9ヶ月男児。
 1月8日,カップ麺のお湯で右手にヤケド。直ちに都立小児総合医療センター救急外来に救急搬送され,湿潤治療で処置し,以後同科で,湿潤治療を行っていた。
 当科で一度見てほしいとのことで紹介となった。当科では,プラスモイスト(R)で治療した。

1月16日 1月16日

1月23日

1月30日 1月30日


 府中市にある小児総合医療センターだが,この症例が受診する数ヶ月前から救急科の全医師と形成外科の医師が順番に外来見学に来てくださっている。その結果,同院の熱傷治療,外傷治療は湿潤治療が標準となり,このクラスの規模を持つ都内の大病院では,最も信頼の置ける病院の一つであり,私も全面的な信頼を寄せている。
 この症例は生後9ヶ月の手掌熱傷であり,通常ならこの年齢の手掌熱傷は悲惨なことになるが,この症例では跡形なく治癒しており,初期治療が素晴らしかったことを示している。

 それにしても,所属している全医師を見学に派遣するという指導医の先見の明とパワーが素晴らしい。この病院に関しては,手放し絶賛モードである。