19歳女性。
 8月16日,大学のゼミの旅行でペルーに行っていて自転車走行中に転倒し,ハンドルで右大腿に怪我をした。直ちに現地の病院で縫合をしてもらった。8月23日に帰国し,●●医療センター皮膚科を受診。創縁の一部が壊死していたためゲーベンクリームを処方された。8月31日に再受診し,腫脹と圧痛があり皮弁の下にポケット形成があると説明され,緊急入院となり,連日ゲーベンで治療された。9月8日よりフィブラストとプロスタンディン軟膏で治療での治療に変更となった。
 同院形成外科に紹介となり,皮膚移植が必要と言われたが,その説明に納得できなかったため,入院中に病室から「Yahooの知恵袋」に相談し,当科受診を決断!
 9月13日に当科を受診し,プラスモイスト(R)で被覆し,1ヶ月半で上皮化が得られた。

9月13日 9月19日 9月26日

10月10日 10月23日

 写真を見るとわかるように,9月26日までは創のサイズにはあまり変化はなく,創の深さが浅くなるのみだが,それ以降,急速に上皮化が進んでいることがわかる。つまり,創の治癒過程は[肉芽増殖で陥凹していた創面が平坦になる]⇒[創周囲の皮膚から肉芽面に表皮細胞が侵入する]⇒[上皮化する]という順番で進む。このため,「最初は創の大きさに変化はないが,ある時を境に急速に上皮化が進む」事になる。

【アドレス:http://www.wound-treatment.jp/next/case/hikari/case/091/index.htm】

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