1歳0ヶ月男。
2016年8月6日,父親が料理していたフライパンをひっくり返し,油がかかり背部熱傷。〇〇病院に救急搬送されて形成外科入院となり,軟膏で治療。家族がネットで調べて当科に紹介状をかいてもらった。
8月8日,当科受診。シーラーで連結したズイコウパッドで創部被覆。
受傷前日の8月5日から発熱があり,8月9日,高熱が続いたため小児科紹介。川崎病の疑いで小児総合医療センターへ転院となり,川崎病の治療を開始。入院中は当科見学に来たことのある玉田先生がモイスキンパッドで湿潤治療を継続。8月24日,退院。8月25日にとうかを受診し,ズイコウパッドでの治療を継続。
12月より過剰肉芽に対し,リンデロンVG軟膏を併用。
8月8日 | 8月9日 | 8月25日 |
8月31日:23日後 | 9月8日:31日後 | 9月20日:43日後 |
10月3日:56日後 | 10月18日:71日後 | 11月8日:92日後 |
12月13日:127日後 | 12月28日:142日後 | 2017年1月18日:163日後 |
2月21日:197日後 | 3月31日:235日後 | 4月25日:260日後 |
以前にも,川崎病を合併した熱傷症例を紹介したが,高熱とともに創面は一気に深くなり,3度熱傷に移行した。変化は創面にだけ見られ,健常皮膚に変化(発赤など)は認められなかった。今回の症例も8月9日に臀部の層が一気に深くなったことがわかる。
なぜ,川崎病(あるいは高熱)で熱傷創が深くなるのかは不明。
【アドレス:http://www.wound-treatment.jp/next/case/hikari/case/2412/index.htm】