39歳女。さいたま市
 2週間前の寒い日に電気ファンヒーターで足を暖めていてそのまま寝てしまい,翌日目が覚めたら左足外果に水疱ができていた。5月28日,〇〇皮膚科クリニックを受診し,アズノール軟膏が処方され,その後も通院しているが,治療についての説明が全くなく,現在どういう状態か尋ねても無言のままで答えてくれないため不安になり,ネットで熱傷治療について検索し,当科を発見。
 6月3日,当科受診。残っていた水疱膜を除去したところ,ほとんど上皮化している状態だった。ハイドロコロイド被覆材で治療。

6月3日 患部 水疱膜除去後 6月12日


 水疱膜を除去していないということは,実際の創面を観察していないということであり,熱傷深度を確認していないということだ。つまり,水疱膜を除去せずに治療している医者は,その熱傷がどのくらいの深さで,今どういう状態かを一切見ずに治療しているわけである。だから,「今どういう状態ですか? 治ってきていますか?」と質問しても答えられないのだ。
 さらに,水疱膜を除去せずに軟膏を塗るのもアホの極みである。創面は水疱膜の下であり,水疱膜の上に治療用軟膏を塗っても,創面には届かないからだ。
 ちょっと自分の頭で考えれば,自分がしている行為がいかに馬鹿げているか分かりそうなものだが,それに気が付かないということは,自分の頭で考える習慣がないのだろう。
 こういうアホが治療しているのが,熱傷治療業界の現状である。

【アドレス:http://www.wound-treatment.jp/next/case/hikari/case/1683/index.htm】

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