帯状疱疹の治療例


 患者は80代女性。3月10日より背部に発疹ができて腹部にまで広がってきて,痛みが強くなったため,3月11日,当科受診。
 左下背部から左側腹部にかけての後半の水疱形成を認めた。

 直ちに水疱膜を除去し,プラスモイストで患部を被覆し,内科に紹介。帯状疱疹の診断でバルトレックス錠内服となった。


3月11日:初診時の状態 拡大写真 水疱膜を可及的に除去し
プラスモイストで被覆した。
被覆後,痛みは多少よくなったとのこと。


3月18日:ほぼ上皮化している 3月25日


 正直に白状すると,初診時には帯状疱疹とは考えていませんでした。患者さんが「腰痛でシップを張ったら,そのところが腫れてきた」と言っていたからです。翌日になってからようやく,これは帯状疱疹かも,と思いつきました。ここらの経過はちょっと恥ずかしいです。

 プラスモイストを貼付しただけでも痛みは多少楽になったようですから,内服薬治療とともに患部の乾燥を防ぐことは有効と思われます。少なくとも,昔ながらの軟膏ガーゼよりはましでしょう。

 要するに,帯状疱疹を次の二つの要素に分け,それぞれに対する治療を同時進行させればいいわけです。

  1. ウイルスによる末梢神経に対する作用 ⇒抗ウイルス薬投与
  2. 水疱(=表皮内水疱)が破れるとその下は表皮欠損創 ⇒プラスモイストによる被覆

(2009/04/13)

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