紙オムツを使った超安上がりなクッションの作り方


 紙オムツの中身のポリマーを利用した超安上がりなクッションの作り方です。以前,外来を見学に来た看護師さんが教えてくれたものです。

右が取り出したポリマー それをビニール袋に入れる

水道水を入れる 膨らむポリマー 空気を抜いて口を固く縛る

もう一枚ビニール袋を重ねて口を縛る ペット用シーツで包む
22×12×3センチくらいになる


 Tipsです。

  1. 1枚の尿取りパッドの1/3を使うと上記の22×12,厚さ3センチくらいになります。
  2. 当科外来では手術の際に踵〜アキレス腱を乗せたりするのに使っていますが,1年使っても破れなかったです。
  3. ポリマーはかなり水を吸うので(さすがはポリマー!),「ちょっと水が多いかな?」くらいでいいようです。水の量についてはいろいろ試してみて下さい。
  4. ビニール袋を縛る前にしっかりと空気を抜くのがコツです。
  5. 万一破れても大丈夫なようにペット用シーツで覆っています。破れたとしても水そのものが入っているわけでないので,びしょ濡れになることはないと思いますが,車椅子のクッションとして使う場合は自己責任でお願いします。


 さらに,こんなメールも頂きました。

おむつポリマークッションを電子レンジで暖めると再使用可能なカイロになります。
湯たんぽなら1時間以内で冷めてきますが、おむつポリマーなら3時間くらい温かいですし、大きさも形も自由に作れて体にフィットさせやすい、電子レンジですぐに使える、などの利点が多かったです。

 ちなみに,この「おむつポリマー・クッション」を冷蔵庫で冷やすと保冷剤として使え,もちろん,再使用可能です。

 そういえば,以前Daily Portal Zでおむつポリマーを入浴剤として使うという実験があり,ものすごい保温力だったそうです。ちなみに,Daily Portalのライター佐倉さんは「ポリマーがこれほど水分を保持するなら水耕栽培に使えるのではないか」と考え,追加実験をしていますが,こちらの方は失敗したそうです。要するに「水を保持する能力」=「保持した水を他に与える能力」ではないという当たり前の結果になっています。
 これはつまり,尿素がいくら水分を保持しているとしても(尿素1分子あたり4分子くらいの水分子と水素結合するらしい),水分を保持した尿素が皮膚に水を与えるわけではない,というのと同じです。金持ちと慈善家がイコールでないようなものですね。


 ⇒紙オムツのポリマーを利用した胃瘻,下部消化管瘻孔,人工肛門部の創離開の治療

(2011/01/11)

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