43歳男。
2017年1月31日,作業中にプレス機で右示指,中指を切断。直ちに都立〇〇病院形成外科に救急搬送され,示指は断端形成,中指は示指断端から採取した皮膚を移植した。術後,中指に移植した皮膚は壊死した脱落したが,主治医は「このまま乾燥しないようにして肉を盛り上げる治療をするので,近々退院となります」と説明。
2月14日,形成外科部長から突然,「2日後に手術室が取れたので皮膚移植をする。皮膚移植すれば指が長くなって使いやすくなる」と説明され,強引に手術が決められた。そんな話は聞いていないと思って抗議したかったが,それ以後,主治医は顔を出さなくなり,抗議もできなかった。看護師も「先生にお聞きください」の一点張り。本人も家族もスマホを持っていなかったため,ネット検索は思いつかなかった。2月16日,鼠径部から皮膚移植し,3月4日に退院。
以後,外来通院となったが,3月末に主治医が他の病院に異動になり,担当医は別の医者に交代。その医師に「指先がグニャグニャしていて,おまけに知覚もないため使いものにならない。手術前の説明と違う」と文句を言ったら,「皮膚移植では知覚は戻らない。グニャグニャしているのも治らない。皮膚移植とはそういう治療であり,手術前に説明したとカルテに書いてある」と怒鳴られた。
仕事が全くできないため知人に相談し,知人がいろいろネット検索してくれた。
4月25日,当科受診。移植皮膚を全て除去し,湿潤治療で皮膚を再生させれば,元通りの形に近い形態に戻り,知覚も復活する。普通に使える指に戻るはず,と説明。
5月8日,局所麻酔下に移植皮膚の切除を行った。創部はプラスモイストで治療。
ほぼ正常に近い指尖部が再生し,知覚も正常に戻り,元の職場に復帰できた。
5月9日 | 5月12日 | 5月15日 | 5月19日 |
5月26日 18日後 |
6月2日 25日後 |
6月9日 32日後 |
6月22日 45日後 |
2020年3月30日 1057日後 |
【アドレス:http://www.wound-treatment.jp/next/case/hikari/case/2639/index.htm】
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