《マインドハンター》 (2005年,アメリカ)


 あまり知られていない映画ですが,見た人はほとんど皆絶賛するという,いわゆる隠れた傑作です。プロファイラー(心理分析官)の卵たちのプロファイリングも面白いし,連続殺人物としてもそれぞれの殺し方(殺され方)が結構凝っています。また,最後の最後まで本当の犯人は分からなくてハラハラが続くし,最後の最後で明かされる犯人の動機と謎解きもこれなら納得できます。おまけに,最後の方で登場(?)するつり下げられた死体も結構エグイです。

 というわけで,サイコスリラー物としても謎解き物としても,並以上の出来ですし,何より,話のテンポがいいです。最後の水中での銃撃戦で弾道が見えるところとか,「苦しくなって顔を水から上げたら負け」というシーンもよく考えたな,と思います。

 スリリングで先の読めない展開で,おまけに緻密でしかも面白い映画はない? という人にはお勧めです。


 FBIのプロファイラーを目指す7人の訓練生がいて,彼らの教官は最終試験の場として,軍が使っている無人島(ノースカロライナ沖にある)を選びます。彼はこの施設を1週間だけ借り,その島にはこの7人と,アドバイザーとして参加したフィラデルフィア市警殺人課の刑事が残され,教官は「明日の朝,一つの事件が起こるが,証拠などから犯人のプロファイリングをすること。1週間後に迎えに来る」といい残し,8人は島に残されます。

 そして,予告された事件が起き,そこに残された手がかりで捜査をしていきますが,なんとその最中に,一人の訓練生が本当に殺されます。試験であり頭脳ゲームだとばかり思っていたのに,本当の殺人事件が起きてしまったのです。

 その島にいるのは残された8人だけです。犯人がいるとしたら8人の誰かです。ここから8人のプロファイラーの卵たちの心理戦が始まります。お互いに疑心暗鬼になり,あいつが犯人じゃないか,いや,おまえこそ怪しいと,衝突寸前にまで追いつめられます。

 そしてさらに,一人,また一人と殺され,そのたびに犯人は,「○時にまた一人殺す」というメッセージを残していきます。プロファイラーの卵たちをあざ笑うかのように,手玉に取るように罠にかけては殺していきます。


 というわけで,どこで誰がどの順番でどのように殺されるのか,見ている方には全く予測不可能。主役かなと思った有名俳優2人があっさりと死んでしまったり,こいつは犯人じゃないよね,と思っていたやつが途中で怪しげな行動をとったり(その理由はきちんと説明されていますが),真面目に見ると結構疲れますね。もちろん,心地よい疲れです。

 7人の卵たちはまだプロのプロファイラーじゃないし,順に殺されてしまうために,疑心暗鬼になって冷静になれないのはしょうがないでしょう。しかし,肝心のプロファイリングで犯人を突き止めるという要素が弱かったのは,この手の映画としては物足りないという感じだったのがちょっと残念かな?

 このあたりをしっかり作っていれば,大傑作になったのではないかと思います。

(2007/05/28)

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