55歳男。10代でIgA腎症の診断を受け,2019年に腎不全のために腹膜透析開始。
腹膜透析で腹膜炎と腹腔内膿瘍を起こし,2020年12月7日に〇〇大学病院腎臓内科に入院。数日後,多臓器不全を起こしてICU入院となったが,全ての手指と足趾に循環不全が生じ,指尖部が壊死した。同院形成外科で全ての手指と足趾の切断が必要と説明されたが,妻が切断以外の方法がないかとネット検索。当院への紹介状を書いてもらった。
4月16日,当院を受診。同様の手指壊死の症例の経過写真を供覧し,湿潤療法で自然脱落させる方法について説明。ズイコウパッドで患部を被覆。その後,壊死部分が融解してきたため,プラスチック手袋での被覆,その後はプラスモイスト ハイドロコロイド包帯 アドバンスで被覆した。8月11日にはほぼすべての壊死組織が融解して脱落した。
9月13日,意識を消失して〇〇大学入院となり,カテーテル感染による敗血症とのこと。その後の経過は不明。