3歳10ヶ月女。埼玉県在住。
2016年3月27日,母親がうどんを運んでいるところに患児がぶつかってうどんを落とし,顔にかかった。〇〇病院に救急搬送され,以後,同院皮膚科に通院している。最初はロコイド軟膏,その後はエキザルベ軟膏に変更。
医師が治療について説明してくれないことに不満を覚えた両親がネットで検索。
4月7日,当科受診。ハイドロコロイド被覆材で治療。
上皮化完了後,遮光について質問されたので,この症例を提示。
この症例写真を公開した2017年2月16日夕方,お母様から次のような写真付きメールをいただきました。
「3歳10ヶ月女 顔面熱傷」という治療例で本日娘がアップされました。
現在(4歳8ヶ月)、やけどの跡は全然わからないほど綺麗になりました。外でも元気に遊んでいます。
本当に本当にありがとうございました。
昨年夏井先生にお会いしていなければ、不安なまま落ち込む日々を送っていたと思います。
あの日から、先生の本を幾つも読み、創傷治療のサイトを見て勉強しています。傷はぜったい消毒するな、痛くない早く治るうるおい治療、パラダイムシフトなどなど・・・。
応急処置の仕方や湿潤治療、夏井先生の事、周りのママ友達にも話しをしています。遊びにいく際の手土産にプラスモイストやハイドロコロイドなどプレゼントしたらとても喜んでくれました。
けがややけどは、気をつけていてもいつ起こるかわかりませんが、今後もしそうなった時は、何も知らなかった1年前より落ち着いて対応できそうです。ありがとうございました。
それに対する私からのメール。
〇〇ちゃん,本当にきれいに治りましたね。昨年の5月の段階では軽度の色素脱失がありましたが,全く分からないまでに回復していて,安心しました。そして,勉強になりました。
これで,熱傷患者さんに自信を持って「多少の色素脱失があっても,半年〜1年経てばわからなくなるよ」って説明できます。
お送り頂いた写真も,いずれ使わせていただきますが,これは多くの顔面熱傷の患者さんと親御さんを勇気づける写真です。私が百万言を費やすより,〇〇ちゃんの写真1枚を見れば誰でも「ヤケドってこんなにきれいに治るんだ」って納得します。
そして何より,「子ども に顔の火傷をさせてしまった」と自責の念にとらわれている患者さんのご両親が救われるでしょう。
一つ教えていただきたいのですが,元気に外遊びをしたと思いますが,その際,日焼けには注意しましたか? それとも,全く気にせずにプールに入れたり外で遊ばせたりしていましたか?
それに対する返答メール。
同じ思いをされてる熱傷患者さんとご両親を少しでも勇気づけられるのなら、是非娘の写真を参考にしてもらって構いません。
私も初診時、赤ちゃんの顔面熱傷のお写真を見せていただき、こんなに綺麗に治るんだと救われた一人ですから。
日焼け対策について、特に日焼け止めは使用せず、帽子のみで過ごしました。真夏だけは、日中の一番暑い時間帯の外遊びは多少控えましたが、外のプールも気にせず入れていました。
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2016年4月7日 |
4月13日 |
5月12日:35日後 |
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