10歳,男児。
 9月18日夜,帰宅途中で他の人が連れて歩いていた中型犬に右腕を噛まれた。直ちに当院救急外来を受診。抗生剤を処方され,創部を洗浄してガーゼを当てた。
 翌日,当科受診したが,痛みがひどく創部に著明な発赤を認めたため,局所麻酔下にループ状ナイロン糸ドレナージを行った。翌日,痛みはなくなり,発赤も消退した。それ以降はプラスモイスト(R)で創部を被覆した。内服抗生剤の投与は2日間のみ。

9月19日
ループ状ナイロン糸ドレナージ

 当直医(他院からの当直アルバイト)の処置(十分な洗浄,抗生剤投与)は感染予防になっていないことがよく分かる。同時に「抗生物質の予防的投与」は創感染を予防しないことも明らかだ。
 創感染の予防とは抗生剤を投与することでなく,感染源の除去でなければいけない。

【アドレス:http://www.wound-treatment.jp/next/case/tokyo/case/0085/index.htm】

左側にフレームが表示されない場合は,ここをクリックしてください