2歳1ヶ月女。横浜市在住。
 2013年11月14日,母親がウィンナの茹で汁が入っている鍋を持って歩いているとことに父親がぶつかり,近くにいた患児にかかり,顔面,頚部,左前胸部,左肩,左上肢に熱傷受傷。〇〇医療センターに救急搬送され,形成外科入院となり,石鹸で創部を洗浄し,アズノール軟膏と,フィブラストスプレー®,ガーゼで治療。処置のたびに出血し,泣き叫んで暴れていた。
 治療に疑問を持った母親がスマホで熱傷治療について調べ,湿潤治療を知り,筆者にメール連絡。「3度熱傷でも手術せずに治るし,動かしながら治せば治療に長期間かかるが運動障害も起きない。傷跡が残ったらそれに対する治療もある」と伝えた。
 主治医に湿潤治療をしてほしいと伝えたが,「湿潤療法も知っているが,深いヤケドには効果がない。湿潤治療には期待しない方がいい」と説明され,早期に頭皮から皮膚をとって移植するのが最善としつこく説明されたが,皮膚移植をした後の写真を見せて欲しいと申し出たが見せてくれなかったため,手術は断固拒否し,11月19日に退院。翌日当科を受診。退院の際も形成外科医師に「感染して死んでもいいのか。そんなインチキ治療を受けると一生後悔する」と散々脅された。
 11月20日,当科受診。左顔面〜頚部,左肩〜上腕〜前腕の熱傷を認め,特に上肢は3度熱傷だった。顔面はハイドロコロイド被覆材で被覆,肩〜上肢はプラスモイストで被覆した。
 2014年5月に全て上皮化し,運動障害はなく,瘢痕拘縮は生じなかった。
 左肩の肥厚性瘢痕に対し,2014年7月からドレニゾンテープでの治療を開始。

【左頬部〜頚部】

2013年11月20日 11月25日 12月18日(28日後)
2014年1月21日(62日後) 9月24日(308日後) 2015年3月26日(491日後)

5月28日(554日後) 7月30日(617日後) 12月9日:749日後

2017年7月19日
1337日後
2018年1月16日
1519日後

【左前胸部〜肩〜上腕〜前腕】

2013年11月20日 プラスモイスト 11月25日 12月2日 12月13日

12月26日 2014年1月8日
(49日後)
1月21日 2月6日
(78日後)
2月27日

3月25日
(125日後)
5月13日 5月29日
(190日後)
6月24日 8月26日
(279日後)

10月22日
(336日後)
12月16日
(391日後)
2015年2月17日
(454日後)
4月21日
(517日後)
5月28日
(554日後)

6月15日
(572日後)
7月30日
(617日後)
9月28日
(677日後)
12月9日
749日後
2016年2月23日
825日後

4月26日
888日後
6月28日
951日後
8月25日
1009日後
10月24日
1069日後
2017年1月24日
1161日後

3月28日
1224日後
7月19日
1337日後
2018年
1月16日
1519日後
4月7日
1599日後
2019年5月18日
2005日後


【アドレス:http://www.wound-treatment.jp/next/case/hikari/case/1262/index.htm】

左側にフレームが表示されない場合は,ここをクリックしてください