Chopin/Gowosky : Etude Op.10-3

 ご存知、『別れの曲」の左手バージョン。原曲はホ長調だが、ゴドフスキーは変ニ長調に変えているが、原曲に慣れている人ほど、響きの違いに違和感を感じるかもしれない。

 難曲揃いのゴドフスキー「ショパンエチュード左手版」の中では最もとっつきやすく演奏が容易な1曲であろう。楽譜を見ると多声部同時進行するためゴドフスキーに慣れていない人は「どうやって弾くんだろう」と混乱するが、実際に弾いてみると無理な指使いの部分は少なく、テンポがもともと緩やかなこともあり実はそれほど難しくないと思う。しかも、響きの厚さは「両手演奏」と遜色なく、予備知識なく聞いた人は驚くはずだ。
 また、メロディーが上声部だけでなく中声部に移るところもあるので、メロディーをくっきりと歌わせるのには細心の注意が必要だろう。


 24小節目、28小節目の半音階和声で刻々と内声部の表情が変化するさまは実に美しい。

 38小節目からは原曲では両手5度の減七和音が連続するが、

 ゴドフスキーは和声も音型もすべて変えている。1音ごとに和声が変化することもあり、指の動きをすべて覚えるのはちょっと大変。


 この曲の唯一の技術的難所が58小節目、59小節目の中声部の3連符だろう。片手での上声部の2連符の主旋律と内声部3連符の同時演奏はもともと難しい演奏技術だが、ここでは3声部となっていて指の動きも複雑なため、完全な弾き分けにはかなりの技術が必要。頑張って練習するしかないが、ここさえできればあとは楽勝だ。


 ゴドフスキー・バージョンの最大の問題点は上記の部分の直前にあるカデンツァ風の部分の処理だろう。譜例を示すがショパンの「別れの曲」で唯一のテクニカルな見せ場とも言える嵐のような派手な部分である。

 この「技術的な見せ場」をゴドフスキーはなぜか平穏無事な和音の連続に置き換えているが、原曲を知っているピアノ弾きにとってはやはりちょっと物足りない感じがするのは否めないだろう。ちなみに原曲のこの部分は減七の和音が連続するだけなので、左手用に編曲するのは容易である(音符を3度下に移すだけなので)


 もしも、Chopin/Gowoskyの「左手のエチュード」に挑戦してみたいという奇特な方がいらっしゃったら、まず最初に取り組むならこの曲で決まりだろう。この曲が弾けないようでは、その他の曲を弾くのはまず不可能である。

 ちなみに、変ニ長調でなく元のホ長調に戻して弾いてみたことがあるが、難易度はそれほど変わらないようだ。


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