2歳9ヶ月男。韓国在住。
 2018年8月25日,ガスレンジでお湯を沸かしていて子どもが扉を開けようとしてレンジごと倒れ(引っ越したばかりでしっかり備え付けられていなかったようだ),左上肢,左下肢などに熱傷受傷。ソウル市の〇〇大学附属病院に救急搬送され,処置後,熱傷専門病院に転送されて入院となった。4週間後に退院したが,いつまでも傷が治らないため,ネットで検索。
 一時帰国した際,当院を受診。過去の3度熱傷の治療症例の経過写真を見せて,今後の見通しについて説明。創部はズイコウパッドで被覆。肘と膝関節を用手的に伸ばすように指導し,ズイコウパッドの購入方法も説明。
 写真は左上腕,左大腿。

2018年11月21日

2019年3月2日:101日後

10月11日:324日後

12月20日:394日後
膝は完全に進展でき,普通に走り回っている。上肢も運動障害なし。
韓国の友人からは「日本はものすごい治療をしていて羨ましい」と言われたそうだ。

2022年7月23日:1340日後
2年半ぶりに日本に帰国。
左上腕に全周性の瘢痕拘縮があり、
肘を曲げるとちょっと苦しいとのことだった。
左大腿に運動障害なし。

2023年7月22日:1704日後
上腕は全周性の瘢痕拘縮。韓国の熱傷専門病院を複数受診したが、
いずれも皮膚移植での手術しか治療法はないと説明。
Z形成で簡単に治療可能な状態だが、この症例で説明したように
韓国でも日本でもZ形成のような伝統的手術ができる形成外科医が
一人もいないのが現状であるようだ。
この患者さんは10歳ころになったら局麻手術ができるかな?


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