51歳女。千葉県在住。
2013年6月13日,揚げ物をしていて油に引火し,火を消そうとして鍋をひっくり返し,熱した油で左顔面,頸部などに熱傷受傷。直ちに〇〇病院に救急搬送され,ワセリンとガーゼで処置をうけた。翌日,同院形成外科でラップの治療を継続。
しかし,2ヶ月たっても上皮化しないため,7月下旬,アクトシンが処方されてガーゼの治療となったが,その直後から創部の痛みがひどくなった。治療に不安になり,ネットで調べて当科を受診。
当科ではプラスモイストで創部を被覆。治療開始とともに創部の痛みがなくなり,1ヶ月ほどで上皮化した。
その後,肥厚性瘢痕と頸部の瘢痕拘縮が生じたため,8月下旬からドレニゾンテープ貼付を開始し,瘢痕上に毛細血管拡張が認められた12月まで続けた。
頸部には明らかな瘢痕拘縮が認められたが,日常生活で特に不便は感じないとの本人の訴えがあり,経過観察となり,2014年8月下旬,通院終了となった。
ちなみに,火傷前に頬部にあったソバカスが,火傷の痕にきれいに消えたと喜んでおられた。
【顔面〜頸部】
2013年7月24日 | 8月1日 | 8月16日 | 8月30日 |
10月4日 | 12月5日 | 2014年3月20日 |
5月21日 | 8月27日 |
【前腕】
2013年7月24日 | 9月19日 | 2014年8月27日 |
【大腿】
2013年7月24日 | 8月1日 | 2014年3月20日 | 8月27日 |
形成外科では12月5日の状態を見たら「運動障害は手術しないと治りません」と説明して連続Z形成などが行うのが常識ですが,ドレニゾンテープ貼付で様子を見ていると,手術は不要になるようです。
【アドレス:http://www.wound-treatment.jp/next/case/hikari/case/864/index.htm】