42歳男性。三重県在住。
1年前にローラーに右母指を巻き込まれ,奈良県の病院に救急搬送されて形成外科に入院。母指の皮膚欠損(?)に対し,同側前腕から全層皮膚移植を受けた。
指が十分に伸びないため,湿潤治療で治らないかと三重県から当科を受診された。
掌側像 | 側面像 |
母指末節部掌側に8×15ミリの移植皮膚があり,IP関節の可動域は45°〜80°と伸展障害を認めた。また,移植皮膚の知覚は鈍く,小さな物を摘む際に不便とのことであった。
このような瘢痕拘縮に対しては,Z形成術などの瘢痕拘縮形成術が有効であり,全国各地の総合病院の形成外科で治療を行っている旨を説明し,帰宅していただいたが,最初から湿潤治療を受けていれば,こんな不便な思いをしなかったのでしょうか,と質問されてしまった。
皮膚移植術の欠点についてまとめると次のようになる。
【アドレス:http://www.wound-treatment.jp/next/case/hikari/case/011/index.htm】