1歳9ヶ月男。23区東部。
 2015年3月24日,味噌汁の鍋をひっくり返して左前胸部〜肩〜上腕〜前腕に熱傷受傷。直ちに〇〇病院救急センターに救急搬送され,形成外科入院となった。治療はプロペトとモイスキンパッド。4月18日に退院。医師から手術も方が早く治ると説明されているが,手術しないで治療を続けた場合にどうなるのか医師に質問したところ,当科へのセカンドオピニオンとなり,4月21日に当科受診。
 上肢の3度熱傷で皮膚移植なしに治療をした症例(症例1,症例2)を紹介し,「運動しながら治療をすれば,動かせる状態で治るようだ。逆に安静にすると,その状態で上皮化してしまい,運動できなくなる。また,瘢痕拘縮で運動障害が起きたら,その時点で瘢痕拘縮形成術を考えても遅くない」と説明。また,ドレッシング交換ができれば,治療は家庭でできるので,通院は月に数回程度でいいことも説明。
 以上の方針を理解していただき,プラスモイストで被覆。左肘と左肩は両親が用手的に伸ばしてあげるように指導。

4月21日 ドレッシング 4月24日 5月1日

5月15日
52日/24日
6月5日
73日/45日
6月19日
87日/59日
7月3日
101日/74日
7月17日
115日/87日

7月31日
129日/101日
8月21日
150日/122日
9月4日
164日/136日
9月25日
185日/157日
10月30日
220日/192日

     
11月20日
241日/213日
伸展可能
   12月18日
269日/241日
   2016年
1月15日
297日/269日

  
3月8日
350日/322日
3月8日    4月15日
388日/360日
4月15日

 6月17日:腋窩〜上腕〜肘窩にかけて高度の瘢痕拘縮を認めるが,鉄棒にぶら下がって遊んでいる。

6月17日
451/423日
 

 2018年3月27日,△△大学付属病院形成外科で広背筋皮弁移植による瘢痕拘形成術が行われた。術後,肩関節・肘関節の可動域は正常で,機能障害は認めない。

2018年9月1日
1257日後


【アドレス:http://www.wound-treatment.jp/next/case/hikari/case/1591/index.htm】

左側にフレームが表示されない場合は,ここをクリックしてください