2歳10ヶ月女児
 10月23日,自宅の犬(ダックスフンド)に口唇を噛まれ,当院救急外来を受診。担当医は創をよく洗い,ステリストリップで創を閉じ,抗生剤を処方。
 翌日当科を受診したが,口唇は腫れ上がり,創から膿が流出した。直ちに2才児が理解できるような表現で患者さん(2才児)本人に治療方針を説明し,「絶対に痛いことはしないよ」と何度も約束し,治療に納得してもらった上でこより状ナイロン糸ドレナージを行い,プラスモイスト(R)で被覆。ドレナージは2日間続け,プラスモイストのみの被覆を2日間行い,感染が治まったことを確認してからハイドロコロイド被覆材で治療。

10月24日 こより状ナイロン糸留置
絆創膏で固定 翌日,ナイロン糸を入れ替え
10月28日 10月31日
11月8日


 「2歳10ヶ月の子供に治療方針を説明」と読むと,「そんなの無理」とか「それは嘘だろう!」と思われるかもしれませんが,私の外来ではこれが常識です。本当に説明していることは,見学に来られた先生全員が証言してくれるはず。初対面の乳児と30秒で仲良しになるのは私の得意技で,小児科の先生が舌を巻く超絶テクニックの一つです。
 そして,上記のクローズアップ写真が1枚としてぶれていないのが何より雄弁な証拠でしょう。子供が嫌がって暴れていたら,こんなきれいに接写写真は撮れませんよね。

【アドレス:http://www.wound-treatment.jp/next/case/hikari/case/522/index.htm】

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