63歳男。
2000年ころから右足関節腫脹があり,〇〇大学付属病院膠原病センターに入院したが病名不明のまま退院。その後,軽快と悪化を繰り返していた。
2009年3月から右足関節腫脹部に潰瘍が出現。再度,同科であらゆる検査をしたが原因不明・病名不明と言われた。7月,潰瘍の治療のために△△大学◇◇病院皮膚科に入院となり,軟膏(薬剤名は不明)で治療を受けたが治らなかった。
2010年,●●大学付属病院血管外科を紹介されたが,動脈には異常はなく,手術で治る潰瘍ではないと説明された。
2012年3月22日,右肩遺骨の骨髄炎から敗血症を併発し,5月10日に〇〇大学付属病院整形外科で右大腿部で切断術が行われた。
2011年6月下旬に左下腿に5ミリの潰瘍出現し,次第に増加し拡大。〇〇大学付属病院皮膚科でフィブラストスプレー®,亜鉛化軟膏,アクアセルで治療したが潰瘍は悪化し,拡大した。
2012年8月,〇〇大学付属病院皮膚科より「当科の治療では効果がないばかりか悪化しているし,当院整形外科では左も大腿で切断するしかないと考えています。つまり,当大学病院では大腿切断以外に治療法がありません。全く異なった発想の治療で左足が救えるのであれば・・・」との紹介状とともに当科を受診。
2012年8月17日,当科初診。右は大腿遠位部部で切断され,左下腿外側,後面,前面に潰瘍が多発し,特に下腿外側は大きかった。潰瘍底は陥没し,硬く循環不良な瘢痕組織であった。
直ちに湿潤治療について説明し,穴あきポリ袋で下腿全体を覆い,その上を吸収シートで覆う治療を開始。自宅でもドレッシング交換できるように処置方法を指導。
治療開始から,瘢痕組織は次第に柔らかい肉芽組織に置換し,陥没した創面も平坦になってきたが,それに伴い,潰瘍は拡大した。これは硬い瘢痕(伸縮性なし)から柔らかい肉芽組織(伸縮性あり)に変化したため,周囲の張力で拡大したものと考えられる。その後,潰瘍はゆっくりと後方から縮小を始め,現在は最初の半分くらいになった。
現在まで,発熱などの感染症状は起こしていないが,潰瘍面が黒っぽくなり,臭気が強くなった場合はオーグメンチンを内服してもらい,数日で潰瘍の色は元に戻った。これ以後,「創部痛があったり肉芽の色が悪くなってきたら抗生剤を内服するように」と説明し,前もって処方する方式にした。
2012年8月17日 | 8月20日 | 8月27日 | 9月21日(35日後) |
10月12日(56日後) | 11月12日(87日後) | 12月12日(117日後) | 2013年1月11日(147日後) |
2月13日(180日後) | 3月11日(206日後) | 4月10日(236日後) | 5月13日(269日後) |
6月14日(301日後) | 7月12日(329日後) | 8月12日(360日後) | 9月9日(388日後) |
10月11日(420日後) | 11月22日(462日後) | 12月25日(495日後) | 2014年1月20日(521日後) |
2月24日(556日後) | 3月28日(588日後) | 4月28日(619日後) | 5月28日(649日後) |
6月30日(682日後) | 7月30日(712日後) | 8月29日(742日後) | 10月3日(777日後) |
11月7日(812日後) | 12月3日(838日後) | 2015年1月7日(873日後) | 2月9日(906日後) |
3月11日(936日後) | 4月15日(971日後) | 5月18日(1004日後) | 6月22日(1039日後) |
7月10日(1057日後) | 7月22日(1069日後) | 7月27日(1074日後) | 8月3日(1081日後) |
8月12日(1090日後) | 8月19日(1097日後) | 8月24日(1102日後) | 8月31日(1109日後) |
9月11日(1120日後) | 9月16日(1125日後) | 9月28日(1137日後) | 10月5日(1144日後) |
10月14日(1153日後) | 10月19日(1158日後) | 10月26日(1165日後) | 11月4日(1174日後) |
11月9日:1179日後 | 11月16日:1186日後 | 11月20日:1190日後 | 11月27日:1197日後 |
12月4日:1204日後 | 12月11日:1211日後 | 12月18日:1218日 | 12月25日:1225日後 |
2016年1月8日 1239日後 |
1月15日:1246日後 | 1月22日:1253日後 | 2月1日:1263日後 |
2月8日:1270日後 | 2月12日:1274日後 | 2月19日:1281日後 | 2月26日:1288日後 |
3月4日:1295日後 | 3月11日:1302日後 | 3月18日:1309日後 | 3月25日:1316日後 |
4月1日:1323日後 | 4月15日:1337日後 | 4月22日:1344日後 | 5月6日:1358日後 |
5月13日:1365日後 | 5月20日:1372日後 | 5月27日:1379日後 | 6月3日:1386日後 |
6月10日:1393日後 | 6月17日:1400日後 | 6月24日:1407日後 | 7月8日:1421日後 |
7月15日:1428日後 | 7月29日:1442日後 | 8月12日:1456日後 | 8月26日:1470日後 |
9月9日:1484日後 | 9月26日:1501日後 | 10月7日:1512日後 | 10月21日:1526日後 |
11月4日:1540日後 | 11月18日:1554日後 | 12月2日:1568日後 | 12月15日:1581日後 |
2017年1月6日 1603日後 |
1月27日 1624日後 |
2月10日 1638日後 |
2月24日 1652日後 |
3月10日 1666日後 |
3月24日 1680日後 |
4月7日 1694日後 |
4月21日 1708日後 |
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6月2日 1750日後 |
6月16日 1764日後 |
7月7日 1785日後 |
7月28日 1806日後 |
8月25日 1834日後 |
【アドレス:http://www.wound-treatment.jp/next/case/hikari/case/1322/index.htm】