48歳男。
 2017年4月5日深夜,飲酒後に失神して転倒し,顔面を強打したらしい。〇〇大学病院に救急搬送され裂傷縫合をうけたが,鼻骨骨折については専門医がいないため,△△大学付属◇◇病院形成外科に紹介状を書いてもらい帰宅。6日朝,同科を受診したが,形成外科医不在のため,受付で「自力で医者を探して下さい」と言われたのみ。ネットで形成外科クリニックを探して受診したが,どこでも治療できないと説明された。顔の傷についての説明もなかったため,鼻骨骨折については諦め,傷の治療について検索。
 4月10日,当科を受診。CTで鼻骨骨折を認めたが,骨折部には圧痛はなく,すでに癒合している状態だった。次のように説明。

  1. 鼻骨などの顔面骨(膜性骨)は手足の骨(長管骨)と異なり,3日で癒合してしまう。受傷から5日経過しているので,鼻骨は骨折変形の位置で完全にくっついている。
  2. 鼻骨骨折の整復が可能なのは受傷当日から2日以内であり局所麻酔で整復できるが,それ以降になる全身麻酔下に再骨折させてから整復するしか方法がなくなる。
  3. 現在,曲がった位置で骨がついてしまったために変形しているが,それを治す(元の形に戻す)ためには,全身麻酔下に手術(再骨折⇒整復)することになる。入院も必要になる。
  4. 鼻は多少曲がった形になっているが,それによる機能障害はほとんどないと思われる。
 

4月10日


【アドレス:http://www.wound-treatment.jp/next/case/hikari/case/2648/index.htm】
【なついキズとやけどのクリニック】
【新しい創傷治療】