8ヶ月女児
3月5日夜,宿泊していたホテルのベッドから落ちて鼻を擦りむいた。翌日,自宅近くの〇〇皮膚科クリニックを受診したが,傷が残るかもしれないと言われたため,ネットで検索して当科を受診した。
当科ではハイドロコロイド被覆材で治療。
3月7日 | 3月10日 |
3月7日の状態を記憶している患者さんと家族は,3月10日の状態を見ると「こんなにきれいに治ってよかった。傷跡も目立ちません」と感動します。
受傷直後が3月10日のようなすりむき傷患者さんは,どんなにきれいに治っても「まだ傷跡が残っている」と文句を言います。
私の経験では,軽微な傷跡ほど「こんなにひどい傷跡で人前に出られない」と大騒ぎで受診されます。こんな患者さんに「傷跡ってどれですか? 私にはどこが傷跡かわかりません」と言おうものなら大騒ぎになります。その挙句,たいていの場合は「遠くから傷跡の治療を求めてきたのに,治療もしてくれないひどい医者だ。診察料を返せ!」と,苦情を言って帰られます。
医者は多数の「傷跡で悩む患者さん」を診察し,その上で「これは大したことがない」とか「これはひどいですね」と判断しますが,患者さんにとっては自分の傷跡が全てです。恐らく,ここにトラブルの原因があります。