強皮症の指尖部難治性潰瘍にシルデナフィルが著効


 ある先生から「強皮症の指尖部難治性潰瘍でプロスタグランディン投与でも効果がなかった症例に,バイアグラで有名になったシルデナフィルを投与したら良くなった」という報告をいただきました。露出した指節骨を削り,プロスタグランディンを投与し,湿潤環境を維持したのに症状が悪化した症例に対し使用してみたとのことです。

 以下,その先生からのメールです。


 バイアグラそのものは使いません。ファイザーのレバチオ錠、使ってます。レバチオの場合、一回20mgで一日三回投与、病名として「肺高血圧症」が必要です。バイアグラとして投与する場合より、ちょっと多い量になるようです。
http://products.pfizer.co.jp/index.php?src=700&func=888&srchL=rvt
 ちなみに、海外の文献をみていると、トラクリア(ボセンタン水和物、エンドセリン受容体拮抗薬)との併用としての文献が多いのですが、私のほうは、まだレバチオだけ投与してます。文献でみているかぎり、露出した骨があっても、骨切しなくても、骨にそって肉芽があがってくるような写真が出てましたよ。流石に驚きました。

 メーカーさんとも話していたのですが、肺高血圧の治療目的で、トラクリアと共に採用している病院は多いようです。ちなみにシルデナフィルは日本新薬からも発売されています(タダラフィル, 商品名:アドシルカ錠20mg)。

 園畑法でブロックしておいて、適当にデブリし不良肉芽を落としつつ内服開始でいいんじゃないかと思います。さほど出血するわけでもなく(何せ循環の悪い組織ですから)、内服させつつデブリしても全然大丈夫でした。ワーファリンも内服していましたけど。あとは、ワセリン+ラップでドレッシングしつつ上皮化を待てばよいと思います。不良肉芽は自己融解してくる感じでした。一応不良肉芽があっても、盛り上がってくる肉芽で押し出されるようなイメージでした。
 まだ、治療中でして、どうなるかは、なんともわからないのですが、感触は良いです。

(2010/02/01)

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