10歳M
 1歳時に加湿器の蒸気で右手示指・中指にヤケド。〇〇病院形成外科で皮膚移植を受けた。2022年7月8日、他の外傷で当院を受診した際、「この指はこれ以上きれいにならないのでしょうか?」と相談された。指が十分に伸びないので困っているとのこと。追加の皮膚移植しか治療法がないことを説明した。

2022年7月8日


 この皮膚は腹部から採取されたもので、手への皮膚移植の典型例と言える。それをまとめると次のようになる。

  1. 移植皮膚の色素沈着があるのは、腹部の皮膚はメラニン色素を含むため黒っぽいが、一方、手指掌側の皮膚にはメラニン色素がないためだ(だから、黒色人種でも手掌は真っ白である)。この色調の違いは生涯変わらず改善することはない。
  2. 移植皮膚は正常皮膚のような伸展性を持たないので、手の成長とともに伸展障害が起こる。これも悪化することはあっても改善することはない。

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