4歳9ヶ月男。埼玉県。
 2015年12月8日昼過ぎ,幼稚園で転倒して階段の手すりに左前額部をぶつけて裂傷。幼稚園近くの〇〇病院を受診し,ステープラーで縫合。
 連絡をもらった母親は以前から湿潤治療について知っていたため,「顔の傷をホチキスで縫われた」ことにショックを受け,直ちに当科受診。
 すぐに診察・治療せず,子どもと遊んで落ち着かせ,絶対に痛いことはしないことを約束して創を観察させてもらい,治療方針を子どもに説明。
 創縁周囲の頭髪を幅2センチほど切り,そこにハイドロコロイド被覆材を貼って土台にし,それから抜鉤して直ちにステリストリップでテーピングし,さらに血腫形成予防のために圧迫固定。なお,処置の際は暴れることなくおとなしくて,治療に協力的。見ていた母親が我が子の様子に感動していた。
 10日に再受診していただき,テーピングとハイドロコロイドを除去。創縁がきれいに付いていることを確認後,ハイドロコロイド被覆材の貼り方と処置方法を母親に指導。

12月8日 ハイドロコロイド被覆材貼付

テーピング

12月10日 12月16日


抜鉤前にハイドロコロイドを貼った理由。

  1. 本当におとなしくしてくれるかどうかがわかる。これで暴れるようであれば,抜鉤は中止するつもりだった。
  2. 万一,抜鉤の際に暴れたとしても,テーピングするだけなら簡単にできる。

【アドレス:http://www.wound-treatment.jp/next/case/hikari/case/2045/index.htm】

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