに潰瘍が深くなる］・・・
　さて，この症例の治療経過はどうだったのでしょうか？局所治療にあたった医師たちが正しい創傷治療の知識さえもっていたら，別の結果になったのではないかと思われてなりません。

【「女性宇宙飛行士の笑顔」は作られたもの？＝国営通信社配信の写真に捏造疑惑―中国】
　またまた中国のお家芸，捏造と偽造が発覚。なにせ，大学の卒業証書や健康診断書まで偽造しちゃうプロ集団の国ですからね。

2012/06/20

【13:30】

【事実婚１４年　ジョニー・デップとヴァネッサ・パラディが正式に破局を表明】
　ヴァネッサ・パラディというと，この映画を思い出しちゃいます（・・・というか，これしか記憶にありません）。映画はムチャクチャだったけど，ヴァネッサはムチャクチャ可愛くて美人でチャーミングでした。

【11:30】

【元代ゼミ講師・三島の「三島塾」と「江部式糖質制限食」】
　いつも糖質制限について有用な情報をお寄せいただいている三島さんのブログです。

【09:30】

　外来小児科学会の懇親会を8月25日（土）に横浜で行いますが，当サイトを見て同發別館に参加申込みをされた方は，お手数をおかけしますが幹事の岡田先生にメールでご連絡頂けないでしょうか。よろしくお願いいたします。

　ある心臓外科の先生からの「深いい話」。
　数年前、冠動脈バイパス術を行った小学校の校長先生の話です。経過は良好で、とっくに私の手を離れ、近医で診てもらっています。今は、元校長先生ですが、現在、命の電話などで、ボランティアをしたり、小学生相手の講演を時々なさっているそうです。
　その、講演で、冠動脈バイパス術の話しをしたそうです。要旨は、「人生、つらいこと、行き詰まることがある。しかし、私が、冠動脈バイパス術を受けて助かったように、人生で行き詰まった時、冠動脈バイパス術のように、別な道を使って生きていける。だから、決して、行き詰まっても、別な道を模索して、頑張れと」言ったそうです。その講演に出席した看護助手さんから聞きました。
　心臓外科医として、そう言う発想はしたことが、ありませんでした。一寸、感動してしまいました。医者冥利に尽きます。一寸、涙が出て困ってしまいました。涙もろい年齢になってしまったでしょうか。

【09:00】

　実は私の本のうち，『傷はぜったい消毒するな』はハングルに翻訳され，韓国で販売されているとのことで，私の手元にも5冊ほどあります。もちろん，何が書いてあるのか著者本人なのに全く読めないという代物ですけどね。
　使い道がないまま外来の本棚に放置プレー状態だったのですが，現在，体幹部熱傷で通院中の赤ちゃんのご両親が韓国の方で治療法についてもうちょっと勉強したいとのことでしたので，この本をプレゼントしました。

　で，手元にあと数冊の『ハングル版＠傷はぜったい～』がありますが，韓国の知人に読ませたい，今度韓国に行って向こうの医者に会う用事があるんだけど，という方がいらっしゃいましたら，進呈しようと思います。とは言っても，病院などに直接来ていただいて手渡しになりますが，いかがでしょうか。

　昨日，デビュー前の歌手が外来を受診したという話を書きましたが，「噂を聞きつけて芸能人やアイドルが受診するようになったら，待合のスペースが足りなくなるんじゃないか」とか，「芸能人に会える（かも知れない）病院として宣伝するかな」とか，妄想を膨らませております。取らぬ狸の皮算用，ってやつだな。

【06:00】

　以前，ちょっと紹介した『商店街はなぜ滅びるのか』という本のレビューを追加。内容も素晴らしい本ですが，それ以上にいいのが，内容が極めてわかりやすく，理解しやすいこと。読者に理解してもらうための工夫が満載で，同じ物書きとしてとても参考になりました。
　「科学的な内容の文章を素人に理解してもらうための文章講座」の教科書にふさわしい文章じゃないかと思います。

【動画：NECから個人向けAndroidタブレット LifeTouch L、売りはアプリ50本標準搭載】
　NECが満を持して発表したAndroidタブレットです。バッテリー駆動時間が長く，10インチタブレットとしては薄く，そして軽いのが特徴です。さらに50種ものアプリがインストール済みとのことで，とりあえず買ってすぐに使えるかな？

　でも，「他のAndroidタブレットは持っているけどこちらに乗り換えよう」とか，「iPadを使っているけど，このNECのタブレットも買ってみよう」という人がいるかというと，ほとんどいないような気がします。ソニーのタブレットのように突出した個性があるわけでなく，値段が驚くほど安いわけでもなく，ぶっ飛んだ機能が搭載されているわけでもありません。私だったら，この程度のタブレットに4万円は出しません（・・・というか，出せません）。
　私の考える「魅力的なマシン」とは，パソコンショップをぶらりと訪れた客が財布の中身を見ないで衝動買いしてしまうマシンのことをいいます。「その商品を見てしまったら，矢も盾もたまらず欲しくなり，気がついたらレジで代金を払っていた」というのがそれにあたります。そういう意味で，今回のNECのタブレットはどうでしょうか？

　昨日（19日）に書いた「糖質食にしたから一日三食が必要になったのではないか？」という駄文に，早速レスをいただきました。

　「穀物を主食として食べるようになったため，一日に三回食べないと空腹で仕事どころでなくなった。一日三食が必要になった」とありましたが、我が家の話を聞いてください。

　うちには高校三年生の息子がいるのですが、最近部活動を引退し「このままだと太る」と、いまどきの若者らしい心配をしていました。かねてから糖質制限を吹き込んでいたらかどうか「弁当のご飯は半分でいいわ」と本人から言い出したので、これ幸いとご飯を半分にして空いたスペースにキャベツの千切りを入れ、ベビーチーズとナッツを追加して持たせるようにしました。
　すると初日から「胃が小さくなった気がする」と言い出しました。いままでは夕方前には腹ペコでどうしようもなかったのに、ぜんぜんお腹が減らないんだそうです。
　それまでは朝に、ご飯二膳、弁当で一膳半、午後に菓子パン一個、夜にもご飯一膳という食生活でした。活動量が多いので、それで太ることはありませんでしたが、腹が減って仕方なかったのだと思います。炭水化物をとらないと、お腹減らないでしょう？と、わたしがしたり顔をしたのは言うまでもありません（笑

　そのとき息子に、一緒に弁当を食べるクラスメートに奇異な目で見られないかと訊いたころ「うちは変わってるってもうバレてる」と言われました。
　「変わってる」というのは、洗髪にシャンプーを使わない、毎日身体を石鹸で洗わない、歯磨き粉を使わないということです。これはもう五年以上も続けていて、そのお陰かアトピー性皮膚炎とも虫歯とも無縁の生活を送っています。子供たちが風邪もひかず、健康で過ごしてくれるので親としても嬉しい限りです。

　また、以前紹介されたメールを読みはたと気づき、遅ればせながら飼い猫（室内飼）に糖質無添加の餌を与え始めました。人間は自分で好きなものを選んで食べますが、ペットは与えられたものしか食べません。しかも完全に室内で飼育している猫ならなおさらです。三年半もの間、必要のない炭水化物が50％以上も入っている餌を食べさせていたかと思うと、申し訳なくなりました。

　先日紹介した『データで検証地球の資源』という本の第5章に提示されているデータを読むと，「穀物栽培による人類の繁栄」はそろそろ限界に近づいているという結論になります。
　1960年代に始まった「緑の革命」，すなわち［窒素肥料＋化学肥料＋大量の農薬＋大規模灌漑］は穀物（＝コムギ，コメ，トウモロコシなど）増産をもたらし，それが人口の爆発的増加を支えました。事実，穀物生産量と人口増加のグラフは見事に一致します。
　しかし，21世紀に入った頃から穀物生産量は頭打ちとなり，むしろ反収は減少しています。そして同時に「緑の革命」がもたらす大規模な環境破壊のほうが問題になってきます。要するに，「緑の革命」は環境を破壊しながら行なっていた農業革命であり，「緑の革命」による穀物生産は「持続不可能な農業」だったのです。

　そしてこれは穀物生産だけではなく，水産資源（＝漁業）も，森林資源も地下水も減少しています（詳しくは本書をご参照ください）。
　一方，今から38年後の2050年には人口は90億人を突破すると予測されています。

　もう一冊，気になったのがこれ。読みたい本がどんどん増えていきます。

　6月14日号の週刊新潮のコラム「週刊食卓日記」で，慶応大学眼科の坪田教授が登場していますが，実はバリバリの糖質制限食です。
　記事をお読みになりたい方は，メールでご連絡下さい。

2012/06/19

【16:00】

　三鷹市で湿潤治療をしている入江先生からこんなメールをいただきました。
　先程、顔面がカサカサに乾いて一部湿疹になっていた乳児が来院しました。実は一週間前にワクチン接種で来院し、ついでに顔の湿疹が気になったことで診察を始めた子供でした。
　皮膚科でプロペト＋ヒルドイドを混ぜたものを塗布していたがなかなか良くならないとのことでした。
　当院で悪化した部分にはキンダーベートを塗布し、保湿としてプロペトを広範囲に塗るように指示し、さらに石鹸による洗顔は避けるように指導しました。
　本日再診したところ完璧と行かないまでもかなり改善しているようでした。何よりもお母さんが「石鹸を使わなくなったら明らかによくなった」とのことでした。
　このようなことがあると「洗顔に石鹸を使う」ことの危うさがひしひしと実感されます

　ところで本日のカミツキガメの記事ですが、私がよく見ているサイトにこのようなものがあります。お時間のあるときなどにいかがでしょうか？
　私も以前書きましたが，「傷を石鹸で洗え」と指導している医者がいますが，科学のイロハも知らないバカ医者ではないかと思います。「洗え，洗え！」なんて，あんたはアライグマか，と言いたいです。
　皮膚の様々なトラブルの原因の一つが石鹸であることは間違いないと思います。実際，石鹸（特にボディーソープ）の使用を止めさせるだけで脂漏性湿疹，乳児湿疹，アトピー性皮膚炎の症状が軽快することが少なくありません。

　また，「プロペト＋ヒルドイド」という使い方をしている先生も多いですが，せっかくのプロペト（＝白色ワセリン）の治療効果をヒルドイドが打ち消してしまいます。なんでこんなお馬鹿な使い方をするんでしょうか。ヒルドイドは保湿剤だと思い込んでいる人がいますが，ヒルドイドは「強力な皮膚乾燥作用」を持つ薬剤です。

　ヒルドイドといえば，肥厚性瘢痕の治療によく使われています。私も随分使ったことがありますが，一例として有効だった症例は見たことがありません。「鰯の頭」程度の有効性かなと思っています。その意味で，ヘパリン類似物質を主成分とする「小林製薬のアットノン」も同様でしょう。こんな薬をあたかも新薬のように販売する小林製薬，ナイスでございます。

【14:30】

　これからデビューという女性歌手（超美人！）が顔の怪我で受診されました。もちろん，デビュー前までに傷痕一つ残さずに治せるよ，と約束しました。

【12:30】

【カミツキガメを捕まえて食べた】
　なんともワイルドなタイトルですが，スッポンより美味だったとのこと。危険な外来種は捕まえて食べちゃえばいいのかも。

【11:30】

【＜高橋克也容疑者＞松本死刑囚を「尊師」、写真も大切に保管】
　昔，「共産主義は英語で言えば "communism" ，アルコール依存症（いわゆるアル中）は "alcoholism"。同じ "ism" なら前者を「共産中毒」，後者を「アルコール主義」と呼んでもいいのではないか。両者の違いは日本語への翻訳の問題でしかない」という文章を読んだことがあります。その頃はロシアも中国もバリバリの共産主義国家でしたから，ずいぶん乱暴な話だなぁ，と思ったものです。

　上記の記事を読んで，なぜかこの話を思い出しました。テレビのコメンテーターは「いまだに解けぬマインドコントロール」というしゃべっていますが，彼の態度を「オウム真理教に対する信仰心＝マインドコントロール」と考えるのはおかしいです。昨日も書いたように，54歳の人間にとっては「今さら引き返せる年齢ではない」，「自分の人生を否定されてはかなわない」という意識しかありません。それはマインドコントロールとは無関係であり，「30代なら引き返せるけど50代なかばになると引き返せない」という違いしかありません。

　さて，話のついでに「現代日本における共産主義」について考えると，現在の日本における共産党って，ちょっと「いたい存在」ですよね。共産主義の本家本元のソビエトはとっくの昔に潰れているし，中国共産党だって共産主義革命なんてアホな事は言っていません。共産主義革命はいわば，20世紀前半から後半にかけての壮大な実験であり，その実験はすでに失敗に終わっています。そういう共産主義を党名につけているだけで，私は「ちょっとイタイなぁ」とと思ってしまいます。
　かと言って，日本共産党の方々が日本を共産主義国にしようと活動をしていないことも明らかです。そんなの無理なことは彼らが一番良く知っているはずです。それなのに彼らは「共産党」という言葉にこだわり続けています。
　だからといって，「共産党員は共産主義のマインドコントロールがいまだに解けていないからだ」とは言えないでしょう。なぜ共産党という言葉に拘るかというと，「今さら共産主義という党名を捨てたら，自分の過去を全て否定することになる」からでしょう。止めるに止められない，という心理じゃないかと思います。

　要するに，堅い信仰と呼ぶか，マインドコントロールと呼ぶかは呼ぶ方の都合なんですね。"alcoholism" をアルコール中毒（＝マインドコントロール）と呼ぶか，アルコール主義（＝論理的に考えて選択した）と呼ぶかという問題と同じです。

　昨日，同じ病院の先生（30代なかば＋肥満＋高血圧＋高脂血症）に糖質制限について教えたんですが，「お昼の食事はどうしているんですか？」と質問されました。そこで気がついたのですが，糖質制限に慣れてしまうと限りなく「一日三食」から「一日二食」に近づきせんか？
　要するに，朝食と夕食を普通に食べてさえいれば，お昼が近づいても空腹に苛まれることはないし，お腹が空いてもちょっとチーズかナッツを食べると空腹感もなくなり，夕食まで大丈夫です。ということは，一日三回，しっかりと主食（＝ご飯）を食べていると三食食べないと空腹で目が回るが，糖質制限食にすると「一日二食＋昼は軽食」でも大丈夫，と言うことになります。

　日本人は元々，一日二食で江戸時代中期になって昼食が加わって一日三食の習慣になりました。では，一日二食の時代の日本人は空腹で動けなかったかというとそうではなかったようです。
　平安時代の日本人は干物と生ものばかりで加熱食品はなく，穀物はほとんど食べていません。加熱した穀物を食べるようになるのは室町時代中期頃で，この頃，和食の原型が作られます。そして，日本人が三食米食になるのはかなり遅く，1960年代に日本各位で干拓事業が始まって農地が拡大して以降です。
　つまり，穀物食（＝糖質食）の開始と「一日三食」の時期は極めて近いことになります。

　従来は，「米が十分に採れるようになって日本人は一日三食食べられるようになった」と説明されてきましたが，これは原因と結果が逆で，実は「穀物を主食として食べるようになったため，一日に三回食べないと空腹で仕事どころでなくなった。一日三食が必要になった」が真相ではないかと思われます。
　自分の体の調子から考えると，糖質を制限すると一日三食がっつりと食べる必要はなく，逆に一日三食すべて穀物を食べるようになったから，がっつり＆たっぷりの量を食べないといけなくなったのではないかと思われます。

【06:00】

　8ヶ月前に公開した「紫雲膏の人体実験」ですが，実はまだ傷痕が残っていますので，それを追加しました。納得ずくの人体実験とはいえ，ここまで強烈な色素沈着が残るとはちょっとびっくりです。

　「熱傷を湿潤治療している医師」に，神戸市中央区の大森整形外科クリニック／大森　治 先生にも加わって頂きました。ありがとうございます。

　「プラスモイストP取り扱い薬局一覧」に，神戸市中央区のエール薬局中山手通店を追加しました。

　ある先生からのメールです。「ぜひ更新履歴に掲載して下さい」とのことです。
　私も、2月下旬から糖質制限をはじめて、もうすぐ4ヶ月になります。
　糖質制限のレベルは、プチ～スタンダード程度ですが、一ヶ月で3kgのペースで順調に減量しております。昨年末に買い換えたスーツが使いものにならなくなり、先日買い換える羽目になりました。（出費が増えており、家族からは不評です）
　今までこれだけ痩せたことがなかったのですが、靴下や靴も緩くなってきたのには驚きました。標準体重になるまでは、糖質制限を続けていこうと思います。
　「（痩せてスーツが着られなくなり）出費が増えて家族から不評」とのことですが，もしもこれが「数カ月で太ってスーツが着られなくなり・・・」だったら，お父さんの健康が絶対にヤバイです。それに比べたら，痩せて健康になってスーツが着られないなんて，むしろ喜ばしいことじゃないでしょうか。物事は前向きに考えましょうよ。

　この前から，買おうかどうしようか迷っているのが『マーカス・チャウンの太陽系図鑑』

【「解けない」はずの次世代暗号、１４８日で解読】
　ここに登場する「ペアリング暗号」について調べようと思ったら，いきなり「楕円曲線関数」の森に踏み込んでしまいました（知りたい人はこれとかこれで勉強しようね）。はっきり言って難易度，高すぎ！数学科の大学院レベルでないと無理っすよ。
　というわけで，278桁の暗号でも安全ではないようですが，8桁の数字ですら時々忘れてしまう私はどうしたらいいのでしょうか。

【スペイン、ギリシャ情勢次第では世界恐慌も？　幻想に囚われたユーロシステムの「本源的な欠陥」】
　「なんでユーロはおかしくなったの？」と子供に質問されたら，池上さんならこう答えるんじゃないかな？
　それはね，つまり，真面目な勤め人で収入も多い兄と，遊び人で定期収入のないけど毎日楽しく暮らしている弟がいたとしましょう。もう二人とも成人していて，別々に暮らしていたんですね。ところがある時，「兄弟なんだから一緒に暮らそうよ」と考えはじめ，同じ家に住んで財布も一つにしました。兄も弟も稼いだ金をひとつの財布にいれて，そこから使う分を引き出す，としたわけです。
　最初の頃はとてもうまくいっていたんだけど，遊び人の弟の方は浪費癖があって収入以上にカネを使うため，兄はその赤字補填をするハメになっちゃった。それでお兄さんが「おい，お前は収入が少ないのに金を使いすぎだ。これじゃ面倒見切れないよ。お前も真面目な勤め人になって給料をもらう生活をしなさい」と言い始めたんだ。

2012/06/18

【15:30】

　この写真を見て，このあとどうなるか，予測が立てられますか？
　患者さんは１歳。栃木県の方です。5月31日に右環指と小指を挟まれ，宇都宮市内の病院に救急搬送されて縫合処置を受けています。しかし，縫合部から遠位が黒色壊死となり，切断して断端形成するしかないと医師から説明されています。6月5日に当科を受診されています。
　その主治医の言うとおりの壊死組織を除去して断端形成したら，環指は中節部まで切断，環指はギリギリでもDIP関節が残せるかどうかでしょう。
　しかし，湿潤治療をしたとしてもどういう指になるんでしょうか。爪は生えてくるでしょうか。指の形はどうでしょうか。 ↓
↓
↓
↓
↓
↓
　正解は，「爪はどちらの指も正常に生えてくる」，「指尖部の形はどちらの指もほぼ正常」です。本日診察して「ほぼ正常の形になるであろう」ということを確信しました。いずれ，経過の写真を添えて治療法を公開します。

【12:00】

　ある方からこんなメールをいただきました。
　6月17日のTBS「アカルイ☆ミライ」にて、　「外食だけで体重が３８㎏減った男がいる！」と題して、『おやじダイエット部の奇跡　「糖質制限」で平均22kg減を叩き出した中年男たちの物語』を取り上げていました。著者は糖質制限食の応援団長？桐山秀樹氏です。
　この番組をご覧になりたい方は，メールでご連絡下さい。ちなみに，上記の本はこれですね。

【11:30】

　ちょうど10日前に熱いコーヒーを腹部全体，上背部，右顔面，右頸部にかぶって熱傷を受傷し，当院を受診された生後11ヶ月の赤ちゃんです。
　乳児でしかも受傷面積が広いため，普通なら熱傷センターのある病院か大学病院に送るでしょうね。当院の救急外来の先生も「大学病院に送りましょうか？」と心配顔ですが，私はいつものように湿潤治療の原理についてお母さんに説明して安心させ，今後の見通しを説明しました。
1. 面積は広いが軽症の熱傷です。
2. 入院の必要はなく，外来通院でも大丈夫です。
3. 10～14日で全て治ります。傷痕は3ヶ月もするとほとんどわからなくなるでしょう。
　そして，体幹はポンチョ型プラスモイストで覆い，顔面はデュオアクティブETを貼って治療はおしまい。帰宅して頂きました。
　そして，10日目の今日，ほぼ完治です。後ほど，詳しいけかを報告しますね。私は熱傷患者さんには初診時に「〇〇日ころ完治します」と必ず断言して将来の見通しを説明しますが，ほとんどその指定日ドンピシャで治っています。もちろん，慣れてくると誰でも「予言」できるんで，大したことじゃないですけどね。

【08:30】

【高橋容疑者、留置場で蓮華座組み教団の儀式も】
　こういうニュースにコメンテイターは必ず「まだ，マインドコントロールが解けていないのでしょうか」とコメントしますが，それは違うんじゃないかと思います。マインドコントールではなく，オウム真理教を否定したら自分の人生の20年間を「全く意味がなかった20年間だった。ただ無意味に年を取っただけの人生だった」と認めることになるからなんですよ。
　だから，自分でも馬鹿馬鹿しいと内心思いながらも，意固地になってマントラを唱えて蓮華座を組んでいるのです。むしろ，馬鹿馬鹿しいと思っているから余計熱心に，人前ではマントラを唱えるのかもしれません。

　何しろ高橋容疑者は私とほぼ同年代の54歳です。もう人生をゼロからやり直す気力はないでしょう。人生をやり直したくなければ，それまでの人生を肯定するしかありません。むしろ，それまでより一生懸命に「自分の人生は意味がある」と信じなければやっていけないはずです。
　ここでオウムの教えを否定したら人生はゼロからの出発になりますが，しかし，最後までオウムの教えを守っていたら，それで一発逆転になる可能性はゼロではありません（オウム真理教が国教化される可能性だってありますからね）。だから，54歳のオッサン信者はかたくなにオウムのマントラを唱え，蓮華座を組んでいるのです。

　何やらこのあたりは，従来の治療（＝消毒＋軟膏ガーゼ＋皮膚移植）に固執している先生方に重なって見えますが，私の目の錯覚，あるいは気のせいでしょう。

　光が丘病院での診療が始まって2ヶ月半経ちましたが，面白いのは練馬区民より，練馬区以外，あるいは東京都以外の患者さんの方が多いことです。しかも，新患患者さんのほぼ全員が「ネットで調べて／Yahooの知恵袋で質問して」ということで当科を受診されています。

【07:00】

　ある方からのメールです。

　お湯で頭を洗ってみました。意識的に頭皮を洗うせいか、シャンプーを使うときよりさっぱりして気分が良いです。シャンプーの泡で洗えた気になっていたようです。目に入るシャンプーがないから痛くならないのがいいですね（笑。
　髪のコシが強くなったようです。もちろんツヤツヤです。べたべたはしませんが、ワックスを使っているかのようにまとまりが良いです。たまにシャンプーを使うとさらさらと言うよりはぱさぱさでツヤがありません。

　1年ほど前からプチ糖質制限をしています。お米大好きな主人が、太るからと言って結婚前から晩ごはんはお米抜きでした。今、BMIが22くらいでお米を食べると体重が増えますが、お米を食べなくてもこれ以上痩せることはありません。私は痩せませんが、今年の健康診断で中性脂肪だけが半分になりました。私の体で何が起こったのでしょうか。会社に行く前に家事ができているのはプチ糖質制限のおかげかもしれません。

　近所の薬局でキズパワーパッドみたいなものを買いました。にきびと虫刺されには使えないと書いてありますが、引っ掻いてつぶしてしまったにきびと虫刺されに貼ってみました。
　虫刺されは貼った瞬間かゆみがなくなって、丸1日剥がれることなく役目を終えました。にきびは顔なのでさすがに貼りっぱなしにはできず、寝ている間だけ貼ることにしました。一晩で治ったりはしませんでしたが、何もしなかったところよりも早く治りました。痕もないです。

　楽しい実験でした。

　基本的に，自分で計画した実験は楽しいものです。学校時代の実験が楽しくないのは，「このとおりにやりなさい」と言われてやらされた実験だからです。楽しく実験するのは大人の特権といえます。

【06:00】

　「外傷を湿潤治療している医師」，「熱傷を湿潤治療している医師」に，岐阜県可児市のキッズ☆クリニックありす／浅井俊行先生にも加わって頂きました。ありがとうございます。

　「従来の熱傷治療をされた顔面・四肢熱傷」を追加。

　こんなメールをいただきました。
　6月14日のお子さんの写真を見ると涙が出ます。私も幼少時に火鉢の炭に顔からつっこみ、口腔と顔面にやけどを負いました。〇〇大学病院へ長く入院していました。３才でしたが、もっと小さい同室のお子さんのガーゼ交換時の泣き声は５０年以上過ぎた今も思い出せます。
　幸いにも私は３度の熱傷にもかかわらず、植皮をされていません。１学年遅れてしまうのを親が心配したのと、大学病院の医師が皮膚の色が変わるし、縮むと言われたと記憶しています。顔面の火傷はやはり目立っていましたが、そういう事を気にしない性格のお陰で過ごしましたがやはり無い方が良かったです。年とともに薄くなって化粧もするとそんなには目立ちません。
　もしあの時植皮をされていたらどうなっていたのでしょうか？
　これだけ湿潤療法の素晴らしさが分かっていても未だに写真のような治療をするなんて、犯罪と同じのような気がします。
　この方は「Ⅲ度熱傷にもかかわらず，皮膚移植せずに治癒・上皮化」しています。ということは，当時の〇〇大学病院の主治医たちは皆，それを見ていたということになります。皆が「Ⅲ度熱傷なのに保存的に治癒する。Ⅲ度熱傷なのに植皮しなくても治る」という現象を見ていたはずです。
　だったら，そのうちの一人くらい，「アレっ！ Ⅲ度熱傷って植皮しないと治らないはずなのに，なぜこの子は治ったんだろう。この子の皮膚はどこから現れたのだろう？」と不思議に思っていれば，やがてそれは世紀の大発見につながり，その後の熱傷治療を一変させたかもしれません。
　しかし残念ながら，この方を治療した主治医は皆，「革命的な現象を見ていたのに見逃した」のです。「熱傷治療の革命児」になるチャンスを自ら放棄したようなものです。
　たかが一例，されど一例・・・という考え方を忘れてはならないと思います。

　データの羅列しか書かれていないのに，非常に面白いのが下記の本。まだ途中までしか読んでいませんが，原子力発電の現在の状況と未来の展望，化石エネルギー（石炭，石油，天然ガス）の埋蔵量と問題点，再生可能エネルギー（風力発電，太陽光発電，バイオマス発電，地熱発電など）の未来，レアメタルの需要と埋蔵量，そして食料と飢餓，水産資源・森林資源・水資源の現状と未来など，近未来に全人類が直面する問題を冷静沈着な筆致で分析しています。

　マツコ・デラックスの話を聞いてから糖質制限を思い立ったというメールを頂きました。
　昨年末より糖質制限し、今はほとんど主食無しでも何の不都合もなく過ごしています。そのきっかけは、「デラックスマツコ」なんです。
　深夜番組で、「アタシはどんな高級和牛より、メシが好きなのよ！」と言い、炊きたてのご飯の映像を見て目を細めて、うっとり。あの巨体はコメツブでできあがったと思うと、怖くて食べられなくなりました。ご飯を目の前にすると、マツコが浮かんできます。そういえば、身近のふっくらさん達も、コメ好き、パン好き、メン好き・・・原因と結果なんでしょう。今では、マツコに感謝です。

　糖質制限を始めてから体型も体質も変わったという46歳女性からのメールです。
　2月13日から糖質制限スタート、1週間目にベルト穴を1個ゆるめ、友人達に顔が一回り小さくなったと言われ、その後2ヶ月ほど何の変化もなかったですが、4月中旬からズボンが再びゆるくなり始め、5月中旬ごろには、とうとうベルト穴を４つ縮める（パンチで穴を新たに開けました）までになりました。とうとうズボンも両脇を縫い縮めました。

　先日，かねてから行きたかったノルウェーのロフォーテン諸島とスウェーデンのアビスコ国立公園への旅行計画を一人で立案することになりました。夜10時過ぎに帰宅してから夜中の2時―3時まで、情報集めと計画立案に向けあわただしい日々を2週間ほど過ごしたのですが、これが、何故か糖質制限職のおかげか、ちっとも翌朝に響かないのです。毎日最低6時間の睡眠が必要だった私が、旅行直前の2週間は1日3時間くらいの睡眠でもまあ何とかやっていけたのは、絶対に糖質制限のおかげだったと思います。まるで20代に戻ったかのようなタフさに我ながら大変びっくりしました。

　到着当日はさすがに6－7時間ほど寝ましたが、翌日以降は、1日平均3－4時間の睡眠で、山歩き（1日３０ｋｍくらい）、ボートでのガイドツアー、マウンテンバイク（1日５０－６０ｋｍくらい）を堪能しました。もういい年なのに何故そんな強行スケジュールになってしまったのかというと、北極圏なので外は白夜で明るく良いお天気にも恵まれているのに、休暇は短いのでもったいなくてとても寝てなどいられなかったのです。
　目覚ましを2時とか3時にセットして、朝食8時頃までひと歩き、朝食後は夕食まで、食事なしで歩いたり、自転車、ガイドツアー参加など自由に楽しんできました。糖質を控えると、ハードスケジュールでもお腹すかないから、お昼抜きで全然大丈夫なんですよね。昼食の縛りがないだけですごく行動の自由度が高まりました。ま、一応念のために、リュックの中にアーモンドとカシューナッツを１袋づつ入れて、思い出したときにたまに1粒か2粒口に入れるとそれで全然十分でした。（無理して食べても帰国時に余ってしまったくらいです）
　普段、スポーツとは程遠い生活で、勤務先の机に13－4時間は貼り付いてパソコンのキーボードを叩いているのが私の毎日の生活なのですが、こんなタフな休暇を心ゆくまで楽しめました。

　まさか、４６にもなって別人のように体質が変わるなんて、人生先が見えてしまったような、諦めと悟りの境地にいたような気分になっていた自分でしたが、これからもいろんなことに挑戦して頑張ってみようと思いました。

　毎日，光が丘駅を出て講演の中を通って病院にいきますが，講演の芝生を見ているとつい，「ここにトノサマバッタがいると面白いよなぁ」なんて思ってしまいます。この公園は野鳥は結構いろんな種類がいて毎朝鳴き声を楽しみながら歩いていますが，昆虫はあまり姿を見ないので，昔の昆虫少年としてはちょっと寂しいんですね。これだけイネ科の野草が生えているんだから，トノサマバッタを50匹くらいこっそりと放したら定着するんじゃないでしょうか。ううむ・・・やってみたい。

【「美女」を売って外貨獲得？！北朝鮮政府が国際結婚をあっせん】
　ついに，外貨稼ぎのために「国民」の商品化に着手した模様です。ちなみに「美女」でない人は商品価値なしと判断されております。

【手術開始後に「設備不足なのでやっぱり無理」、心血管疾患の2歳女児が死亡】
　手術が始まってから手術器具のチェックを始めたんでしょうか。客が来てから魚を釣りに行く寿司屋みたいなものですね。

【会期末採決なら民主分裂＝消費増税法案―鳩山氏】
　私の記憶では，民主党を結党する際の資金は鳩山さんがかなりの部分を肩代わりしたはずです（そして残りを出したのが小沢さん）。つまり，鳩山さんは民主党のオーナーであり，野田さんは雇われママさんです。

　そして，その雇われママさんが「ボトルキープの値段さえ上げられたら（＝消費税の増税），その後，お店がどうなってもいい。今度は新しいパパ（＝自民党）に世話してもらうから，今までのお店のオーナーとは縁を切るわ」，と言い出したのです。一部のチーママ（岡田さんとか）はその方針に大賛成です。
　そういう雇われママさん一派の方針転換について，常連さん（＝国民）は4人に1人しか支持していないのですが，雇われママさんは常連のお客さんより新しいパパにかわいがってもらう方が大事なんです。新しいパパさんが新しい客を紹介してくれると口約束し，それを信じ込んでいるからです。

　一方，雇われママが常連さんたちに嘘を付いていることを理由に，お店のオーナーとオーナーを慕う一部のチーママたち（＝鳩山派と小沢派）は，新しいパパを見つけて舞い上がっている雇われママを快く思っていません。しかし，新しいパパが「オレたちに不満なら新しいお店（＝解散総選挙）を作ればいいだろう」と言いだしたため，これはちょっとマズイことになりそうだな，という気配です。新しいお店が開店したら，今のチーママたちのほとんどは採用（＝当選）されないからです。

　年がら年中酔っ払っている人間が見ると，今の政局はこう見えます。

2012/06/15

【13:30】

【肥満率はなんと４割！　神奈川県警でダイエット期間スタート】
　はい，皆さんご一緒に「そんなことしたって痩せねぇよ。神奈川県警は主食を抜け！糖質食うな！」とツッコミを入れましょう。

【10:30】

　広島の湿潤治療のエキスパート，正岡クリニックの正岡先生から写真が送られてきました。
　私は医学部卒業後、一般外科に入局し、ず～と外科医をやり、今は町医者で外科となんちゃって整形外科医をやっていますが、私の右手は添付写真の通りです。　生後数か月で火傷、当時の広島大学病院に入院し、下腹部と右大腿から皮膚移植を受けています。幼稚園時代にも２回くらい入院して手術を受けた記憶があります。
　小学生時代はフォークダンスの時など、気持ち悪いと言われ女の子から手をつなぐのを嫌がられた記憶がありますが、現代のような執拗ないじめにあったことは無かったです(^^;)
　で、幼少期の写真を見たらたいてい右手には包帯がぐるぐる巻きになっています。
　自分は左利きですが、勤務医時代は右手で縫合したり開腹手術など完璧にできるようにトレーニングしました。小指と拇指は短いですが、はさみを使ったり手術器具を操作するのは支障ないです。ただし拇指の掌側が少し突っ張っているので完全伸展はできません、小指はいつもPIP関節が９０度に屈曲していますが伸ばすこともできます。
　いまだに、初診の患者さんなどが私の右手を見て、ケガされたんですか！なんて言ったりします。

　（PS）,その後も糖質制限続いております。ユニクロにズボン買い替えに行きました。ウェストが８２ｃｍから７６ｃｍになっていました。私の指導を忠実に守った患者さんらはみなどんどん痩せており、DMも高血圧もかなり正常化しつつある患者さんが増えています(^^;)
　先日も書いたように，私の高血圧は本当に短期間で治ってしまいました。半年前までの高血圧は何だったんでしょう。
　もしかしたら，高血圧のかなりの部分は糖質制限で治るんじゃないか，と思ってしまいますね。

【09:30】

　下記で取り上げたWOCナースなどの認定看護師の問題をさらに続けます。

　「WOCナース（創傷・オストミー・失禁看護）とは言っても，一日中その専門の仕事をしているわけではない」と書きましたが，これは医者の専門医と比べるとその違いは歴然としています。例えば脳外科の専門医は一日中脳外科医として仕事をしていて，脳外科以外の仕事は多くありません。これは耳鼻科の専門医，眼科の専門医，精神科の専門医も同じです。余程の異常事態にでもならない限り（例：大規模災害が起こりいっぺんに多数の怪我人が発生），専門医は自分の専門の仕事をします。

　一方，WOCナースは一日中，ストマケアと褥瘡ケアをしているわけではありません。一日の業務の大半は病棟や外来の業務であり，ごく一部の時間だけストマケアや褥瘡処置をするだけです。「私はWOCなのだから，褥瘡とストマケア以外の仕事はしません」という主張は通りません。
　となると，半年間も病院を休職して学校に通い200万円もかかったのに・・・という不満の声が上がるのは当然です。しかも，認定ナースは毎年どんどん増えています。このあたりは，弁護士を増やすだけ増やしたのに仕事が無いという法曹増員問題と根は同じです。

　こういう不満を解消する手段はひとつしかありません。「褥瘡ケア，ストマケアは専門知識を持つ認定看護師だけが行える看護業務である」と決めることです。こうすれば，わざわざ大金を支払ってWOCナースになった意味があるというものです。あとはその方向で制度改正するだけです。おそらくそれが今回の特定看護師制度につながっています。
　もちろんこれで問題は解決するように見えますが，一つ盲点があります。素人でもほぼ間違いのない褥瘡治療ができる「褥瘡のいわゆるラップ療法（OpWT法）」が世の中に広まっていることです。穴あきポリ袋と紙おむつさえあれば，骨が見えている褥瘡でも治療でき，おまけに治療材料や薬品の知識も入りません。さらに，褥瘡の病態についての知識も不要です。「褥瘡なんて専門知識がなくても治せるんじゃん」ということに皆が気がつき始めています。
　となると，「素人でも治療できるものを，特定の看護師しかできないものにする」という方向性が妥当なのか，ということになります。これは例えて言えば，誰でも普通にしている手洗いという行為を，手洗い認定看護師だけができる行為と定めるようなものです。

　ちなみに聞いたところによると，認定看護師の学校（というのかな？）はここ数年，定員割れの状態が続いているそうです。

【06:00】

　「手指への皮膚移植はどうなるのか」を追加。

　昨日（6月14日）の朝日新聞の糖質制限特集記事です。

ある先生から「これは面白いです」と勧められた本です。読みたい本がどんどん溜まっていきます。「困ったなぁ，どれから読んだらいいんだ？」とニコニコしちゃいます。

【「特定看護師」導入が無慈悲な激務に輪をかける？】
　特定看護師制度が導入された時に，医療現場でどのような問題が起こるかを丁寧に説明している記事です。はっきり言えば，有害無益な構想です。
　なんでこんなロクデモナイ制度が考案されたかというと，もちろん裏があります。雑誌「エキスパートナース」の内部事情を告発するメールを以前紹介しましたが，ここにもあるように，WOCナースなどの認定看護師制度をたちあげて認定看護師を養成したのはいいけれど，瞬く間に過剰状態となり，その救済策として特定看護師制度をぶちあげた，というわけです。

　この「認定看護師」について医師はあまり知りませんが，認定システムを知るとびっくりしますぜ。その取得に最低でも50万円，多い人では200万円以上かかるのです（学校が近くになければアパートを借りて住まなければいけないから）。しかも，半年間は病院を休んで学校に通わなくてはいけません。それがWOCなどの認定看護師です。

　これがいかに異常かは，医師の「認定医制度・専門医制度」と比較するとわかります。認定医にしろ専門医にしろ，かかる金は「受験料の数万円＋毎年の学会費（1～2万円くらいかな？）」だけです。また，病院の業務を休む必要もありません。
　もしもこれが「認定医になるためには200万円準備し，半年間病院を休み，授業料50万円の学校に通わないといけない」という制度だったらどうでしょうか。多分，そんなのに付き合う医者はいないと思いますが，いかがでしょうか。50万円と聞いただけで「アホくさ！」ですよね。
　ところが，看護師さんたちは50万円を払って，病院を休職して学校に通っているのです。200万円を準備してWOCの資格を取得しているのです。医師の側からすると，なにか変なのですが，看護師サイドからするとこれが普通らしいのです。

　では，そうやって誕生した認定看護師はどういう業務をするかというと，普通業務がほとんどで，認定看護師としての知識が生かされるのはごく一部です。毎日褥瘡患者の処置だけしていればいい，というわけではないからです。
　となると，高いカネを出して認定看護師になった意味がありません。となると，看護協会側としてはその「意味」を新たに創設する必要があります。それが特定看護師制度ではないかと思います。

2012/06/14

【16:00】

　なんと今日は福岡県から患者さんが受診されました。主訴は「皮膚移植後の頭部のハゲ」，つまり，移植皮膚の恵皮部の傷が治らず禿になってしまったという患者さんです。6月初めに以下の様なメールを頂きました。
　今年5月21日早朝にアイロンつで息子に火傷をさせてしまいました。県内の聖○○○病院形成外科で頭皮から火傷した右手への移植をすすめられ、迷いながらも先生の自信に満ちた言葉を信じ、同意いたしました。
　5月14日に手術が終わりましたが、手術跡の頭皮がいまだジュクジュクとしていて、良くなる傾向が見えません。今自宅でバラマイシン軟膏をシャンプーで洗ったあとに塗り、滅菌ガーゼでおおい、包帯を巻くように指示が出ていますが、疑問を抱き、ネットで調べて新しい創傷治療に辿り着きました。
　直ちにワセリンとラップで創部を被覆する方法に切り替えるようにメールを出し，そして今日，当科を受診されました。創面はきれいに肉芽で覆われていますが，やはり毛根ごとすべて取られたようで，頭髪は生えてきそうにありません。以前紹介したこの症例のように移植皮膚から毛が生えてこないか心配です。
　ちなみに，この形成外科では頭部のハゲに対し，Tissue Expander埋め込み手術をしましょうと提案したそうです。手術の失敗を追加手術で糊塗しようとするなんて，気が狂っているとしか思えません。多分，手術がしたくてしたくてたまらず，手術を受ける患者さんのことはこれっぽっちも考えてない医者なんでしょう。

【13:00】

【雑草になったニンジンを食べてみたい】
　加藤さんの記事は生物学の本質に切り込んでいくような内容の記事が多く，毎回楽しませてもらっていますが，今回も素晴らしく感動的です。
　このノラニンジンは「ニンジンの原種」みたいなものだと思いますが，食べるためには圧力鍋という文明の利器が必要で，普通に加熱したくらいでは食べられないことがわかります。要するに木の根っこと変わりない代物です。ということは，この木の根っこみたいなニンジンの原種を最初に見つけたご先祖様（＝加熱の手段すらなかったはず）にとっても，とても食べられる代物ではなかったはずです。それを何世代にもわたって栽培して，次第に食べられるようにしたのが現在のニンジンというわけですが，ご先祖様たちはなぜこの「木の根っこ」を見て，これを育ててみようと考えたのかが，一番不思議です。だって，ニンジンの原種を最初に見つけた時点では，それが50年後とか100年後に食べられるものに変化するかどうかはわからなかったからです。

　それにしても加藤さん，そのへんの枯れ草で納豆を作ってみたり，スーパーで買ったうずらの卵を孵化させたりと，発想が素晴らしいです。

【10:30】

　昨晩，遅くまで一緒に飲んでいたスズキ病院の福島先生がアミラーゼについてメールを寄越してくれました。ちなみに彼は消化器外科のスペシャリストです。
　ところで昨日お話ししましたが、アミラーゼの件です。
　消化器では膵炎の指標としてアミラーゼを測定しますが（ERCPの後などは必須）よく考えるといろいろある酵素の中で、なんでアミラーゼを測定するのかが不明です。
　膵臓の外分泌のメインは蛋白分解酵素であり、アミラーゼはどちらかというとマイナーな存在なのにアミラーゼを指標にしていて良いのか？
　あとアミラーゼを測定している割には、食事を出すときは低脂肪食であり、なぜご飯類（でんぷん）の制限がないのか？

　この辺が謎です。今まで如何に何も考えないで治療してきたか反省しています。
　何かの参考になれば幸いです。
　なかなか面白い問題です。意味のあるアミラーゼ測定なのか，単なるルーチンワーク，儀式としてのアミラーゼ測定なのか，どちらなんでしょうか。

　「いつもの生物学の先生」から，昨日（13日）に続きアミラーゼについての追加考察です。
　あの後、縄文時代のことを考えていたら、「口噛み酒」のことを思い出しました。穀物を口の中で噛み、唾液のアミラーゼで単糖を生成させ、それを種に発酵させるという手段です。一口に縄文時代といっても、相当に長いので、いつの時期の縄文時代なのかによって食性も大きく違います。
　口噛み酒の記録は残ってないものの（残りようがない？）、最低限、穀物（クリなど）がたやすく食べられるようになった後でないと、「口噛み酒」は作りようがないので、かなり古くさかのぼっても、、「口噛み酒」の起源は5000年前くらいということが言えるでしょう。ということは、5000年前には日本人の唾液にはアミラーゼがすでにありえたと想定することができます。しかし、まだ穀物食がなかなか厳しい、狩猟中心の1万年前の縄文時代だったら、もしかしたら今とは違うアミラーゼ活性だった可能性があります。ともあれ、人種によってもアミラーゼ遺伝子のコピー数が違うようですので、案外と数千年単位で変動するのかもしれません。まあ、これも逆に見れば「日本人は米に適用するためにアミラーゼ遺伝子のコピー数が増えたんだから、米食は自然の流れだ」ということにもなります。

　これは「自然の流れ」とかなんとかでなくて、ただの「適応」だと思うんですけどね。

　昨日取り上げた「糖質ゼロの日本酒」について，こんなメールもいただきました。
　月桂冠「糖質ゼロ超淡麗辛口」をみつけ、飲んでみました。半年ぶりの日本酒です。特に違和感無く飲めました...というか、糖質制限食で、日本酒の味／糖質の味を忘れたのかもしれません。
　そこで一般的な日本酒（菊○○△ン 1pack）と飲み比べました。
　一般的な日本酒は、後味にねっとりした感じが残ります。糖質ゼロの日本酒は、さらっと、何も残った感じがありません。何も感じないのは、「糖質ゼロ」によろものなのか、「淡麗辛口」だからなのか、私には判りません。（日本酒は大好きですけど、うるさい人間ではないです）
　２、３杯飲むうちに、まったく問題ないと感じました。血糖値を気になるけど、ちょっこし日本酒を飲みたい方は、この糖質ゼロで、潤えると思いました

【09:00】

　「本日の朝日新聞の第27面で糖質制限が大きく特集されています」という情報をいただきました。早速，病院の売店で朝日新聞を購入。『糖質制限食なら続けられる！』という記事で内容もしっかりしていて，一読の価値があります。

　6月11日のこのコーナーで紹介したメールにあった「ホエイプロテイン」，アマゾンで売ってますね。買ってみようかな？

【07:00】

　ネス湖の怪物がなぜかスペリオル湖に出現して大暴れするカナダ製モンスター映画，《ジュラシック・レイク》を紹介。

　なぜ今日の朝の更新がちょっと遅れたかというと，二日酔いだからです。なぜ二日酔いかというと，盟友のスズキ病院の福島先生と遅くまで飲んでいたからです。ちなみに福島先生も糖質制限をしていて，すでに5キロの減量に成功したそうです。

2012/06/13

【13:00】

　子供さんのヤケドに関してメールをいただきました。手背のⅢ度熱傷ですが，植皮なしに機能障害も起こさずに治っています。「ぜひ，治療経過を公開して下さい」とのことですので，ちょっと長文ですが引用させて頂きます。
　先月５月２１日にメールをしました、北海道の〇〇ともうします。
　５月１４日に、１歳４か月の子供の左手の甲にアイロンで３度の火傷を負わせてしまい、当初は熱傷７日目までは▼▼市立病院形成外科で、フィブラストとバラマイシン、エスアイエイドの治療を続けていました。そこで、夏井先生に相談し、熱傷８日目から、旭川の大西病院、高橋美有生先生のもとに受診させていただきました。

　当初の形成外科の先生からは、皮膚移植が必要だと思う。皮膚を作るのは皮膚でしかない。このままでは指が伸びてこなかったり手が固まったりすると言われ、診察室で頭が真っ白になってしまいました。見せるや否や、「うわぁこれはひどいな・・・」と言われ、急に席を立たれたかと思うと２人の研修医の方を連れてきて見学されていました。
　私も、出産前まで看護師として務めていたので、研修医と一緒に働いていたのである程度理解できますが、子供の火傷はここまでも重症なんだと、失望感でいっぱいでした。

　mixiという、コミュニティサイトと通して、夏井先生のもとに県外から３時間半かけて通い、湿潤療法でお子さんの熱傷治療をされ、無事移植手術をせずに治癒したという方や、夏井先生に良い先生を紹介していただいた方などたくさんの方から情報をいただき、私も夏井先生にメールをして、先生からの迅速なご返信のおかげで、旭川大西病院の高橋先生のもとに受診することができました。
　高橋先生は、お子様もいるようでひとつひとつの説明も母親としての立場にも立っていてくれるように私にゆっくりと説明してくださり、「ゆっくり考えてみて、そんなに急いで決めなきゃいけないことじゃないからね」等、最初の先生とは全然違うものでした。自宅での処置方法でわからないことがあり、病院に問い合わせ、看護師の方を通して確認したときも、折り返し先生から直接電話があり対応していただけたことにはとても驚きました。話しやすい雰囲気を作ってくださり、機械的な説明はまったくなくとても素晴らしい先生でした。

　プラスモイストにワセリンを塗布し包帯保護をし、患部周囲全体ににぷつぷつと発疹があらわれ、それに対してはキンダーベートを処方していただき、今日で３週間になりました。（熱傷後１か月、湿潤療法開始後２２日目）
　本日受診でしたが、高橋先生もびっくりされるほど経過は良好です。ほんの１～２ミリ範囲上皮化していない部分以外は、上皮化しました。まずは皮膚移植をさけて、湿潤療法で上皮化できた本当に良かったと心から思っています。

5月17日 5月22日

5月26日 5月31日

6月5日 6月12日

　さらに追加メールです。
　余談にはなりますが、急性期の病院に勤めていたころ、一つの病院は、入院患者さんの褥瘡も、夏井先生の提唱する治療とはもしかしたら違うのかもしれませんが、水道水で洗浄し、湿潤環境を作って治療するとういう方針でした（とくに難しい薬や軟膏もほとんど使用せず）が、ターミナルの栄養状態の悪い患者さんでも、すごく良くなったり、持ち込み褥瘡も、ここに入院するとみるみる良くなっていっていました。新人から務めたので、褥瘡は体交をこまめにすると治るんだと思っていました。
　しかし、次に務めた病院では、褥瘡委員会ももちろんあり、最新のドレッシング材や難しい薬？やら、とにかくいろいろなものを使っていましたが、誰ひとり大した改善もみられませんでした。デブリも良くおこなっていました。当時は、なんで前の病院の患者さんは、他院から持ち込みの長年の褥瘡ですらよくなったのに、ここの病院の患者さんはよくならないんだろう？程度にしか思っていず、体交など看護介入に差があるのかな・・・などと思っていました。

　でも、今回この治療を出会って、湿潤療法の素晴らしさを知りました。褥瘡にもこの浸出液はすごい力を発揮しているとうことなんですね。
　「褥瘡委員会がない病院はどんどん褥瘡が良くなり，褥瘡委員会が一生懸命治療しているところはちっとも良くならない」というのがいいですね。つまり，後者の病院では「褥瘡委員会が褥瘡治療の阻害因子である」という診断ができます。

【10:30】

　宮城県の湿潤治療のエキスパート，山本医院の山本先生からも抗真菌剤についてのメールをいただきました。
　ワセリン基剤の抗真菌剤の話が出ていましたが、私は、「ハイアラージン軟膏（長生堂）」を使っています。理由は8.5円/gと激安だからです。もちろん効果も充分です。
　その先生も、おっしゃっていますが、ワセリンだけでもいいと思いますし、場合によっては私も、短期で内服の抗真菌剤＋リンデロンV軟膏（痒みが強いとき）なんていうのも、いいようです。
　いずれにせよ、白癬の原因は小さい傷と考えられ、その傷のための湿潤治療（つまりワセリン）だということですね。
　ついでに言いますと、爪白癬は基本は無視です。
　「爪白癬は基本は無視」は絶対に正しいです。私は「爪白癬を治療するオバカさん」と考えています。

　先日取り上げた「糖質ゼロの日本酒」ですが，早速，一番小さなサイズのものを取り寄せて昨夜飲んでみました（1.8リットルを買って不味かったら悔しいっすから）。
　久しぶりの日本酒なんで「日本酒ってどういう味だっけ」というバカ舌状態なんですが，「あっ，普通の超淡麗辛口の日本酒っぽい」というのが第一印象。味の感じは「第3のビールの日本酒バージョン」というところでしょうか。最初からこれだけ飲まされたら，さして違和感は感じないかもしれません。もちろん，日本酒にうるさい人なら文句は山ほど出てくるでしょうが，私のように日本酒にあまり詳しくない・うるさくない人間ならこれで十分かな。

【09:00】

　ある看護師さんからの「息子のヤケドを治しちゃいました」というメールです。ご自由にお使い下さい，この写真を見て助かる人がいたら嬉しいです，ということでしたので，経過とともに公開させて頂きます。
　昨年5月から、先生のホームページや著書で湿潤療法を勉強し、皮膚剥離等に対して病棟で実践をしている看護師です。

　先月、GWの真っただ中に、思いがけずに自分の息子（中２）が、カップ麺を作ろうとして熱湯を右大腿部にぶっかけてしまい、ジャージを脱ぐ間に大きな火傷を作ってしまいました。
　すぐに数分冷やした後は、ワセリンを塗ったラップで巻き、ロブを飲むまで痛みは止まりませんでしたが、その後はプラスモイストや穴あき袋による湿潤療法で、１週間で見事にほぼ完治できました。学校も休まず、上皮化後は体育にも参加でき、運動会も出席できました。
　途中、先生のホームページで知っていた福岡市の八木病院の牧先生の診察を２度受けました。本当にありがとうございました。
　良かったら、写真も見て下さい。皮膚の再生力ってすごいですね。
　　　　　⇒熱傷の治療経過

　湿潤治療と糖質制限のエキスパート，きよすクリニックの伊藤先生からのメール。下記のアトラント軟膏、アスタット軟膏についてです。
　私も、軟膏基剤の抗真菌薬を探して、アトラント軟膏、アスタット軟膏を見つけ、使用したことがありますが、かぶれ（接触皮膚炎）を起こす頻度が高い印象がありました。白癬など、真菌症に造詣の深い、ある皮膚科の先生に相談したところ、その先生もかぶれやすいと言われていました。
　ペキロンクリームが比較的かぶれにくいとのことでしたので、最近よく使用しています。クリーム基剤を塗りたくない皮膚の状態の場合は、プラスチベースを先に塗ってからペキロンクリームを塗っていますが、今のところうまくいっています。
　軟膏基剤だからOKというわけでもなさそうです。

　以前の更新履歴に、慢性腎不全に対する糖質制限食の有用性をレポートされている先生のコメントが掲載されていますが、慢性腎不全に対する低たんぱく食で有名な出浦先生の勉強会でも同様な発言がありました。

　6月の2日,3日に開催された中部臨床栄養研究会の市民講座および栄養士対象の勉強会の中での発言です。
「肥満のある腎不全の場合は、肥満を解消しないと低たんぱく食を行なっても効果がないため、低たんぱく食の徹底よりも、まず肥満の解消を図る」
とのことでした。
　まずは、たんぱく制限を緩やかにしてでも糖質制限を行うことにより減量できたら、低たんぱく食をきちんと行えばよいのではないかと思います。

【07:30】

　いつもの「福島県の生物の先生」からの，糖質制限の根幹に関わるような疑問です。いつもながら鋭いなぁ。
　母乳の話からちょっとわき道にそれて、哺乳類の食性について考えていたら「糖質が主食でないなら、なぜ唾液にアミラーゼが含まれているのか」という疑問が生じます。
　インターネット上では「アミラーゼが唾液にあるのはげっ歯類やサル、ヒトなど限られた種だけ。反芻動物や肉食動物にはない」とか「もともと唾液にアミラーゼ活性がない動物でも、デンプンを与え続けるとアミラーゼ活性が出てくる」とか「加熱調理をするようになったので、アミラーゼが必要になった」とかいろいろな怪しい記述はあるのですが、どれが本当なんだかよくわかりません。
　しかし、とりあえず、「グルコースは脳に必要」「母乳のラクトースはエネルギー源」というような事には容易に反論できますが、「唾液にアミラーゼがある」は糖質が必要であることへの非常にもっともらしい根拠になりうるので、結構、面倒です。まあ、たぶん糖質を摂取するようになったからアミラーゼ活性がでてきたんだろうと思いますけどね。アミラーゼ自体は全く珍しい酵素ではないし、体内にはほとんどの生物に存在します。

　逆に言えば、「いつからヒトの唾液アミラーゼがメジャーになったのか」がアイソザイムや塩基配列等の研究ではっきりすれば、人類がいつから穀物食になったのかが推察できる訳です。もし、それが縄文時代以降であるなら、これはこれで大発見ですね。

　ともあれ、このアミラーゼ問題をすっきり説明できれば、糖質制限の理論的な根拠はさらに強固なものになるでしょう。
　私も以前からこの問題が気になり，いろいろ調べていますが，いまだに結論を出せないでいます。皆様はどのように考えますか？
　よくあるパターンとしては，「元々の存在目的は違っていたが，その後，デンプン分解専用に転用された」というのかな？　この説明もちょっと苦しいなぁ。

　以前，「うどん県宣言をする香川は，県民を糖尿病にする気？」と書きましたが，それに関してメールをいただきました。
　私は8年前から去年までは晩飯に米を食べない生活をしていましたが，こちらで糖質制限を知ってからは、米抜きから糖質制限にシフト中です。昼飯に糖質をぬくと食後のダルさや眠さを感じないので快適です。
　シャンプーレスも6年くらい続けてますが、トラブルなしです。

　さて、次のような記事を見つけたのでお知らせします。
1. 糖尿病＋予備軍が４２％／県内の成人男性
2. 県内成人男性は不摂生？／糖尿病予備軍
　２つめの記事「県内成人男性は不摂生？／糖尿病予備軍」の中に次のような記述がありました。
「仕事が忙しくて疲労はたまる一方。朝はぎりぎりまで寝ていたいので朝食を取らない日が多い」＝高松市屋島西町の男性会社員（３３）＝というように、外食中心の昼食でまとめ食いするなど、不規則な食生活が日常化しているケースが多いとみられる。
　これは糖質過多による、典型的な負のスパイラルではないかと思うんです。
　こんな感じで。

　　　うどん（糖質）の摂取量が多い
　　　　　　↓
　　　食後がとてもダルい
　　　　　　↓
　　　疲労がたまっていると勘違いする。
　　　　　　↓
　　　朝スッキリ起きられない
　　　　　　↓
　　　朝飯を抜く
　　　　　　↓
　　　昼か夜にうどん（振り出しに戻る）

　でも、うどん県の方々は、ここでうどんを断つのは難しいんでしょうね。
　記事の中に「糖尿病が多いのは野菜摂取が少ないから」なんて書いてありますが，うどんという高糖質食（素うどん一杯＝角砂糖17個分の糖質！）を県民食扱いしていることが原因だということに，なぜ気が付かない！
　というわけで，「香川県民はうどんを食べて糖尿病になろう／他県民は香川に来て糖尿病になって帰ろう」運動を展開している香川県でした。

【06:00】

　「従来の熱傷治療ではどのような傷痕が残ったのかを見てみたい」というメールをいただきましたので，ちょっとまとめてみました。

　ある先生からの情報です。
　最近やっと、ワセリン基材の抗真菌剤の医薬品を見つけました。
- 久光製薬／アトラント軟膏
- まるほ／アスタット軟膏
です。
　効能効果はまだ調べている最中ですが、ワセリンだけで治るいんきんたむしはあまりにも多いので、もはや病棟・施設ではマイコスポールクリームは使用していません（笑）。つかうくらいなら、短期の抗真菌薬内服＋ワセリン外用の方がすっきり治っています。

　滋賀県で湿潤治療と糖質制限の普及に尽力している岡田先生から，歯磨きについてのメールです。ついでに，岡田先生のブログにもリンク。
　それにしても，岡田先生に半年くらい前にあった時と，全く別人のような写真が掲載されています。何より体系がメタボおっちゃんでなくなりました。
　シャンプーも詐欺なら、歯磨き粉、デンタルペーストも詐欺ですね。以前から、石けんの薄荷歯磨きを使っていたのですが、その使用をやめ、水だけで歯磨きをするようにしたところ、歯肉出血は2－3日でなくなり、しみる痛みもなくなりました。歯茎もピンク色になり、口臭もありません。
　焼肉南山の社長を始め、歯磨きレスを勧めた人は皆喜んでおられます。
　界面活性剤はニンゲンの体に使ってはならないと再確認しました。ただ、シャンプーレス以上にカミングアウトしにくいです。

　6月11日のこのコーナーで紹介した大和田秀樹さんの漫画についてのメールです。
　ムダヅモは私のお気に入りの漫画です。安心して下さい、これは麻雀のルールをよく知らなくても読める麻雀漫画です。
　大和田秀樹さんとお友達なんて西堀先生が羨ましいかぎりです。
　結構色々な有名人が出てきて（政治家が主です）麻雀の役がその人物にかけてあったりと小ネタ満載のエンターテイメント麻雀漫画です。一巻の半分をすぎれば麻雀のルールはわからなくても読めると思いますので是非一度読んでみて下さい。
　あの漫画好きの麻生元首相の「今政治家が全員読むべき漫画だ！！」と熱く語った帯がついていました。自分を漫画のキャラに使われてもいちいちつまらない事を言わない柔軟な心はまるで自分の絵のタッチを思い切り真似されても「僕にはこういう漫画は描けないし真似されるということは自分が認知されているということ」といった池上遼一さんをおもわせました。

【「バカンスではるばるビーチまでやって来た！でも子供らがすることは…」】
　私がバカンスに行ったとしても（・・・とは言っても，過去15年間，夏休みも休暇も取ったことはありませんが），まず真っ先にPocket WiFiが繋がるかどうか，ホテルの部屋に有線LANはあるかどうかをチェックし，そしてパソコンを立ち上げるでしょうね。とりあえずすることってそれしか思いつかないからです。

【田植えを音楽で応援する歌唱隊】
　歌で田植えを応援する前にもっと他にしないといけないことがあるだろう，と誰しも突っ込みたくなるナイスなニュース。愉快な国，北朝鮮です。

【北朝鮮の高麗航空で出されたハンバーガーは「世界で最もお粗末な機内食」】
　貧しくなると糖質だけの食事しか食べられなくなる，という見本のような機内食です。こういう食事ばかり食べると「太っているけど栄養失調」になります。為政者には「痩せてないから栄養は十分に行き渡っているな」と見えるのがミソです。

2012/06/12

【15:00】

　30代女性からシャンプーレスについてのメールをいただきました。
　シャンプーレスについてはもう２年になります。
　きっかけは、ある日気付くとフケが落ちるようになり、猛烈なかゆみが出てきました。薬用シャンプーを使っても改善せず、臭いまで発するようになったので皮膚科にかかりましたが改善しませんでした。インターネットで色々調べるうちに、界面活性剤が元凶だったとわかりましたが、躊躇していました。
　思い切って誰にも合わない休日の前夜に石鹸不使用、お湯シャンプーの入浴を実践した所、かゆみがぴたりと止まりました。いつも風呂あがりは顔や首元に赤く斑点のようなものが出来ていましたがそれから出来なくなりました。風呂で体が温まって赤くなってると、今まで気にもしていませんでしたが、これも洗顔料やボディソープの影響だったのです。
　最近、頭皮湿疹の薬が出ていますが、CMやドラッグストアで見るたびに「シャンプーを止めればいいのに」と思います。
　しかし、人にはなかなか勧めることができませんし、２年経ってもカミングアウトしたのは数名だけです。
　シャンプーに関しては，みんなで集団詐欺にあっているようなものです。しかも，詐欺の被害者が加害者に感謝している始末です。皆さん，おめでたいです。

【10:30】

　6月10日にテレビで糖質制限が取り上げられていたそうです。
　6月10日のTBS「アカルイ☆ミライ」にて、【「砂糖」をやめれば10歳若返る!】の特集をしていました。白澤卓二先生も出演していました。もちろん糖質制限のお話しでした。
　番組の動画をご覧になりたい方はメールでご連絡下さい。

　6月5日のこのコーナーで紹介した「汗疱の原因は塩分摂取不足では？」について，別の方からもメールをいただきました。

　先生のサイトを見始めて9年弱になります。
　きっかけは娘の傷。コンクリートの階段でころび、鼻筋や口まわりをすりむいた娘のご相談に乗ってくださりありがとうございました。ワセリンとラップでちゅるっと湯葉のようにとれたかさぶた、下から現れたきれいなピンク色の皮膚、いまだに覚えております。そして、どんなにさがしても傷痕はありません。

　さて、その娘は汗疱で足裏の皮がべろべろとむけることがよくありました。6月に入って、皮をひっぱって赤むけにしてしまったところ、6/5のサイトを見てびっくり。
　塩分不足！！！
　気づきませんでした。思いもしませんでした。

　彼女はとても汗かきです。こんなに涼しい今日でも、朝駅まで10分歩くだけで汗だく。
　積極的に塩分を取るようにトライしたら…。劇的改善しました。分厚く、黄色みのかかった足裏の皮膚がきれいになくなり、もうすぐ皮むけ完全終了です。毎日写真をとっておけばよかった。

　糖質制限でもお世話になっています。2月、娘の受験が終わったころからスタート。なぜなら、スーツがみんなキツくなっていたからです。4月、それらのスーツはみな緩くなっていました。買わなくて良かった～。次は娘のお弁当をいかに糖質制限メニューにするかです。

　どうやら「発汗過剰⇒塩分不足⇒汗疱発症」というメカニズムの可能性が出てきましたが，皮膚科の先生方はいかがお考えでしょうか？

【08:30】

　ある方からのシャンプーレス情報です。
　子どもからの又聞きですが、テレビで吉本芸人「シャンプーハット」のてつじが言ってたそうです。
　３年前美容院でシャンプーしてもらうとき美容師の手がすごく荒れているのが気になって、それからお湯のみで髪の毛を洗うようにしたらはげが直り、髪の毛がふさふさするようになったと。
　同席していた南雲吉則先生も同様のことを言ってたそうです。

　テレビでその話をよくぞオンエアーできたな、とびっくりしたのですが(^^)。スポンサーにシャンプー会社がなかった？

　6月1日のこのコーナーで紹介した「糖質制限和食に挑戦する料理人」についての続報です。

　例の糖質制限和食を創作している和食屋さんに久しぶりに行きました。そこで見たものは、、、、、、、。
　思わず、笑っちゃいました。従業員はもちろん、ご主人、女将さん全員やせているのです。中には一週間で5ｋｇもやせた方もいました。当たり前ですが、昼と夜のまかない料理は、糖質制限和食の創作料理を皆さん食べており、そのためです。皆、びっくりしていました。お客さんもびっくりしているそうです。ラカントや糖質ゼロの日本酒で味付けをした料理(味付けに使うラカントなどの使用量の加減が難しいそうですが)を食べ、ご飯を食べないで、糖質ゼロの麺類や玄米を食べていたら、どんどんやせてきたと、言っていました。もう少しで、元々の和食と遜色のない食事が作れそうだと言っていました。肉や魚は沢山食べられるし、甘いものが欲しくならないとも言っていました。糖質制限和食の創作料理を食べさせてもらいました。困ったのは、料理代金を取ってくれないの事です。

　従業員全員が、やせているのを見るのは、本当に変な風景でした。皆さん、本当に喜んでいました。以前ですと、食べた分だけ太り、食べれば眠くなるし、、困っていたのが、疲れないし、眠くならなくなったとやる気満々でした。

　糖質オフ和食が完成したら，「たくさん美味しく食べて，健康的に痩せられる驚異の和食料理店」・・・なんていうキャッチコピーで宣伝しましょう。

【06:30】

　先日，ちょっと紹介した 『一週間はなぜ7日になったのか』という本についてのレビューを追加。かなり辛口評価になっています。

　昨日から2日間，京都から松村先生が見学に見えられています。

　「パナソニックの鼻毛カッター」，買っちゃいました。すごく便利です。鼻毛の伸びが速い東京では必需品でしょう。

【微生物は鉱物の“電線”で電子を交換】
　土壌中の細菌と微生物，植物が半径数百メートルに渡る巨大な共生生命体として生きていることは知っていましたが，まさか種類の違う細菌同士が，導電性鉱物を「電線」として電子のやり取りをしているとは想像もしていませんでした。
　だって，「電子のやり取り」とは「呼吸の本質」ですよ。呼吸とは何かといえば，電子のやり取りで生じたプロトンの濃度差によりATPを作ることにほかなりません。ということは，土壌中の細菌，岩石の中の細菌は「全体として呼吸している」ということになるはずです。つまり，導電性鉱物が存在する範囲すべての細菌が種類の壁を超えて「呼吸＝ATP産生」を共有・融通しあっている，という壮大な仮説すら浮かび上がります。まさに大興奮です。

　これまで何度か糖質制限でメールをお寄せいただいた「農家のお嫁さん」からのメールです。
　糖質制限食はほんとうにすごいですね！　１００キロマラソン完走なんて！！
　でも、きっと完走できるんだろうな～と，素人ながら期待と確信を持っていました！！

　私も基本的に【スーパー糖質制限食＋時々ちょっと糖質の間食】で過ごしています。
　ゴールデンウィーク、我が家は毎日大根の収穫で早朝から夕方まで、かなり体力を消耗する期間でした。毎年、この期間中に「猛烈な頭痛に襲われ・嘔吐する」日が必ず一日はあって，自分でも毎年のこの時期、体調管理に自信がなかったのですが、今年は夕方になっても体も軽くて、思考も冴えてる感じで一度も頭痛・嘔吐する日はなく、体力・精神的余裕共にバッチリでした！！

　昨年までのナゾの体調不良はおそらく「低血糖だったのでは？」と思います。
　昨年までは、「体力が持たないから多めにご飯＆休憩にはジュースとお菓子」と、主に糖質だったのが，今年は「タンパク質中心のおかずのみ＆休憩にはお茶とチーズ・ツナのおつまみ」と、糖質少なめに変えたからだと思います。
　糖質制限食で体を使う仕事をしていると，確かに「おなか減ったな～」と、一瞬パワー不足の時間が訪れるのですが、少し経つと、「何かが切り替わった？何かが補充された？」という感覚に切り替わるような実感があり、だんだん頭が冴えてきます。普通食ならハラペコで頭もボーッとして仕事がはかどらなかったのに・・・。

　その上、今までは「明日も仕事だから早く寝よう。」という【趣味諦めモード】だったのが，朝から仕事して、その後さっさと家事を済ませて夜趣味活動に出かけるという【趣味は大事モード】に切り替わりました。時間が増えた訳ではないのに、思考が軽快になった感じです。その辺の所も糖質制限食は鬱病にもいいらしいというのも、うなずけます。
　糖質制限食はやめられませんね！！
　糖質制限にすると「体質が変わった。生まれ変わったみたい」と感じますが，このメールはそのあたりの変化を見事に文章化しています。

【泣きそうになった…退団したアメフト選手に6歳が「戻ってきて」と、おこずかい同封の手紙を送る】
　6歳の子供にとって270円というお金がどれほどの大金なのか，それを思うとまた泣いちゃいました。ハリウッドはくだらない3D映画に巨額を投じる暇があったら，この手紙をもとにすぐに映画を作りなさい。

2012/06/11

【16:00】

　先ほど，東京町田市で湿潤治療を行なっている町田胃腸病院の寺本先生から患者さん（1歳）が紹介されました。平坦な瘢痕を残して上皮化していますが，あと数年もすればかなり目立たなくなると予想され，患者さんのご両親も安心されたようでした。

　そこで，「町田胃腸病院の治療はどうでしたか？」と質問したら，「寺本先生は優しくて，治療も説明も丁寧で，最初に通院していた皮膚科医院の先生とは雲泥の差です」と，べた褒めでした。

【15:30】

【米射撃場が子ども向けの誕生日パーティー企画、試射も】
　アメリカが狂っているのか，アメリカ以外が狂っているのか，どっちなんでしょうか。
　日本では銃乱射事件は余程のことがなければ起きません。銃がそもそもないし，使い方を殆どの人は知らないからです。もちろん，アメリカから見れば「市民が銃を持たない社会なんて狂っている」のでしょうね。

【大阪・ミナミで男女２人刺殺＝「自殺考え、死刑になりたかった」】
　こういう奴は死刑にしちゃダメです。北朝鮮にお願いして，死ぬまで強制労働させるべきです。簡単に死刑にしちゃったら，そのうちまた同じような「死にたいけど自分で死ねないから死刑にして欲しい」と人を殺すバカがまた出てくるだけです。

【08:30】

　5月11日のこのコーナーで「糖質制限をしてウルトラマラソン（100kmマラソン）に挑戦！」という脳外科医のメールを紹介しましたが，なんと完走できたそうです。
　糖質制限食でウルトラマラソンに初挑戦しました、皆様のご声援のお陰で、無事完走することができました。
　前日も食事はすべてご飯、麺類、甘いものを摂らず、野菜と肉類だけにしました。当日朝も納豆、たまご、ヨーグルトのみで走り始めました。
　走っている間はどうしても給水所にある食べ物を摂るしかなく、麺類やパンなどを食べざるをえなかったですが、糖質セイゲニストを代表して、なんとしても完走してやろうと気合で走り切りました。
　感想としては以前、マラソンの時にやっていた、走る前の大量の炭水化物摂取をしていたころよりもバテにくかったように思いますが、なんせ100kmなので最後の20kmは根性だけした。
　ただ3月からの糖質制限食で体が絞れてたから、完走出来た事だけは確かです。以上簡単ではありますが、御報告申し上げます。
　糖質制限をしてもスタミナは落ちない，それどころか100km走り通せるというのはすごいです。

　家庭用ハイドロコロイド被覆材の価格破壊とも言える「リーダーハイドロ救急パッド」ですが，私の自宅近くのドラッグストアで普通に売ってました。しかも，キズパワーパッド（J & J）寄り目立つ位置に並んでいました。

【06:30】

　講演用のスライドをバージョンアップし，顔面外傷の症例などを大幅に入れ替えました。最新版は6月10日作成となります。ご覧になりたい方は本名，所属を明記してメールでご連絡下さい。
　なお，以前ダウンロードしたことがある方は同じアドレスからダウンロードできますのでご利用下さい。

　新潟市で湿潤治療を積極的に行なっているくらしま内科クリニックの倉島先生の治療の工夫です。情報をお寄せいただき，ありがとうございます。
　被覆材の使い方やコストの問題、患者さんや一般の人達が、感情的にラップやPETシーツを避けたがる時の解決法として以下にまとめてみました。
1. 超急性期はモイスキンパッドにワセリンを塗って被覆。
2. 落ち着いたら、或いは浸出液が多い、多汗であせもが出る，蒸れてかゆがる時はプラスモイスト、またはプラスモイストトップと白十字のシングルパッドA、Sを二次ドレッシングで使う。
3. 当方はプラスモイストトップと「アブソケアシーツ」の組み合わせでうまく行っております。このシーツは切って使えて安価で有り、コストダウンに成功しています。新潟市の衛生材の会社です

　「ある病院の形成外科の先生の独白」を伝えるメールです。
　もう自分はこの病院を辞めるから言っちゃうけど、救急科で創傷被覆材を使って良くした患者さんが、形成外科に転科してからゲーベンやカデックスが使われるせいでどんどん悪くなる。見ていて我慢できなかった。
　外来に紹介される患者も初診のときはくるけど、次から来なくなっちゃう患者が結構いる。きっとどっかに逃げ出しちゃうんだと思う。
　熱傷学会ご推奨の熱傷治療は「沈没寸前の泥船」ではないでしょうか。ネズミはとうの昔に逃げ出しています。そして，乗客が逃げだし，船員も脱出を考え始めたようです。

　先週金曜日，今年で6回目となる沖縄の南部徳洲会病院での講演がありましたが，講演後の質疑応答で「研修医にこのサイトで勉強しろというと，あまりに量が膨大すぎてどこから読んだらいいかわからない，という声が上がっている。とりあえずここだけ読めばわかる，というまとめサイトを作ってくれないだろうか」とのご提案いただきました。
　何しろこのサイトは2001年から作り始めてすでに10年を経過し，しかもウィークデイはほぼ毎日更新していますから，内容が膨大になるのは避けられません。いきおい，初めて湿潤治療や創傷治癒を学ぼうとする研修医には，敷居が高くなっているかもしれません。

　そこで皆様にお願いですが，「研修医はこれだけ読めばいい」，「これから湿潤治療を始めようと思っている開業医は最低限，ここだけは読んでね」，「患者さん・一般人はとりあえずここだけ読めばわかるはず」と幾つかのページをピックアップし，そのリストを送っていただけないでしょうか。それを「〇〇先生セレクション」「▼▼さんセレクション」という形で公開すればいいかな，と考えていますが，いかがでしょうか。

　糖質制限と食糧問題について2人の方からメールをいただきました。
　6月7日の「コメがなくなれば糖尿病医はいらなくなる」ですが、正確に言うと「コメと小麦がなくなれば、、」ということになるのでしょうね。
　確かに正論ですが、かたやコメや麦がなければ人類は現在の人口を賄い切れないことも事実です。コメや麦がない稲作以前の時代の人口はどのくらいであろうかと、簡単に調べてみました。このデータがどのくらい正確なのかはわかりませんが、ひとつの目安として見るのであれば農耕が始まる以前の日本の人口はわずか2万人から26万人となっています。現在の地方の人口くらいしかありません。
　無論、現代と比べることは出来ません。衛生状態や乳幼児死亡率が全く異なりますし、今は畜産、養殖業があるので縄文時代よりははるかに多くの人口を養うことができると思います。けれども維持できるのは現代の半分もないような気がします。いや十分の一くらいかもしれませんね。
　糖質制限食ははっきり言って炭水化物食よりお金がかかります。それが糖質制限食拡大の一番のネックとなるのではないでしょうか？　極端に言えば裕福な人々は糖質制限を食べ、「貧乏人は麦を食え」の形になるのかもしれませんね
全国のコメ農家と、族議員に殺されるといけないので。
代替案；
- 人間の食べるお米を作っている農家は、飼料米作りに変更
- アメリカから穀物を買わずに、安くて美味しいお肉を育てる
- 農家も、細かいところに気を使わずに済むので、農作業が楽になる。
みんなでハッピー。
　この問題についての私の考えです。もちろん，私は農業の専門家でも植物の専門家でもないので的はずれな机上の空論かもしれませんが・・・。
　「穀物を食べなければ人口は維持できない」というのももっともな話のようですが，これは「人間は穀物を食べなければいけない」という考えから脱却しきれていません。「農業＝穀物の栽培」という先入観があります。
　農業を穀物中心から他の作物中心に切り替えればいいんですよ。

　例えば，米と小麦が収穫できる土地ではそのまま大豆などのマメ科の作物とかアブラナ科の作物に切り替えられます。マメ科の植物は高タンパク，高脂質，アブラナ科の作物は高脂質の種実が採取できます。あるいはオリーブを育てるのもいいかもしれません。
　脂質は単位重量あたりの熱量が高いですから，糖質と同量の熱量を摂取するのも簡単です。さらに，マメ科の植物もアブラナ科の植物もオリーブも痩せた土地で育てられますので，水田や小麦畑からの転換は容易と思われます。
　さらに，マメ科の場合は共生根粒菌が大気中の窒素の固定をしますので，基本的に肥料は不要だったと思います。つまり，肥料が要らない分，米やコムギを育てるより環境負荷が少なくなります。
　「大豆は豆腐か納豆に決まっている」という先入観を捨て，新しい食べ方を開発・工夫するだけです。

　米をウシなどの家畜を育てるための飼料用の米にするという提案ですが，牛肉1キロを得るためにはその10倍の量の穀物が必要ですし，もちろん水も大量に消費します。コメを作って人間が食べずにウシに食べさせて牛肉として人間が摂取するのは効率が悪すぎます。どうせ食べるなら，大豆などを育ててそれを直接人間が食べたほうが無駄がありません。

　どうしても動物性タンパクが必要という場合には，牛肉ではなく昆虫食でしょう。5月7日のこのコーナーで書いたように，ハエの幼虫を工場で育て，終齢幼虫になったところで採取し，タンパク質を取り出すというのがベストです。ハエの餌は人間の食料と競合しないし，餌をタンパク質に変換する効率も高いです。「ハエの幼虫？」と嫌がる人もいますが，タンパク質になってしまえばウシもウジも同じです。

茨城県で湿潤治療をしている西堀先生からのメール。
　私の高校時代からの親友に大和田秀樹というギャグ漫画家がいます。近代麻雀で「ムダヅモなき改革」という小泉元首相をモデルにしたギャグ麻雀漫画を連載中です。
　1年くらい前から腰痛の治療のために当院に通っていたのですが、私が急に痩せたのを見て、糖質制限を始めたそうです。結果、3週間で5㎏やせ、おかげで腰痛もだいぶ楽になったそうです。
　以前、facebookで医師仲間に糖質制限を紹介したときは誰も賛同してくれなず、さみしいような悔しいような思いを味わったので、糖質制限の素晴らしさをわかってくれる仲間が出来てすごくうれしいです。
　漫画家は医師と違って頭が柔らかくないと生き残っていけませんからね。
　私は麻雀をやらないのでこの漫画は読んでいませんが，とんでもないハイレベルの政治パロディー漫画と評価が高いことだけは知っています。麻雀漫画という先入観を捨てて読んでみようかと思います。

練馬区の内科クリニックの先生からのメールです。
　4月7日の更新分に私の文章が載っていますが、その後も引き続きスタンダードとスーパーの中間くらいの糖質制限を続けております。
　168cm　62kg　体脂肪率14％が2ヶ月少々で57.6kg　11.3％まで減ったところまでご報告いたしました。その後、57.0kgまで体重が減ってしまったところで、「ちょっと貧相な体だな」と思い始めたのをきっかけに今度はカロリー摂取を心がけるようにいたしました。

　仕事が一息つけるときには
- コンビニで売っている唐揚げやフライドチキン
- チーズや無糖ヨーグルトなどの乳製品
- アーモンド・クルミなどのナッツ
- ホエイプロテイン
のどれかをおやつがわりに摂取することにしました。

　結果ですが、体重は58.6kgまで戻し、体脂肪率は9.4％まで落ちてしまいました。鏡を見た感じでは、20年前の大学時代にトライアスロンの大会に出た時と同じような体型に見えます。
　繰り返しになりますが、40歳にもなってこんなに体型が変わるとは驚きです。

　ある養護教諭の先生からのメール。
　１２月からの糖質制限食で５３．５ｋｇから４８．５ｋｇに減ってしまい（ダイエット目的ではなかったので），心配しましたが、先日たまたま検査した血液検査では、ずっと悩んでいた貧血が解消し、今まで見たことがない血色素量になってびっくりしました。
　体重が減ったのに貧血が治るなんて！！
　私は高血圧がいつの間にか治ってしまいましたが，この方は（多分，摂取カロリーが減ったにも関わらず）貧血が治ってしまったようです。

【遺体が太りすぎのため火葬場が火事に…オーストリア】
　すごいデブって生きているときは邪魔だけど，死んでからも人様に迷惑をかけるんですよ。せめて死んでから火葬場を火事にしないよう，死ぬ前に糖質制限して痩せとこうぜ。デブほど簡単に痩せられますから。

【画面から物理ボタンが現れるTactus 変形タッチスクリーン】
　まだ，試作段階ですが商品化されたら便利そうです。実用化が待たれます。

2012/06/08

【09:30】

　ある，糖質セイゲニストの方からのメールです。
　ちょっと気になる番組があります。
　以下、溝口先生のブログより
チャンネル：NHK総合放送日： 2012年6月13日（水）放送時間：午後7:30～午後7:58（28分）「発達障害の兆候があれば小学校低学年までの子供でも向精神薬を処方している医師は全国の７割にのぼる。」

　以前，男子中学生（朝起きない／起きても機嫌が悪い／集中力がない）に糖質制限をしたら，「朝，起こさなくても起きる／機嫌が良い／集中力がある」中学生に変身した，というメールを紹介しました。また，うつ病や睡眠障害の原因は糖質の過剰摂取ではないか，という考えもあります。
　というわけで，小学生に向精神薬を投与する前にすることがあるだろう，と思います。

　どうも最近，iPhone, iPadからメールを出される人でメールアドレスを設定しないままメールを出している人がいるようです。今日の朝だけで2通，そういうメールをいただきました。どちらも差出人のアドレスは "INVALID_ADDRESS@.SYNTAX-ERROR." となっています。これでは返事が出せません。メールを出す前に，自分のメールアドレスをきちんと設定しているかどうかチェックをお願いします。

　次のようなメールを深夜（6月8日午前0時過ぎ）にお寄せいただいた方がいらっしゃいますが，メールアドレスが書かれていないため返信できません。事態がかなり逼迫していますので，勝手ながらメールを一部引用させていただき，私の回答もここに書きます。
　妹の熱傷のことでメールさせて頂きました。歳は33歳です。
　二週間程前に大腿部25cm範囲くらいを熱湯で火傷し、〇〇医療センターで近日中に皮膚移植の手術をすることになったそうです。医師からは2～3度熱傷で、手術しなければ何ヶ月も治癒までかかり、瘢痕がのこるからと聞いたようです。
　先生のホームページをみると、皮膚移植なしに、湿潤療法でキレイに、早く熱傷が治っているので、驚きました。お腹から皮膚をとり、移植する予定ですが、できれば手術させたくありません。
　ただ、妹は早く仕事復帰したいから手術をするといいます。手術なしで湿潤療法だとそんなに治癒時間がちがうのでしょうか？
　以前、息子がスポーク外傷で先生のホームページから湿潤療法しておられる緑かなざわ整形外科をたどり、とても満足な治療をして頂き、湿潤療法の素晴らしさを実感しております。
　私の回答です。
　今からでも遅くありません。すぐにその病院を逃げ出すべきです。無断外泊でもいいから，すぐに逃亡しましょう。
　皮膚移植されると一生後悔します。

　とりあえず，次の医者たちに片っ端から連絡してみて，快く対応してくれた医者なら大丈夫でしょう。おそらく，仕事をしながら治療できます。
　なお，無断外泊した際の自宅での処置はこれを参考にして下さい。素人でも治療できます。

【06:30】

　《ファイナル・デスティネーション》シリーズの第3作目，《ファイナル・デッドコースター》という映画を紹介。とは言っても，ただただうるさいだけのアメリカのお馬鹿高校生が，次々と惨殺されていくだけの映画でした。ここまでくるとほとんどギャグですね。

　今日の夜は沖縄の南部徳洲会病院で講演です。とは言っても，12：00まで外来診療をして，それから羽田に向かい，14：45の飛行機に飛び乗って沖縄に向かい，那覇空港から大急ぎで病院に向かって直ちに講演し，翌日の午前中の便で帰ってくるという日程です。つまり，沖縄滞在時間は睡眠時間を含めても18時間ほどですね。いつもながら，観光とは無関係の沖縄旅行（？）です。

　昨日（7日），有明方面のガンの専門病院から逃げてきた患者さんのことを書きましたが，早速，こんなメールをいただきました。
　この病院に勤務していたのでなんとなく、そのさまが理解できます。要するに、そのドクターは「がん」だけに興味があって、それ以外のことは極端に言えばどうでもいいのです。まさに「木を見て森を見ず」だと思います。
　大体、大学では「がん」のことは教わっても、外傷、キズの治療、熱傷などに関しては「なんとなく」処置（あえて治療とは言わない）をしていただけと思われます。

　私が癌研に勤務を始めた94年頃は外科から「再発患者に対して抗癌剤を使用するために化学療法科にまわされた」というケースが多かったものです。要するに「外科的治療の対象とならなくなった患者は興味の対応外」といった感じの主治医も少なくなかったのです（もちろん、そうでない先生もいらっしゃいました）。患者さんから言われた苦情のなかに「外科では悪い所は全て取り去ったと言われたのに何で再発したんだ！？」という信じられないものも少なくありませんでした（現在はそんな説明は無いと思いたいです）。

　このようなドクターはおそらく癌研にいる限りは同じ態度をとるとおもいます。このドクターが引退して湿潤療法のこと知っている若い医師にとってかわるまでこのままなのだろうなと思います。
　この「有明の某病院」では，ガンの手術がうまく行ったら患者が死んでも構わない，治療が終われば後は野となれ山となれ，というスタンスで患者の治療にあたっているんでしょうね。

【おっさんのかっこよさを説明しよう】
　おっさんの皆さん，それぞれ格好良いです。特にインドのオッサンはみんな，いい表情をしています。なんでこんないい表情ができるんだろう？

　私にはこういう表情の写真は一枚もありません。カメラを向けられるとどういう表情をすればいいのか，いまだにわからないからです。55年間，カメラが向けられるたびにどうしていいかわからず，引きつったような表情で写っています。新聞屋雑誌のインタビューでは必ず，「自然な表情でお願いします」とリクエストされますが，何が自然な表情なのか，どうすれば自然な表情になれるのかわからないのです。
　その理由は多分，自分の顔に自信がないからでしょうね。だから，カメラを向けられると「困ったなぁ」と困惑し，困惑したまま軌道修正できず，そういう表情が写真を撮られるのでしょう。

　でも，死ぬ前になんとか「自然な笑顔」を作れるようにしとかないと，「引きつったような不自然な表情」の写真が遺影になっちゃうんだよね。なんだかそれも情けないなぁ。
　というわけで，私の葬式は「遺影なし」で済ませて欲しいと切に考えている次第です。まぁ，自分の葬式には出席できないけどね。

【いきものずかん】
　ナメクジとコウガイビルでここまで完成度の高いギャグマンガにするのはすごいです。しかも，コウガイビルについての知識が深くて正確！
　ちなみにコウガイビルはKGBとも表記できますね。

【創造論者の反対により韓国の教科書から「進化論」が削除】
　韓国はもっと頭が良くてデキる子だと思っていたのに・・・！これじゃ，アメリカ人なみに馬鹿じゃん。

2012/06/07

【16:00】

【「貧しいから太る」：肥満は新たな栄養失調】
　アメリカのホームレスの1/3は肥満で栄養失調である，という研究結果だそうです。これも糖質制限の立場から見ると，
1. 炭水化物の多い食料は安い
2. 低収入ほど安い食料（＝炭水化物）を選ぶしかない
3. エネルギーは多いので肥満になる一方，他の栄養は摂らないので栄養失調になる
4. 炭水化物を摂ると食後3時間に急激な血糖低下が起こり，同時に強い空腹感を感じる
5. それを満たすためにまた炭水化物を食べたり，糖分の多い飲み物を飲む
6. さらに太って栄養失調に・・・
という悪循環になっていると分析できます。

【14:00】

　有明方面にあるガンを専門とする某病院からの逃亡患者さん受診。
　開腹手術を受けられたものの術後に傷の一部が開いたそうです。それに対し，主治医は「この傷は風呂で石鹸をつけ手洗い，消毒してガーゼを付けておけば治る。次に手術する患者が決まっているので，さっさと退院しろ」とおっしゃられたそうです。
　傷は痛いし，治る気配もないしと知人に相談したところ，「そんな治療じゃダメだ。光が丘病院に行けばすぐに治る。すぐに行け！」とアドバイスしてくれたそうで，当科を受診されました。もちろん，プラスモイストを貼って治療はおしまい。

　というわけで，傷の治療に関しては，有明のがん専門病院の先生より素人のほうが正しい知識を持っていたわけですね。某病院の先生方は今後もこういう前近代的な古臭い傷治療を続けて下さい。そちらを逃げ出した患者さんはこちらで引き受けますから。

【13:00】

　ある接骨院の先生からのメールです。「米がなくなれば糖尿病がなくなる」というのは至言かも。

　3月からなんちゃって糖質制限を始めて昨日久々に体重計に乗ったところ73ｋｇまで落ちていました。白衣のズボンがだいぶ緩くなり、ベルトを付けないとずり下がるようにまでなりました。このまま６０ｋｇ台に突っ込みたいと思っています。
　体も軽くなり、糖尿の症状が出なくなり、血圧に心配のあった方も落ち着く・・・
　いいことづくめですね。こりゃあそのうち糖尿の専門医も本当に要らなくなる日が来るかもしれません。

　リンゴが赤くなれば医者は青くなる　　とか
　柿が色づけば医者は青くなる・・・なんて言葉がありますが

　米が無くなれば糖尿病医もいなくなる　　なんてのはどうでしょう？？

【11:00】

　本日も三軒茶屋にある某大学病院から逃げてきた患者さんが受診されています。第1趾の爪を剥がした患者さんですが，某病院での処置（消毒してソフラチュールガーゼ）があまりに痛く，処置が終わっても痛みで寒気がするほどで仕事にならないため，ネットで調べて受診されたそうです。
　とりあえず，プラスモイストで患部を覆ったらすぐさま痛みがなくなり，普通に歩けるようになりました。これで仕事ができます，とニコニコ顔でした。

　三軒茶屋方面の某大学病院の先生方は今後もこういう前近代的な古臭い傷治療を続けて下さい。そちらを逃げ出した患者さんはこちらで引き受けますから。

【08:30】

　ネットを見ていて偶然見つけたのがこの「ノート型ホワイトボード」です。ユーザーレビューを見るとどれも高評価だし，会議などでメモを取る際は便利そうです。あと，買い物リストとか，考えをまとめる時とか・・・。いくらデジタル人間とはいっても手書きのほうが便利なこと，手書きでないとダメなこと（例：アイデアをまとめる）は多いです。
　ちなみに，私が買うとしたら新書版サイズかな？

【06:30】

　「プラスモイストP取り扱い薬局一覧」に，茨城県那珂市のあんず薬局那珂店を追加しました。

　ある病院の先生から私の論文を送って欲しいと，次のようなメールをいただきました。
　数年前に赴任した副院長より、「診療科ごとに術後処置がバラバラなので、できればある程度統一させたい。〇〇科も部長が長年イソジン消毒とガーゼ保護で対応してきており黙認してきたが、今月いっぱいで退職されるので、これを機に改革していきたい。ついては消毒不要のエビデンスを記した文献や教科書を探してくれないか」との指令を受けました。文献をお願いします。
　やはり，パラダイムシフト級の変化や，世の中の常識が変わるには世代交代が必要なんですね。古い考えに固執する世代が引退するか死に，新しい考えを知っている世代の数が増えることで，パラダイムシフトは完成します。

　昨日，病院で体重を測ったらなんと59.5kg！今年の2月ころまでは限りなく70キロに近かったのですから，それから10キロ近く体重が落ちたことになります。つまり，20代はじめの体重です。ウエストもその頃に戻ってしまいました。ちなみに，血圧も収縮期血圧が150mmHgあったのに，いつの間にか治って126/82mmHgくらいになってしまいました。すごいぞ，糖質制限！
　ということは，数ヶ月前の私は背中に10キロの荷物を背負ったり，1リットルの牛乳パック10個をいつも手に持って歩いていたのですよ。そりゃあ，血圧も上がりますよね。

【TBS はなまるマーケットで糖質制限ダイエット紹介！】
　この番組を教えてくれた方からのメールです。
　昨日，仕事中にTV番組の内容が耳に入ってきました。断片的ではありますが、「L.A.取材で判明、急激なインスリン上昇を控える....」やったかな?!
　ますます、糖質制限食に注目が集まれるではないか感じました。こんな番組を医療者が視聴しているとは考えにくいので、一般人が身をもって体験し、医療者は無知！という関係になるのでしょうか。
　［一般の人が（勝手に）糖質制限をする］⇒［いつの間にか糖尿病患者もメタボ症候群も高脂血症もなくなる］⇒［糖尿病，高脂血症の専門医が失業する］・・・というのが，国民的には最も幸せなパターンだと思います。

【イー・モバイルから10型フルHDタブレット GT01、華為製4コアCPUと2GB RAM搭載】
　以前から噂のあった「イーモバのタブレット」がベールを脱ぎました。解像度の高さ（1920×1200ドット）と589グラムという軽さが魅力です。「イーモバ2年縛りとセットでほとんどタダ」なんてことになったら売れるだろうな。

【東芝から14型 1792 x 768 画面の21:9 ワイドノート Satellite U840W】
　これって，Vaio P（1600×768ドット）のパクリじゃないっすか？これで，ジーンズのお尻ポケットに入れているコマーシャル映像があったら，Vaio Pと見分けがつかないぞ。

2012/06/06

【15:30】

　糖質制限への反対意見として「脳がエネルギー源にできるのはブドウ糖のみである」ということを挙げる人がいますが，その意見に対し，「そもそも母乳にはグルコースは含まれていないし，糖質も7％弱しか含まれていない。つまり，赤ん坊は低糖質，高脂質，高タンパク食しか摂取していない。しかし，人間の脳はこの時期に最も発達する。グルコースを摂取しない時期に最も脳が発達しているはなぜか」と反論しました。

　最近，いろいろな哺乳類の母乳の成分について調べているのですが，もしかしたら母乳に含まれる乳糖は「赤ん坊の栄養」という意味はほとんどなく，「赤ん坊の腸管内常在菌叢を正常にするためのもの」ではないかと考えるようになりました。要するに，［人間 - 常在菌］共生体としてワンセットで考え，共生体の構成要因である腸管常在菌叢を維持するために必要なのが母乳中の糖質なのです。そう考えると，母乳中に糖質（乳糖）がわずかしか含まれないこと，ブドウ糖でなく乳糖であることも説明できます。
　そして，これをさらに敷衍していくと，乳腺の起源，毛包の期限，汗腺の起源，そしてさらに地球最初の哺乳類の姿に繋がっていくんじゃないかと考えています。

【06:30】

　『インクジェット時代がきた! 』という新書についてのレビューを追加。ここまでインクジェットプリンタが進化しているとは思わなかったです。それと，プリンタ開発の歴史が私のデジタルライフの歴史とそっくり重なってしまうため，「そういえばこの頃，このプリンタを買ったんだったな」とか思い出に耽ってしまいました。

　リストバンドだけど定期券入れなんだよ，というアイデア商品「リストパース milano」を買っちゃいました。実際に使ってみてのアレヤコレヤを書いてみました。

　そういえば，現在の熱傷の現場では熱傷ベッド（エア・フロート・ベッドとか呼んでました）って，今も使っているんでしょうか。私が大学病院にいた頃は，熱傷ベッドは広範囲熱傷の治療に必須でしたが，いまはどうなんでしょうか。このあたりについてご存知の先生，ご教示いただけましたら幸いに存じます。

【科学無視の「トランス脂肪酸批判」に思わぬ弊害】／【科学無視の「トランス脂肪酸批判」に思わぬ弊害（2）】
　科学のことを全く知らない，科学的思考もできない政治家サンたちが絡むとこういうとんでもないことになります。それにしても，福島みずほ先生はこういう問題になるとしたり顔でしゃしゃり出てきますが，どうもろくな結果になってないことが多いような気がします。

【NEC LaVie Zの仕様公開：13.3型1600 x 900、2コア低電圧 Core i7 / i5、999g以下】
　最近続々と「第2世代Ultrabook（UB）」が各社から発表されていますが，私が最も注目し，実物を見たら衝動買いしそうなのがこのNECのUBです。他社のUBと一線を画しているのが1600×900ドットの解像度と，1kgを切る軽さです。しかもCPUはIvy BridgeのCore i 7です。これは絶対に「買い」でしょう・・・というか，買わない理由が見当たりません。

【鳥の登場が昆虫の巨大化を阻止？】
　生物学ヲタク，古生物ヲタクならワクワクしながら読んだと思います。石炭紀（3億年前）は大気中の酸素濃度が高く，ネガネウラなどの巨大昆虫が地上を支配していたのに，ジュラ紀（1億5千万年前）の酸素濃度の上昇の時期に昆虫が巨大化しなかったのはなぜなの，という疑問に明快に答えてくれる研究成果です。

　両者を分けたのは呼吸システムだったと思われます。昆虫の場合，酸素の取り入れと二酸化炭素の排泄は気門で行われ，その基本は「拡散」です。拡散の速度は温度に依存し，ATPの産生量はミトコンドリアが処理できた酸素の量に依存しますから，昆虫ではATPの量は温度（＝分子の拡散速度）に依存します。
　一方，鳥類はその祖先である獣脚類から受け継いだ「気嚢」という優れたガス交換機能を持ち（だから，鳥はヒマラヤ山脈より高く飛べる），しかも，ミトコンドリア外膜は哺乳類のミトコンドリア外膜よりスーパーオキサイドを通しにくいという特性を持っています（このためか，鳥類は一般に同体重の哺乳類よりはるかに長命）。

　この両者がジュラ紀にぶつかったわけです。もちろん，気門で呼吸する昆虫に勝ち目はありません。その結果，中型～大型種は鳥類が制覇し，今日に至ります。
　一方，体のサイズが小さければ，気門でも十分な酸素が取り入れられ，逆に，体温を維持するために大量の食料を必要とする鳥類より，変温動物の昆虫のほうが有利になり，小型種は依然として昆虫の天下です。これは体重10グラム以下の鳥類はハチドリなどに限定されていることからも明らかです。

【若者に投資しない社会は没落する】／【与野党こぞっての消費増税賛成論は本当に「財務省のマインドコントロール」なのか】
　ダイアモンド・オンラインの2つの異なった問題について論じている記事が，奇しくも同じ結論になっています。その結論とは「国も会社も若者に投資しようとしていない。そういう国・会社に未来はない」です。
　労働力が余って失業率が高いのに，スキルを要求される業種（例：介護士，看護師）は慢性人不足です。これは製造現場も同じです。特殊技術と能力を持った「団塊の世代社員」が大量に定年を迎えているのに，その技術や知識が下の世代に伝えられていません。団塊の世代の大量定年退職で人件費が下がるはずなのに，それが若い世代に回ってこないのです。
　そしてこれは，自民党の考える社会保障と民主党の考える社会保障の根本的な相違点です。野田首相が「政治生命をかけて」消費税増税を行うため，自民党案を丸呑みすると，若い世代への投資はさらに減少します。

　医療もそうです。同じ医療資源を費やすなら，死ぬ世代ではなくこれから生きていく世代の医療に使うべきです（⇒【褥瘡治療についての素朴な疑問】）。医療資源は有限だからです。寝たきり老人の医療を手厚くすれば，小児医療を手薄になります。

2012/06/05

【08:30】

　汗疱について，メールをいただきました。
　汗疱について書かれておりましたが私自身の経験がお役に立てばと思いメールさせて頂きました。
　先に結論を申し上げますと、汗疱は「塩分不足」が原因で、塩を摂る事で簡単に改善するのではないかと思っております。

　私自身（現在４４歳）若い頃から手足が荒れやすく、手足が汗疱又は掌蹠膿疱の症状が良く出てました。（病院で診断した事が無いのでどちらかはわかりませんが）
　一度水泡が出始めると手全体の皮が一度全部剥けるまで広がり、全部剥けると一度おさまるのですがしばらくすると又水泡ができ始め皮がむけるを繰り返していました。
　手荒れにはワセリンが良いという事を夏井先生のサイトで知り、風呂上りにワセリンを塗る事でかなり改善ししばらく綺麗な状態が続いていたのですが、この春にいくらワセリンを塗ってもまるで効かない状態になりました。その頃は身体全体の肌の調子が悪く、めったに出来ない顔にもニキビが出来る始末。
　ビオチンや亜鉛を摂取してもまるで改善しなかったのですが、ふと思い出して塩を毎日５ｇ程度摂るようにしたら２～３日ですっかり綺麗になってしまいました。
　数年前気付いた事ですが、実は私はかなりの汗かきで、計算すると夏場は汗＋排泄物＋尿で最低１５ｇ程度塩分を排出していると思われるにもかかわらず、もともと薄味が好みなので食事からは６ｇ程度しか塩分を摂っていないので慢性的塩分不足になっていました。
　私の場合塩分不足になると食欲減退、関節痛、肌荒れ、歯茎が腫れやすくなるなど抵抗力の低下等を感じていましたので、夏場は特に塩をたくさん摂るようにしてましたが、冬場は特に摂取してませんでした。
　今年は涼しい日が続いていた為まだ塩を増量して摂る時期では無いと思っていたのですが、手が荒れだした頃はある理由により毎日２Lくらい汗をかいてまして、完全な塩分不足となっていたのです。

　ネットで汗疱を調べますと、「多汗症」の人が「夏場」に発症する事が多いとの事なので実は汗疱は単なる塩分不足で発症している人が多いのではないかとも考えられます。
　内科や皮膚科の先生方，このアイデアはいかがでしょうか？
　さらに別の方からの「汗疱メール」です。
＜私の症状＞
　手の指の側面と背に、小さなポツポツが現れたり、蚊に刺されたように赤く腫れるところができたりします。指の関節の近くにできると、指を曲げるときに軽い痛みを感じる程度です。不快ですが、病院へ行くほどのことでもないと、あまり触らずに毎年我慢していました。

＜改善法＞
　スクラブ入りの洗顔料で指を念入りに洗う。それだけです。私の場合、一度洗えば、10日ぐらいは汗疱の症状はでないようです。スクラブが入っていれば、洗顔料でもボディスクラブでも何でもよいと思います。ただ、ミント等、しみそうなものが配合されているものは、避けたほうがよいかもしれません。

【06:30】

　「熱傷を湿潤治療している医師」に，山口県周南市の周南市立新南陽市民病院　整形外科／花岡篤哉先生，東京都板橋区の双葉町クリニック／清水園子先生にも加わって頂きました。ありがとうございます。

　昨日，顔面と前腕熱傷の患者さんが受診されましたが，受傷は5月29日で近所の総合病院で治療を受けているそうですが，治療に不安になってネットで調べて湿潤治療を知り，一昨日から自己判断でラップの処置に切り替えたそうです。治療についてもよく勉強され，顔面の熱傷もかなりきれいに上皮化していました。
　こういう患者さんばかりだと医者は楽でいいです。

　昨日取り上げた「糖質ゼロの日本酒」ですが，さらにこんなのもありました。久しぶりに日本酒が飲みたくなりました。
白鶴糖質ゼロ900mlパック
価格：665円（税込、送料別）

【2ケースまで1個口の送料可】白鶴　糖質ゼロ 1.8Lパック　1本　（1ケース=6本入り）
価格：1,099円（税込、送料別）

　数日前，自宅近くの電線に緑色のインコが止まっているのを発見！これがあの有名な（？）ワカケホンセイインコ（漢字では「輪掛本青鸚哥」。詳しくはこちらをどうぞ）だな。新宿に近い場所で見る熱帯原産の鳥は，やはりシュールでした。ちなみに都内ではかなりの数で群生しているようです。

【ASUS Transformer Book発表、合体分離式 Windows 8ノート / タブレット】
　Windows 8対応ノートでもASUSは攻めに攻めてきます。タブレット型に親和性の高いWindows 8ですが，仕事に使うにはキーボードは絶対に必要です。そういうわけで，ASUSお得意の合体ロボ型です。11インチで1キロを切っていたらちょっと欲しいかも。

【ソニー初のUltrabook 「VAIO Tシリーズ」発表、11.6型は11万円前後】
　そういうASUSに比べると，このソニーのウルトラブックは全く魅力に欠けます。液晶の解像度もごく普通。バッテリー駆動時間も平凡なら，重さも1.42kgとウルトラブックとしては重い部類です。
　この程度の機種を出すなら1年前でしょう。昨年の夏ならこの程度のスペックでもそこそこ売れたと思いますが，今年の夏では売れないと思います。

【男のオフィスはバクテリアだらけ】
　なんでまた，こんな意味のない研究をする人がいるんでしょうか。バクテリアの種類が500だろうと600だろうと，どうだっていいじゃないですか。問題は健康に有害な細菌・病原菌がいるかどうかです。有害でも病原菌でもなければ，500種いようと10,000種いようとどうだっていいのです。

【住民投票で村民が「雇用創出より闘牛」、失業率24％のスペイン】
　「スペインっ子は宵越しの銭は持たねぇもんさ。さぁ，祭だ，祭だ！」という声が聞こえてきそうで，少なくともこれで，闘牛士は失業しないですんだようです。問題は，祭りが終わった後だな。

【天安門事件23周年、一部の人権活動家や反政府主義者に外出禁止令】
　得意技は「臭いものに蓋」，「赤信号，みんなで渡れと号令する」・・・ってか。

2012/06/04

【15:30】

　5月中旬から通院されている前胸部～右上腕熱傷の患者さん（39歳男性）がいらっしゃって，今日で治療終了となったんですが，私のサイトを見て糖質制限に興味を持ち，1週間前からプチ糖質制限をしているそうです。ちなみにそれまでは立派なメタボ体型でした。
　そしたら，わずか1週間で1.5kg体重が減り，ズボンのベルトも緩くなったと喜んでいました。そして何より，「体調がよくなり，食後の眠気もなくなり，その反動で夜は爆睡，そして朝はすっきりお目覚め・・・と生まれ変わったようだ」とのことでした。「ヤケドをしてこの病院を受診しなければ，糖質制限にも出会わかったろうし，痩せるなんて一生なかったかもしれませんね」と楽しそうに話しておられました。

【14:00】

　手指の痒い水疱についてこんな工夫の報告をいただきました。
　本日、指の水庖について書かれてましたが、私も１週間に最低１箇所は、指の背、腹、側面のどこかに出ます。そのまま放っておくと、とても痒くて、掻いて、潰れて、広がるとなります。プロペト塗っても、痒さは無くなりません。特に箸で当たる部分だった場合は広がる一方。

　そこで湿潤療法の創面を粘着性の無い物で覆って、テープでずれない様にすれば良いと言う事から、ダイソーで売ってるサージカルテープ(メッシュ不織布)とメンディングテープで対処してます。（ラップは持ち運びしにくいです。）
1. メンディングテープをサージカルテープの幅より、小さくなるように切って粘着面同士を張り合わせる。
2. プロペトを創面に塗る。(注)塗る面が大き過ぎるとサージカルテープが剥がれやすくなります。
3. 1をサージカルテープに張って、1の部分が創面に来るようにして、指に張る。
　たったこれだけですけども、痒さがなくなります。ちゃんとした市販の物でも同じ事ができると思うのですが、この遣り方のほうが安く済むと思います。
　これも「患部を乾燥させない」工夫ですね。「痒みには痒み止め軟膏」しか頭に浮かばない皮膚科医よりは，よほどまともに治療できていると思います。

【08:30】

【グーグル、中国向けサービスで検索ワードに警告】
　世界の暴れん坊将軍国家にして，スネオの財力とジャイアンの腕力を持つ国家，それが中国ですが，その中国にGoogleが敢然と喧嘩を売っています。中国国内で「中国政府的NGワード」をGoogleで検索しようとすると，「その語句は中国政府の検閲対象でシャットアウトされますよ」と親切に教えてくれるのです。すごいぞ，Google！

【07:00】

　下記の「糖質ゼロの日本酒」です。月桂冠という大手が作っていました。どんな味なのか，飲んでみようかな？

【06:30】

　「熱傷を湿潤治療している医師」に，東京都八王子市の仁和会クリニック大和田／古田誠先生にも加わって頂きました。ありがとうございます。

　「外傷を湿潤治療している医師」，「熱傷を湿潤治療している医師」に，東京都文京区のてしま皮膚科・形成外科／手島玲子先生にも加わって頂きました。ありがとうございます。

　先日，こんな問い合わせメールをいただきました。
　指の側面に小さな水疱が出始め、皮膚科を受診したところ汗疱という症状とのこととにかく保湿と炎症を抑えるとうことで、保湿クリームとステロイドを処方されました。その後、弱いステロイドに→水疱の再発→再度強いステロイドへ
　他の皮膚科を受診すると、前の病院より強いステロイドを処方されるだけです。
　このサイトを参考にして、ハンドソープは使用しない、ワセリンの使用方法など実践していますが，汗疱についてはなにかご存知でしょうか。
　それに対し私は，
　私は皮膚科医でないので汗疱については知識はありません。他の皮膚科で治療をしても治らない汗疱患者が受診したら，患部の状態によって試行錯誤で治療法を模索するだけです。それでうまく行けば患者さんと喜ぶし，効果がなければ患者さんに謝るだけです。
と回答しました。何しろ汗疱という病気について全く知らないので，これ以上答えようがありません。それに対し，こんな追申をいただきました。
　水疱が破れた後、そこがカチカチになりひび割れが酷い事になっていました。そこでこのサイトを参考にして、処方された尿素入り保湿剤などを止めて、ワセリンのワックスがけを、行ったところ前より楽になったことを実感しています。
　皮膚科疾患については以前にも書いたことがありますが，汗疱について泥縄的に勉強してみると，果たしてこれを独立疾患として扱うべきなのかも怪しいし，病態の説明自体も怪しげです。治療に使われている尿素軟膏については噴飯物でしょう。
　このメールをお寄せいただいた方が「たまたま治った一人」なのか，「ほとんどの汗疱がこれで良くなる」のかは不明ですが，とりあえず一人治っただけでよしとしましょう。

　ほとんど毎日，コンビニに寄っては糖質オフの缶チュウハイやら糖質オフの第3ビールやらを購入していますが，数日前に見つけたのは「糖質70％オフカシスオレンジ」です。早速買ってみましたが，私にとっては人工甘味料の甘味が強すぎという感じでした。
　それにしても，気がつくとそこら中に「糖質オフ」のお酒や食べ物が出回っていますよね。ローソンでも糖質オフのふすまパンが明日（6月5日）から販売開始とのこと。普通のパンに含まれる糖質を7割カットしているようです。世の中が次第に変化しているようです。

【ヤマハ、iPadと連動して自動で楽譜をめくる電子キーボード】
　ピアノの練習をしていて一番面倒なのが譜めくりですが，ついにその悩みから解放される日がやってくるかも！
　とは言っても，ピアノ楽譜の表示に10インチのiPadは小さ過ぎるのも事実です。ここはやはり実際の楽譜に合わせて，A3サイズの液晶（＝楽譜2ページ表示）で鍵盤と連動して欲しいです。そしてできれば，液晶内蔵のSSDにフリーの楽譜データが既に収録されている，あるいは新たに入れられる仕様にしてくれたら完璧ですね。

　ちなみにこのアイデアは，10年ほど前まで作っていたピアノサイトに「未来のピアノはこうなってほしい」と書いたことです。ようやく時代が追いついてきてくれたようです。

　6月1日のこのコーナーで「糖質オフに挑戦する和食料理人」について教えてくれた先生からの追伸です。
　その料理人の方に聞いたのですが、糖質ゼロの日本酒、糖質７０%オフの日本酒があるそうで、すでにそれらを手に入れて、研究していると言っていました．日本酒も和食には必須で、さすがはプロで、そう言う食材を探してこれるのですね．料理の世界も深いです．

　糖質制限食の話題で、猿は果実を食べるなどと、へりくつをこねる人がいます．それは確かにそうかもしれません．糖質を摂ると眠くなります．
　人間の基本食が糖質だったら、人類はいないでしょう．なぜなら、糖質を食べる→眠くなる→動物に襲われる→死を意味するからです．だから、絶対に糖質が基本とは思えません．
　「サルは果物を食べる。果物には糖質が含まれる。だから人間が糖質を食べるのは当たり前だ」ということで糖質制限を非難する医者がいますが，これは完全に的外れです。間違っている点は「総てのサルが果実食ではない」と言うことと，「果実だから糖質が多いわけではない」というところです。これについては，以前紹介した『親指はなぜ太いのか』がとても参考になります。

　例えば，原猿類は体重によってメインの食物が変わります。体重100グラム以下なら昆虫食，100～600グラムでは昆虫＋果実，あるいは樹皮，1キロを超えると葉やカタツムリ，アリがメインとなります。
　ニホンザルは体重10キロくらいで果実や新芽などを中心に様々なものを食べますが，食物としては米粒大のサイズのものを好み，両手で器用に摘んで食べています。
　チンパンジーは体重30～60キロと人間に近く，ブホノという果実を好んで食べていますが，実はこの果肉は酸っぱくて甘くないようです。そして，食べている食物の種類は昆虫や卵、死肉など数百種類に及び，果実のみを食べているわけではありません。
　オランウータンはオスの体重は60～90キロ，メスは50キロ前後ですが，主な食料は樹皮です。
　そして，ゴリラの主食はツル草の皮です。オランウータンもゴリラも果実は食べません。

　果実を主食にするためには体重が重いと不利になります。果実は一般に枝の先になりますが，そこに到達できるのは体重の軽いサルだけです。体重が重いと枝が折れてしまうので当たり前です。チンパンジーが好むブホノの実も，チンパンジーの体重で登れるところに生っているからチンパンジーが食べられるのかもしれません。
　少なくとも，初期人類は「身長140センチ，体重50キロ前後」とチンパンジーより大型ですし，木登りに適した手や足の形をしていないため，果実食がメインとは考えにくいです。ちなみにチンパンジーは木登りが下手で，樹の幹に巻きついたツルに指をひっかけて登りますが，このため指のPIP関節，DIP関節は常に屈曲した形をしています。
　また，「甘い果実（＝糖質が多い）」は人間が栽培して品種改良したものがほとんどで，原種の実はサイズも小さく，甘くないものが多いようです。
　もちろん，原種でも果肉が甘い種類の果実はありますが，それは例外なく硬い殻に包まれた石果であり，それ専用の鋭く長い牙を持った動物にしか食べられず，これまた人間の食料にはなりません。

　『一週間はなぜ7日になったのか』・・・というタイトルの本を書店で見つけたら，とりあえず買っちゃいますよね。私もすぐに買いました。この問題についてどう考察を組み立てるのか，ちょっと楽しみです。

【小沢氏へ「最後通告」＝自民との協調に軸足－野田首相】
　野田首相の話を何度聞いても理解できないのは，なぜこの時期に消費税増税なのか，ということだ。なぜ，今年8月でも10月でもなく6月初旬に消費税を上げなければいけないのか，他のあらゆる問題をほっぽり出してまで緊急に決めないといけないことなのだ，という説明が全くない。
　それだったら，「いまやるべきことは他にある。それらが達成できてから消費税を上げればいい」という小沢さんの主張のほうが，まともじゃないかと思う。
　ちなみに，日本に二大政党制を定着させて健全な政権交代を実現しよう，そのためには小選挙区制が必要だ，と奔走したのが自民党時代の小沢さんである。そして，中選挙区から小選挙区に選挙制度を修正し，その結果，小沢さんの目論見通りに二大政党制は実現したが，現在の民主党と自民党の姿は，果たして自民党時代の小沢一郎が思い描いたものだったのだろうか？何やら，痛烈な歴史のアイロニーを感じてしまう。

【耳の不自由な2歳児が初めて聴くママの声に驚き、そして…】
　これぞ「素晴らしい手術・価値ある手術」です。生まれて初めて母親の声を聞いた子供の表情に，感動で目がウルウルしてきます。

2012/06/01

【17:00】

　中国の上海で湿潤治療，熱傷治療をされている林先生が同じ上海市内のパークウェイヘルス名都城メディカルセンターに異動されました。

【15:00】

　いつもの岡田先生から，和食絡みでこんなメールもいただきました。
　確かに和食はとんと行かなくなりました。たいていの料理に砂糖が使ってあるというのがその理由です。
　うちで煮物を料理するときは甘味料は粉末のラカントSを使用しています。液体のラカントSは苦くなるようです。パルスイートでもよさそうですが、ラカントSの方がコクが出るそうです。
　糖質制限和食が出来たらぜひ食べに行きたいです。

【14:30】

　下記の心臓外科の先生からの追加情報です。
　料理人と話したのは、「最近は糖尿病やらメタボやらでせっかく作った食事を残す人が増えている」と言う事からでした．料理をする人にとって、一番嬉しいのは、作った料理を全て平らげてくれることでそれが、残されると悲しいと言っていたので、そこから、話が始まりました．
　もともと美味しい和食屋さんではやっているのですが、料理を残されるのは本当に辛いと愚痴が始まり、、．そこからでした．
　一ヶ月くらい研究して料理を創作すると言っていました．問題は甘みをどうするかだそうです．白砂糖を料理には結構使うので、それが、問題だそうです．
　まさに料理人の鑑，職人魂ですね。砂糖なしに和食が作れるのかという壮大な挑戦の始まりです。

【10:30】

　以前からメールのやりとりをしている心臓外科の先生からのメールです。
　『理系の子―高校生科学オリンピックの青春』：この本は本当に面白いです。読み返しても、何度も感動します。

　『大村智 - ２億人を病魔から守った化学者』：微生物が産生する有用な化学物質の発見者であり、ノーベル賞に最も近い研究者の一人。山梨大学を出て夜間高校の教諭から始まる数奇な人生を描く本です。オンコセルカ症に苦しむ２億人を、大村さんが見つけた抗生物質で救った科学者。。因みにこの抗生物質は1年に一回の投与で効くのだそうです。一年に一回とは。
　こんな人がいるなんて知りませんでした。とても面白かったです。山中先生は凄いですが、まだ、誰も救っていません。しかし、大村先生が創薬した薬はすでに2億人を救い、他に彼が見つけた物質は、色々な研究に役立ち、その中にはすでにノーベル賞をもらった研究があります。この方の生涯を知るだけで読む価値があります。読んでいて、わらしべ長者の様な話しでした。面白かったです。良ければ読んで下さい。

　糖質制限ですが、行きつけの料理屋さんに話したら、とても興味を持たれて、今度そう言うメニューを出すことにして、研究すると言っていました。元、大阪吉兆で修行されていた方で、本当におもしろがっていました。和食料理屋さんですので、否定されると思っていたら、とても興味を持たれ、何が何でも美味しい糖質制限和食を作ってみると言っていました。次に行ったら、江部先生本を読んで研究していました。色々と先生のお蔭で世界が広がります。プロの和食料理人がどういう料理を作るのか、興味津々です。

【08:30】

　昨日朝のNHK「まちかど情報室」で紹介されていた［カードや小銭を入れられるリストバンド］が面白そうだったので取り寄せて見ることにしました。地下鉄の定期入れに便利かな，ってね。
4/6WBS『トレたま』で紹介された腕財布！待ってました！初上陸！タウンユースにもスポーツシー...
価格：2,300円（税込、送料別）

【06:30】

　数日前，厚生労働省関連のある研究機関から「次世代医療機器の開発の方向性を決める上で，創傷治癒と創感染について教えて欲しい」と連絡があり，昨日夕方，病院の外来で面談しました。創傷治癒や最新の細菌学について説明させて頂きましたが，「これほど今までの常識が否定されているとは思っていなかったです」とちょっと驚かれたようでした。
　昨年の経済産業省がらみの委員会といい，今回といい，中央省庁と一番遠いところ（距離的にも内容的にも）で仕事をしてきた人間としては，「これって自分が答えていいことなんだろうか」と戸惑い気味です。

　タイトルだけを見ると，あの《トレマーズ》の続編かと思っちゃいますが，実は縁もゆかりもないおフランス製のクズ映画だったのが《トレマーズ・ライジング》です。最後まで見るには忍耐力が必要な映画です。

【深海生物が潜水艇に運ばれて外来種に？】
　深海潜水艇アルビン号はこれまで数々の深海底の謎を解明し，数えきれないほどの新種の生物を発見してきたことで有名ですが，なんとそのアルビン号自体が生態系の破壊の元凶になるかも，という記事です。外来種による生態系破壊の恐ろしさを誰よりも知っていたはずの研究チームがヘマしちゃいました。
　しかも，今回問題になっている深海底の熱水噴出孔は非常に独立性の高い閉鎖的環境ですから，その影響は小さくないはずです。

　昨日，このコーナーで書いた「原発再稼働問題」についての駄文について，火力発電の技術者の方からこんなメールをいただきました。
　原発の再稼動は夏井様の仰るとおりです。元来、頻繁な起動停止を想定した設計ではないので、タービン・蒸気発生器などの機器や燃料集合体の熱疲労やエネルギーロスの観点からは、期間限定の運転よりも2年位連続運転する方が安全で効率的なのです。大型の火力発電所も頻繁な起動停止を行うと至る所に傷みが出ます。それにしても、原発の期間限定運転や停電テロのような明らかな不合理を平気で口走る自称「専門家」は言語道断ですが、それを無定見に持ち上げるマスコミのレベルの低さには呆れ返ります。

　様々な要素を総合的に判断する事が必要だという至極当然な意見も、強迫的なゼロリスクの罵声にかき消されてしまいます。政府がちゃんと情報発信をしていれば、こんな事にはならなかった筈です。そういう中、里見清一さんは新潮45の6月号で、高知に34mの津波が来る可能性はあるかもしれないが20mの防波堤にも意味はあるという趣旨の事を仰ってました。今こそ必要な考え方だと思います。

【一触即発のアジア領海問題　引き金を引くのはウロチョロする中国漁民】
　中国側の事情が非常によくわかる記事です。中国近海での乱獲による漁獲量激減と渤海の原油流出事故が重なり，遠くの海に行かざるをえない事情とか，もともと自分たちの海だったという意識とか，いろいろな問題が絡んでいるようです。
　ただ，中国近海で無計画に魚を獲り尽くして魚のいない海にしたように，南沙諸島やスカボロー礁でも無計画に魚を取れば，やがてその漁場も荒廃して魚がいなくなる，と言うことに気がついていません。つまり，中国に欠けているのは漁業における長期的ビジョン，持続可能な漁業をどう構築するかというビジョンです。
　今の中国に本当に必要なのは「沿岸で魚を育てて増やし，それを食料にする」という発想です。近くで魚が獲れなくなれば遠くに行けばいい，という発想から脱却することです。

　ちなみに，中国は大陸面積の割に海岸線が短く，しかも海岸線が単調です。このため伝統的に，海より川や湖に親しんできたようです。だから，中華料理は淡水魚がメインであり，海水魚の料理は非常に少ないという特徴を持っているのだそうです。


5月17日	5月22日


5月26日	5月31日


6月5日	6月12日