1歳6ヶ月女。
 6月21日,台所のテーブルの上に置いてあったコーヒーカップに手を伸ばして倒し,左上肢に熱傷受傷。直ちに〇〇大学病院皮膚科に救急搬送され,アズノールとバラマイシン軟膏が処方された。その後,自宅近くの△△皮膚科医院に受診。当初は「3週間で治る」と言われたが,3週目に入っても治らなかったため,「深いヤケドなので形成外科で皮膚移植してもらわないと治らない」と説明された。
 この説明に不信感を持った両親は,ネットで熱傷治療について調べて湿潤治療を知り,7月中旬に自宅近くの河合医院を受診し,プロペトとプラスモイストでの治療を開始。8月中旬にすべて上皮化したが,一部が肥厚性瘢痕となり(肥厚性瘢痕になったのは,河合医院初診時にまだ治癒していなかった部分のみ),9月3日からドレニゾンテープ®での治療を開始。一度診察してほしいとの両親の希望もあり,当科紹介となった。
 当科では,河合先生は極めて適切な判断をしており,おそらく3〜6ヶ月くらいでかなり平坦になって色調も落ち着くはず,と説明。

9月24日


 早期から湿潤治療をしていると,深い2度熱傷でも肥厚性瘢痕になることはそれほどありませんが,最初に昔ながらの軟膏ガーゼによる治療を受け,その後,湿潤治療を開始しても,上皮化後に肥厚性瘢痕になることは結構あります。肥厚性瘢痕になるかどうかは,初期治療が大きく関与しているようです。

【アドレス:http://www.wound-treatment.jp/next/case/hikari/case/1083/index.htm】

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