62歳男性。
40代前半から糖尿病の指摘を受けてていた。12年前に脳梗塞と心筋梗塞。
数ヶ月前から左第1趾に傷ができて治らなくなり,通院していた皮膚科クリニックから糖尿病性壊疽の診断で当院紹介となった。初診時,血糖値214,HbA1c 6.5であった。
内科で糖尿病のコントロールを行いつつ,抗生剤の点滴投与を行い,当科で潰瘍に対し治療を行った。2月19日に第1趾の切断を行ったが局所の循環が創面に肉芽形成がなく,さらに壊死が進んだ。全身状態も悪化したため内科に入院となり,下腿高位での切断術を行った。
1月29日 | 2月5日 | 2月19日 |
2月19日 | 2月26日 |
結果的に見ると,下腿高位切断しか治療法がなかった症例である。どの時点で整形外科に下肢切断術を依頼すればよかったのか,いまだに正解がわからない症例だ。
このような症例をもっと多く経験すれば,「これは早期に下腿切断するしかない症例。こちらは局所のデブリードマンで大丈夫な症例」という見極めができるようになるのだろうか?
【アドレス:http://www.wound-treatment.jp/next/case/hikari/case/207/index.htm】