62歳女。神奈川県南東部
 2019年11月5日,左足底の黒いホクロを〇〇病院皮膚科で切除。術後,病理検査で「メラノーマの手前の状態」だったと説明され,12月2日に拡大切除+人工真皮移植+鼠径リンパ節生検が行われた。病理検査では異常なしとのことだった。その後,連日のように通院し,「石鹸洗浄+ゲンタシン軟膏+ガーゼ」で処置を受けたが,日毎に痛みがひどくなり,足をついて歩いてはいけないと指導されたため,松葉杖を使って歩行。鎮痛剤を毎日飲んでいるが全く効かなかった。12月16日,「皮膚移植(土踏まずから全層植皮,恵皮部には同側大腿から分層植皮)の説明を受けたが,知人が湿潤療法なら皮膚移植しないでも治っていることを教えてくれた。
 12月21日,当院を受診。左踵全体の皮膚が切除され,6×4cmの全層皮膚欠損の状態だった。ズイコウパッドでの処置方法を指導。12月27日には痛みは全くなくなり,鎮痛剤内服を中止。踵をついて歩けるようになり,その後,松葉杖の使用も中止。

2019年12月21日 12月27日 2020年1月7日

1月25日
35日後
2月8日
49日後
過剰肉芽にリンデロン軟膏使用
2月15日
56日後

2月29日
70日後
3月14日
84日後
4月11日
112日後

5月9日
140日後
7月4日
196日後
7月4日
再生した皮膚は柔軟

 再生した踵の皮膚の知覚は全く正常。8月まではズイコウパッドで保護していたが,その後はワセリン塗布のみで特に保護は行っていない。ハイヒールを履いて歩いているが問題は生じていない。

9月12日
266日後
11月7日
322日後
2021年1月16日
392日後

3月13日
448日後



 「足底皮膚前欠損」アンケートの結果です。

  1.  権威の言うことは正しいと無条件に信じるのではなく、何事も自分の頭で考えてみることが大事だと思います。

  2.  きれいに治っていると思います。その医師を信頼している人ほど悲劇が起こりそうですね・・

  3.  素晴らしいしか言えません。

  4.  私の想像を超える治癒症例です。学会発表を是非してください。youtubeにもアップしてください。本当にすごい症例です。

  5.  これだけのこと(手術しなくても皮膚全欠損が治ること)がちょっと検索すれば出てくるのに、有意義な情報は専門的な人たちの間にしかない、教科書にしかないと思っている医師が多いことが情けないと思います。少数派ではあっても、患者にとってより安全で楽な治療があることがwebで知らしめることができる世の中がありたいと思います。もちろんweb情報はピンからキリまでですが、医師の持っている価値観や情報もピンからキリまでなのは同じだと思います。

  6.  湿潤療法を経験した事のある者なら、皮膚移植せずに治る事は一目瞭然です。正しい「なつい式湿潤療法」が早く世界中に広まるようにしなければなりません。今日も世界中で、無意味で悲惨な皮膚移植が行われています。可愛い可愛い子供達にも。微力ながら、正しい「なつい式湿潤療法」が広まるように、努力いたします。

  7.  (1)初動に誤りがある。メラノーマについてリンパ節生検を先にしていれば拡大切除をする必要がなかったはず。(2)拡大切除皮膚移植の後の対応については、医師の知識不足と思う。だれでも自分の知っている範囲でしか処置できないが、その知識の中に別パラダイムが存在するという知がなかった。(3)患者が夏井さんに信頼をおいてくれたのが感じられる。
    【夏井コメント】
    前医での「メラノーマの手前の状態」からしてなんか嘘くさいんですよ。病理医が検体を診て「メラノーマじゃないけどメラノーマになる手前の状態」と診断することってあるんでしょうか? メラノーマならメラノーマ,メラノーマでなければメラノーマでないわけで,その病理医が診断できなければ先輩医師とか大学の教授に診てもらい,診断をつけるはずです。「メラノーマじゃないけどメラノーマ手前の状態」なんてふざけた病理検査をしてもらっては外科医としては困るんですよ。メラノーマかそうでないかで手術の方針が全く異なりますから。
    勘ぐれば,「皮膚悪性腫瘍にしてしまえば皮膚悪性腫瘍切除術と皮膚移植の両方が保険請求できるな」と思いついたので,「メラノーマの手前の状態」と説明して・・・。

  8.  人間の体って、すごいなぁと感動します。ただ、魔法みたいに1カ月やそこらで元通り…とはさすがに行きませんよね。気長に根気強く。途中で治らないじゃないか!と投げ出してしまう人もいるのだろうか?

  9.  情報量・知識、あるいはそれらをキャッチできる力、これら諸々の差で結果が変わっていくを痛感します。自分も豚皮揚げの片付け中に高温の油が手の甲にかかるというアクシデントを経験しましたが、自分で夏井式湿潤治療を行って痛みも傷跡もなく完治できました。開いててよかったのはコンビニよりも、知っててよかった湿潤治療・糖質制限です。夏井先生・江部先生に感謝です。

  10.  先生が学会とか論文執筆に興味ないのは知ってますが、どうにか"専門医"の目に触れるような形で発表の機会がないかと秘かに期待しています。

  11.  なつい式湿潤療法はまさに創傷治療のGame Changer。

  12.  医学の教科書に「絶対に治らないので直ちに移植しろ!」と書かれているなら、それは医学が科学ではないことの証明となる。「絶対に治らない」と言っている時点でそうだ。医学ではなく生理学者や生化学者が治療したらいい。それなら医学部の学生が医師免許を取ることを禁止し、医学部を廃止したほうがいいか。そして生理学、生化学、物理学、化学の学位を持つものだけが医師国家試験を受けることが出来、医師になれるようにしよう。もちろん医師国家試験の内容も抜本的に変えなきゃならん。ついでに悪徳医師でも守られる医師法を廃止しよう。新コロのおかげで病院、クリニック経営が窮地なようだが、非常によろしい。それで全死亡者数は確実に減る。医療がその規模を縮小すると確実に死者は減る。財政破綻した夕張市、医療関係者のストライキ、それら医療が最小限になると死者は減ってる。その事実を人々は知らないか認めたくないのだろう。99%の医師を廃業に追い込む。新コロ頑張れ!
    【夏井コメント】
    熱傷診療ガイドラインや各種形成外科教科書では,特に3度熱傷では早期デブリードマンと植皮が推奨されています。それは,感染を防ぐためです。しかし,いろいろな大学病院形成外科・総合病院形成外科の治療例を見ていると,浅い2度熱傷から小さな2度熱傷まで,2週間前後で皮膚移植をした方がいい,と説明されます。感染を防ぐためです。つまり,熱傷治療では「感染予防」があらゆる治療(ゲーベンクリーム,デブリードマン,皮膚移植・・・)の錦の御旗になっています。この症例でも「皮膚移植しないと感染する」との説明があったようです。

  13.  医者は治療上の侵襲行為は許されているが、間違った治療を行った場合は何等かの処罰が適当と思います。

  14.  植皮の点数下げられればいいのに。

  15.  天動説、お金のプール論、植皮・・・・人間社会の発展が正しき方向に導くには時間がかかりますね。

  16.   私の手持ち教科書にはそのような記載はありません。世界中の医学の教科書、「絶対に治らないので直ちに植皮しろ!」、というミスリードで感想を集めるのは止めるべきです。結論として、なつい式湿潤療法が優れているという結論を誘導したい意図が伺えます。

  17.  奇跡のようですが、当然の結果なんでよね。素晴らしいです!

  18.  こういう治療がSNS等で拡散されないのが不思議なんですが。

  19.  旧式創傷治療(病院式)か夏井式創傷治療か。効果は歴然ですが浸透はまだまだです。町のデイサービスの管理者をしており「夏井式」をナースさんたちに伝えています。彼女たちはそれを理解しています。しかし、利用者さんが通われている病院から「ガーゼ+ゲーベン」の指示があれば、その指示通りに処置しているのが悲しい。今回の「踵の皮膚全欠損」の事実を見せても「わかってはいるが病院からの指示が出ている」が優先される。この構図を変えるには「マスコミ」しかないのですが、まぁ無理でしょう。医師会の会長は「夏井式湿潤療法」を知っているのでしょうか?

  20.  以前勤務していた病院(複数個所)では湿潤治療についてどんなに説明や教育しても褥瘡治療のなんじゃら資格を持った看護師が高齢な看護部上層部及びそこからさらにお利口でない院長に進言して湿潤治療を排除すべく小生を治療から外すとか別の病院では看護師が形成外科専門医資格を取得前のなんでも植皮しようとする形成外科医(女医)を引っ張ってきて小生に相談なく手術してしまうなど困ったことが多々ありました。

  21.  踵をえぐることに卒倒しそうになりました。夏井式で治って安心しました。医学を学ぶ人達にはアップデートする概念すらもないのでしょうね。

  22.  世界中の8割のおバカさんには一生理解できないでしょう。熱傷や創傷治療は一般人のほうが知っている。自分の身体のことだから必死に調べます。バカ医者は自分が痛くも痒くもないので自分から逃げて行ってしっかり、湿潤療法で治っていることにも気づかないのでしょうね。ネットの世の中最新治療のうわさくらい聞いたことあるはずなのに。

  23.  うちでもまさに今、足底の皮膚全欠損の患者さんを治療中です。2ヶ月経過してそろそろ完治しそうです。最初の2週間だけ仕事を休んで、その後は仕事をしながら治療中です。

  24.  植皮した場合にどういう経過をたどるのかも見てみたいものです。
    【夏井コメント】
    足底の大部分に網状植皮が行われた20代前半の男性のご家族からのメールの一部です。
    【交通事故で足底欠損が酷く主治医から植皮以外の治療法はないと言われ、大腿部の皮膚を植皮しましたが、荷重に耐えられず靴ズレが絶えません。インソール装具で対応しろと医師は言いますが、難儀しています。】

  25.  踵でもこのように良好な結果が得られるとは驚きです!しかもハイヒールなんて、植皮してたら無理だったんじゃないでしょうか。患者さん、ほんとによかったですね(*^_^*)
    【夏井コメント】
    湿潤治療では神経と皮膚支帯が再生して「知覚があって荷重できる踵」が再生しますが,皮膚移植ではどちらも再生しないため「知覚もなく荷重もできない踵」になってしまう,と考えています。

  26.  Melanomaの手前の状態とは、病理学的に何だったのだろう?生検なしにセンチネルするのでしょうか?治癒に関しては、ASOなくて、脳梗塞のマヒもないなら、まあ、普通に上皮化しますよね。これぞズイコウパッドの腕の見せ所です。

  27.  こうやって無用な皮膚移植をされた患者が、全国に無数にいるのでしょうね。皮膚移植手術よりズイコウパッドで治療した方が、医療費は大幅に抑制されるのに。病院は儲かりませんがぁ。
    【夏井コメント】
    名医がひと目見て診断をつけるとただですが,知識と能力のない医者が山程検査をして間違った診断をつければ保険請求できます。

  28.  平成1年の頃、卒後3年で、田舎の救急病院で外傷に対して外科医として勤務していました。その頃は、外傷患者さんが多く、グラインダーなどで指先端の切断や皮膚を削いできた傷に対してどう対応していいのかわからない時がありました(指導してくれる上司がいなかった様な記憶です)。指の切断創に対しては、断端形成をせずに、イソジンゲル+アルミホイル治療が出始めた頃だったと思います。その後、平成15年に夏井先生のサイトに出会い正しい治療法を教えて頂きました。湿潤療法を知る前であれば植皮が当然と思うかもしれませんが、湿潤療法を知った後は植皮はとんでもないと思います。これからも先駆者の歩いた道を少しでも(微力でも)広げて、湿潤療法が一般治療になる事を希望します。

  29.  素晴らしい経過ですね!皮膚科、外科の教科書に載せて欲しいです。看護、介護の教科書にも。事実が全てなのに、いつになったら改革されるのか、、、。

  30.  この症例の方は、運良く知り合いの方から湿潤療法を教えてもらって本当に良かったと思いますが、そうでなければお医者さんがそう言っているのだから‥と、当たり前のように皮膚移植を受けていたのでしょうけれど、医者任せ・人任せにせず、やはり自分の頭で考えないと駄目ですね。 それは患者側からだけのことではなく、医療を施す側も又然り、この症例にしても、夏井先生のご著書『患者よ、医者から逃げろからその手術、本当に必要ですが?』も、一人でも多くの皮膚治療に関わる医師に見てもらい、既成概念を取っ払って自分の頭で考えて欲しいものです。

  31.  皮膚前欠損,3度熱傷は「湿潤治療」を正しく行えば治ります。論文に使用とすると「倫理委員会」が必要です。小さなクリニックで倫理委員会を作るのは費用(100万以上)と倫理委員会にとられる時間のために難しいです。大病院の倫理委員会に寄生して湿潤治療の事を大病院の倫理委員会に申請しようと思いましたが,その大病院の形成外科医の了解を取ってくれと言われ頓挫しています。真に新しい治療を,新しい臨床研究をしようと思うと「倫理委員会」の壁が立ち塞がります。。変です。

  32.  踵の皮膚全欠損。写真を見ると思い出すおばあさんがいます。痛みに耐えながら、生真面目にずっとゲーベンクリームを塗っていました。知り合った頃は12月21日くらい、3年経っても1月25日の写真程度の進捗。なつい式を知っていたので勧めたかったけど、医療職ではなく、できなかった。これだけのエヴィデンスが示されているのを、医療職のみなさんに真摯に受け止めてほしいと思います。

【アドレス:http://www.wound-treatment.jp/next/case/hikari/case/3395/index.htm】

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