4歳10ヶ月男。千葉市。
 2014年10月20日,バーベキューをしていてホイル焼きの油が左下腿外側にかかり,熱傷受傷。直ちに〇〇病院に救急搬送され,救急室で軟膏処置。翌日,自宅近くの△△皮膚科クリニックを受診し,フシジンレオ軟膏が処方された。11月初め,皮膚科ではもう治療の限界と説明され,船橋市の◇◇病院形成外科を紹介され,ゲーベンクリーム®の治療が開始されたが,その直後から激しく痛みを訴え,歩けなくなった(それまでは歩けていたのに)。ネットでゲーベンクリーム®について調べ,主治医に使わないでほしいといったが,形成外科医は「ネット情報は嘘ばかりなので信じないように」と説明し,聞く耳持たず。湿潤治療についてネットで知り,その治療をしてほしいと申し出たが,「深いヤケドで湿潤治療をすると化膿して命にかかわる」と拒否された。毎日処置のたびに号泣するのを見て,何かおかしいと思っても医者に何も言えなくなった。
 以前,練馬区に住んでいて,当科で顔の傷の治療を受けたことを思い出し,◇◇病院形成外科には黙って当科を受診した。
 当科では創傷治癒のメカニズムと,ゲーベンクリーム®が激痛をもたらすメカニズムについて丁寧に説明し,完治までに3ヶ月程度を要することを説明。ゲーベンクリームを洗い落とし,「穴あきポリ袋+紙おむつ」(勝手に鳥谷部先生のサイトにリンク)で創部を被覆。翌日からは普通に歩けるようになった。
 以後は両親がドレッシング交換を行い,1ヶ月に一度くらいのペースで外来を受診してもらうことにした。2015年2月初め,創収縮がストップしたため,被覆材をズイコウパッドに替え(創治癒がストップした時には,被覆材を変更すると奏功することがまれならずある),リンデロンVG軟膏を併用。

2014年11月26日 12月24日
28日後
2015年1月21日
56日後
2月27日
93日後

3月13日
107日後
4月27日
152日後
6月1日
187日後


 こういう症例を見ていると,「傷は治るべきタイミングをはかり,ベストの環境になった時に一気に治る」と考えた方がいいかも・・・という気がしてくる。

 ちなみに,上記の船橋市の◇◇病院形成外科の医者は,教科書の情報を鵜呑みにせず(今どき教科書には正しいことしか書かれていない,と信じているのは,余程オメデタイお馬鹿さんだけだよね),目の前の患者の訴えに耳を傾ける習慣を身につけたほうがいいと思う。このアホ医者から熱傷患者さんが逃げ出すのは当たり前である。

【アドレス:http://www.wound-treatment.jp/next/case/hikari/case/1339/index.htm】

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