39歳男性。
2013年6月30日,バイク運転中に転倒事故。バイクの下敷きになって動けなくなり,マフラーが右下腿内果に当たった状態が続いた。〇〇病院に救急搬送されたが,診察した医師から「3度熱傷で皮膚はすでに壊死しているので早期に皮膚移植が必要となる。皮膚がくっつかない場合には足の切断になるかもしれない。いずれにしても数ヶ月の入院が必要」と説明され,その日は一旦帰宅した。
仕事(演劇関係)の関係上,どうしても入院できないため,ネットで「3度熱傷,入院しない」などと検索して当科の治療を知り,7月1日に当科を受診した。
当科では湿潤治療の原理と保存的治療を行った3度熱傷の経過写真を見せ,外来通院でも十分に治療ができることを説明し,感染予防のために壊死した皮膚に切開を加えた。翌日からは「穴あきポリ袋+紙おむつ」(勝手に鳥谷部先生のサイトにリンク)で創部の被覆を行った。下肢を下垂しても痛みが出なければ,職場に復帰して良いと説明し,1週間後には仕事に復帰。
経過中,脛骨の一部が露出したが,保存的治療で脛骨表面は肉芽で覆われ,長期を要したが上皮化した。瘢痕拘縮はなく,運動障害もない。受傷前と同様にスポーツをしている。
2013年7月1日 | 切開する | 7月2日 一日で壊死組織は 軟化し浮いてくる |
壊死組織除去はこの程度で良い |
7月11日 | 7月19日 | 7月26日 | 7月26日 脛骨の骨皮質が露出! |
8月5日 | 8月23日 | 9月6日 肉芽で脛骨が覆われる |
10月16日 | 11月19日 | 12月26日 |
2014年1月31日 | 7月1日 3月頃に上皮化していたそうだ |
この程度の骨露出であれば,とりあえず湿潤治療を続ければ,なんとかなるようだ。
【アドレス:http://www.wound-treatment.jp/next/case/hikari/case/740/index.htm】