46歳女性。
 8月17日夜,自宅の猫に左前腕を噛まれた。18日に近所の〇〇皮膚科クリニックを受診し抗生剤とゲンタシン軟膏を処方されたが,逆に痛みがひどくなり腫れてきた。心配になってネットで猫咬傷について検索し,19日に当科を受診した。
 当科では局所麻酔下に発赤と疼痛のある咬創の深さと創の方向を確かめ(深さは1センチほどあった)コヨリ状にしたナイロン糸でドレナージし,オーグメンチンを処方。
 翌日には痛みはなくなった。

8月19日 ナイロン糸ドレナージ


 この例の経過を見てもわかるが,動物咬傷では「ドレナージなしの抗生剤投与」は全く効果がない。動物咬傷の治療は抗生剤投与ではなく,的確なドレナージである。
 また,これからわかるように,「抗生剤の予防的投与」も意味がないことがわかる。

【アドレス:http://www.wound-treatment.jp/next/case/hikari/case/〇〇/index.htm】

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