80歳女性
 8年前に横浜市の〇〇病院で右足の静脈瘤の手術を受けたが,執刀開始直後に「手術ができない」と言われて手術は中断し,「傷が縫えない」ということで開放創のまま手術終了となった。その後,同院にしばらく入院していたが手術の傷は治らず,△△病院皮膚科紹介となり,皮膚移植術を受けた。しかし,移植皮膚が生着せず,その後,6つの病院皮膚科を転々とし,さらに2度の皮膚移植を受けたがいずれも移植皮膚は生着しなかった。現在は,◇◇大学病院皮膚科に通院してフィブラストでの治療を受けている。主治医から,「こんなに治療をしているのに傷が治らないのは,あなたが安静を保たないからだ。自宅でも一歩も動かないようにしないといけない。家事もしてはいけない。安静にするために訪問介護を入れろ!」と命令され,それでは生活できないと困り果てて息子に相談。
 息子夫婦がネットで検索し,4月1日に当科を受診。当科では次のように説明。

  1. とりあえず,傷はあっても痛くなければ生活できるので,まず痛みを取る治療をします。痛みの原因は消毒とフィブラストとガーゼでしょう。
  2. 乾燥させると傷は治りません。「穴あきポリ袋+紙おむつ」(勝手に鳥谷部先生のサイトにリンク)で覆っておくだけで傷は乾燥しなくなります。恐らく痛みも軽くなるでしょう。
  3. これまで8年間に受けてきた治療がすべてデタラメだったため,潰瘍底は硬くなっていて循環も悪いので,潰瘍は治らないかもしれないが,「傷も身のうち,傷は持病」程度に考えて付き合ってください。
  4. 自宅近くで同じ治療をしている先生に紹介します

4月1日 4月1日


【アドレス:http://www.wound-treatment.jp/next/case/hikari/case/826/index.htm】

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