創傷被覆材:連続使用2週間の壁が・・・


 現在(2001年10月),保険診療ではこれらの創傷被覆材は「連続2〜3週間」の使用しか認められていない。これらの被覆材は通常,褥瘡に使われていると思うが,褥瘡が2週間で治るわけはなく,非常に不合理な保険診療の縛りであると言わざるを得ない。

 なぜ,2〜3週間という期間になったかというと,診療材料として申請した際,厚生省がそれ以前にあった被覆材(乾燥豚皮,キチン膜など)の使用期間に合わせて決めたらしい。乾燥豚皮などは分層皮膚採取部への使用を前提にしていたため,最悪でも2週間で上皮化が得られ,2週間を上限にしても全く支障なかった,というわけだ。

 そもそも慢性疾患である「褥瘡」と,急性疾患である「分層皮膚採取部」を同一に考えているところに,根本的な無理がある。褥瘡が2週間で治るわけがない。
 現在,褥瘡学会ではこの使用期間の制限撤廃に向けて発言しているようだが,保険診療での使用期間延長は当然認められるべきと考える。


 この「2週間の壁」問題につきお悩みの方は,筆者宛に御連絡下さい。

(2001/10/17)

左側にフレームが表示されない場合は,ここをクリックしてください