生物学的な観点から消毒法,消毒薬を俯瞰すると


 細菌を殺す(殺菌する)手段はいろいろありますが,「殺菌のターゲット」は次の4つしかありません。

 これらはどういう物質からなるかというと,次のようになります。


 従って,


消毒薬も色素も熱湯も蛋白質の立体構造を不可逆的変性させます。つまり,生卵を茹でてゆで卵を作るのと同じ変化であり,ゆで卵を暖めても雛が孵ることがないように,消毒薬で変性した細胞は元に戻りません。蛋白質の立体構造が変化し,もとの立体構造に戻すには大きなエネルギーを外部から与えることが必要だったり,エネルギーを投与してももとの立体構造に戻れなかったりするからです。

 このような変性はもちろん,創面に露出した人間の細胞膜や細胞質でも起こります。つまり,消毒薬の創面に対する作用は不可逆性変性です。だから,人体細胞も消毒薬で死にます。これが,人体細胞に対する消毒薬の作用です

(2008/05/07)

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