高圧ジェット洗浄装置による両手裂傷


 症例:21歳男性。高圧ジェット洗浄装置(ウォータージェット)で作業中に両手に高圧の洗浄水があたり,多発裂傷を受傷。直ちに当科に救急搬送された。左手掌,右小指球,右母指に裂傷を認め,特に右小指球部の裂創は筋層内に達していた。
 当科では手の表面の汚れを拭いて落とす程度とし,縫合は行わず,出血もほぼ止まっていたためプラスモイストで覆うのみとし,1日1回のドレッシング交換を行った。抗生剤の点滴投与は行ったが,創内の洗浄は行なっていない。
 全経過を通じて,創感染は起きていない。また,手指の動きは正常であり,11月初旬に元の仕事に復帰した。

 この程度の手の裂創なら,何もわざわざ縫合しなくてもきれいに治ることがわかる。特に左手掌の裂傷(脂肪に達する)は1週間後にはきれいに治癒しており,縫合した場合(通常は7日目ころに抜糸する)と治療期間に差がないことがわかる。

10月18日 10月18日 10月18日

10月19日 10月19日 10月19日

10月26日 10月26日 10月26日

11月1日 11月1日 11月1日

11月5日 11月5日 11月5日

(2013/02/12)

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