42歳男性。
 30年前に臀部膿皮症が発生し,保存的治療で経過を見ていたが,常に排膿が続いていた。2年前に〇〇大学形成外科で膿皮症の部分を全て切除し,皮膚移植を行って治癒した。
 しかし,2ヶ月前に移植皮膚下端が腫れてきたため受診。再発した。


 慢性膿皮症は医者泣かせの良性疾患の一つだ。面積が小さい場合には切除縫縮で治せるが,ある程度の面積になると「大きく切除+皮膚移植」くらいしか方法がないからだ。中年以降の男性なら皮膚移植することに痛痒を覚えないが,これが若い女性の臀部となったら,頭を抱えるしかない。
 みんな,どうやって治療をしているんだろうか。

 ちなみにこの症例のように単発の膿瘍では,局所麻酔下に切開排膿し,あとはズイコウパッドのような吸収力のある被覆材で覆っておけば,比較的早期に完治する。