1歳5ヶ月F
2023年3月25日、沸騰式加湿器を倒して熱湯で胸腹部、両下肢などに熱傷受傷。〇〇大学病院に救急搬送されてICU入院となり、4月5日、頭部から採皮して左腹部、右下腿に皮膚移植が行われた。5月12日に退院となり、ゲンタシン軟膏、ヒルドイドソフト®、プレドニン軟膏が処方された。術前、頭皮は禿になることはないと説明され、退院時にも髪の毛が生えてくると説明されたが、採皮から1ヶ月半が経つのに頭髪が生えてこないため不安になり、初めてスマホでネット検索。初めて湿潤治療について知った。
5月15日、当院を受診。左腹部と右下腿に小範囲の網状皮膚移植が行われ、左後頭部の一部は全層皮膚欠損の状態と思われ、頭髪が生えてくる気配もなかった。両親に「皮膚移植しなくても熱傷は治療でき、頭部の採皮部は皮膚を厚く取りすぎたためにおそらく全てが疎毛~禿髪状態になり、毛が生えてくる確率はほぼゼロだろう」と説明。両親は「大学病院だと思って安心してしまって馬鹿だった。手術前にもっと詳しく説明を受けるべきだった」と泣きながら帰宅された。
採皮部の面積と移植皮膚の面積を見比べてほしい。どう見ても採皮面積に対して移植皮膚が小さすぎるように見えないだろうか? もちろんこれには理由がある。どなたか、理由がわかりますか? その理由こそが「小児の頭部からの分層皮膚採皮」の最大の問題であり、これは原理的に解決不能の問題である。
つまりこの手術法は欠陥だらけのダメ手術法なのだ。
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