56歳男性
 1年前に右第1趾に傷ができてなかなか治らず,潰瘍化したが治療せずに放置。10月初めから右第1趾が黒くなった。〇〇病院を受診し,直ちに当院紹介となり,10月12日,心臓外科に入院。
 入院時の検査では,糖尿病なし,ASOなし,下肢の動脈に異常なしであり,肝機能のみ非常に悪い,という状態であった。
 肝機能異常の原因精査と治療を行いつつ,当科で第1趾壊死についての治療を行った。
 当科では壊死した部分を切除し(無麻酔でも痛みなく切除できた),出血にはヘモスタパッド(R)で対処し,出血がなければ「穴あきポリ袋+紙おむつ」(勝手に鳥谷部先生のサイトにリンク)で被覆した。また,浮いてきた壊死組織と骨片はその都度,除去した。
 11月25日,自宅でも治療可能となり退院。それ以降は受診していない。

10月15日 10月17日
ヘモスタパッドで圧迫すると
たいていの出血は止まる
10月21日 10月23日 骨片除去
10月23日
関節軟骨が露出
10月28日 11月11日
11月18日 11月25日


 関節軟骨に対しては削るなどの操作はしていないが,自然に肉芽で覆われた。関節軟骨が露出していても,とりあえず湿潤治療でなんとかなることを教えてもらった症例である。

【アドレス:http://www.wound-treatment.jp/next/case/hikari/case/521/index.htm】

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