50歳男。茨城県
 以前から血友病で〇〇大学△△病院に通院中。
 2010年に左足内果とアキレス腱部に潰瘍発生。同院皮膚科を受診しゲーベンクリーム®が処方されたが潰瘍は悪化。その後,同院形成外科紹介となり,下腿切断しか治療法はないと言われたが,下腿切断には同意せず,軟膏治療継続。2011年5月,都内の◇◇病院形成外科を紹介されユーパスタが処方されて通院しているが全く治らない。
 〇〇大学△△医療センター血液内科の主治医から当科受診を薦められた。
 2013年4月に当科受診。左足アキレス腱部,内果などに深い潰瘍を認めた。また,痛みのために夜も眠れない状態だった。湿潤治療の原理について説明し,「穴あきポリ袋+紙おむつ」(勝手に鳥谷部先生のサイトにリンク)の作り方と使い方を指導。5月13日には痛みはなくなり,鎮痛剤は不要になった。その後,1〜2ヶ月に一度の割合で通院。創は次第に浅くなり,肉芽面の色調は改善していった。2014年初めまで通院していたが,遠いこともあり,その後は通院していなかった。
 2015年7月に1年半ぶりに受診。傷はかなり前から治っているが,毎月1度の頻度で左下腿が腫れ,そのたびに発熱しているとの事だった。

【左アキレス腱部】

2013年4月22日 5月13日 7月22日 8月26日

9月30日 11月18日 2015年7月30日
829日後

 2016年3月,数カ月ぶりに受診。潰瘍は一時なくなったものの,今年に入ってから再発したとのこと。

2016年3月14日
1057日後


 通常,このような「感染を繰り返す難治性潰瘍」を治療している医者は次のように考えると思う。  しかし,この論理はこの症例のような「傷は治っているのに毎月のように蜂窩織炎を起こしている」ことから否定されると思う。
 私の考えは次の通り。

【アドレス:http://www.wound-treatment.jp/next/case/hikari/case/1398/index.htm】

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