1歳5ヶ月女児。千葉県在住。
 11月14日午後,マグカップの熱いお茶で下顎部〜前胸部,左上腕に熱傷受傷する。直ちに,自宅近くの●●病院皮膚科を受診して治療を受けたが,この先どうなるかわからない,という医師の説明に両親が不安になり,ネットで調べて翌日,当科を受診。
 プラスモイスト(R)で創部を被覆して,翌日も受診してもらった。
 16日午前中は特に異常はなかったが,その日の夜から突然高熱を出し,17日に当院小児科入院となった。入院後,川崎病であることが判明し,川崎病の治療を行いつつ,熱傷治療を行ったが,川崎病発症と同時に熱傷創面は一気に壊死して3度熱傷の状態になり,上皮化に2ヶ月以上を要し,軽度の肥厚性瘢痕が発生し,ドレニゾンテープで治療中。

【下顎部〜前胸部】

2012年11月15日 11月15日 11月19日

11月20日 11月26日 11月30日

12月21日 2013年1月18日 2月14日

【左上腕】

11月16日 11月22日 11月29日


 乳幼児の熱傷で急に発熱する患者はそれほど珍しくないが,その多くは突発性発疹やウイルス感染症によるものであり,この症例のように川崎病の合併は,私はこの症例以外は1例しか経験したことがない。

 この症例では,川崎病の高熱とともに創面が数日で壊死したが,これが川崎病によるものかどうかは不明である。これ以前の症例はかなり前のため,創面の変化の記憶もデータもない。

【アドレス:http://www.wound-treatment.jp/next/case/hikari/case/143/index.htm】

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