呼吸器内科医です。
 歌丸師匠について、専門的な立場から申します。
 5年以上前から、歌丸師匠は肺気腫(≒COPD≒タバコ病)から 気管支炎を悪化させ入院したという記事を見かけます。COPDの急性増悪というやつです。
 これを繰り返すと、どんどん身体機能は低下していきます。元々痩せ型でいらっしゃる上に、COPDのためサルコペニアが進行して筋肉量も低下しているのはテレビを拝見すると明らかなようです。
 やせて褥瘡や上巻膜動脈症候群を来すことの根底には、喫煙によるCOPDがあることは確実です。
(この記事のアドレス・・・http://www.wound-treatment.jp/new_2015-06.htm#0627-06:00-2)
 歌丸さんの件ですが、記事から推測すると上腸間膜動脈症候群ではないでしょうか。もともと痩せている人が、何らかの侵襲などによってさらに痩せると、上腸間膜動脈と腹部大動脈の間に十二指腸がはさまれて、腸閉塞の症状が出ます。
 私のように高齢の重症者を診ていれば時折遭遇する病気ですが、医師全体で言うと、殆ど診たことがない人も多いのではないでしょうか。
 今回も、手術前は普通の食事をされていたのでしょうから、術後にこの状態になったから医師が悪いというのは、酷な気がします。ただ、手術が必要であったのか、という点は疑問が残りますが…。
 早期に回復されることを願っています。
(この記事のアドレス・・・http://www.wound-treatment.jp/new_2015-06.htm#0626-06:00-2)
 あれ?・・・ふと気付いてしまいました。このHPをご覧の糖質セイゲニストの皆さんには分かるはず。
>この日から脂肪を増やすために、鼻から脂肪を注入し始めたという。
 
 えっ?脂肪を注入しても皮下脂肪にはなりませんが・・・逃げろ~、歌丸さんっ!
 誰か、退院させてあげて~!歌丸さんが、危ない。みんなで助けなきゃ!!!
 歌丸師匠の件ですが、もう他からご指摘があったと思いますが、上腸間膜動脈症候群と思われます。
 急激に痩せた患者さんでは、時折みられる病態で、私の20年余りの循環器内科中心の臨床生活でも、(大した数はこなしていませんが)2例経験があります。
 人間のからだって、立体的に関連しながらうまく機能しているものだなあ、と思うと、腸内の細菌達と共存しつつ栄養を吸収している立体感にもリンクしているような気がしてしまいます。私だけかもしれませんが。
 歌丸師匠のけんですがおそらく上腸間膜症候群の事だと思います。
    ⇒Wikipedia
    ⇒mymed
 痩せすぎて血管が腸を圧迫して腸閉塞になることはまれですが実際に遭遇することがあります。
 上腸間膜動脈症候群といわれる病態です。上腸間膜動脈は十二指腸の真上を通って小腸に分布します。極度にやせた方は上腸間膜動脈周囲の脂肪(通常クッションの役割をしている)が少ないため十二指腸を圧迫して腸閉塞をきたすことがあります。
 透視を行うと上腸間膜動脈部から先に造影剤が流れません。
 保存的な治療で治ることが多いですが、改善しない場合には圧迫解除の手術が必要な場合があるといわれています。
 私もこれまで数例の経験がありますが、全例保存的に改善しました。
 これは病状と記載から見て上腸間膜動脈症候群(痩せ過ぎでSMAが十二指腸を圧迫することによるイレウス)だと思われます。
 最初の投稿者の手術が悪いような書き方や先生の外科医の都合の悪いいいわけ的書き方をされると外科医(正確には小児外科医)としてあまりに残念でありメールさせていただきました。
 病態は痩せ過ぎによるものですので、治療は太らせること、あるいは手術(十二指腸空腸吻合など)となります。痩せたのへ外科医の管理が悪いと言われればそれまでですが、過剰な痩せ過ぎはKのような病態を引き起こす可能性があることも認識していただきたいと思います。

 私も糖質制限をしている身ですが、個人の病態を考えずにあのような投稿をさせる方がいるのが残念で、ああなると宗教としか言えなくなってしまいかけないのが残念です。
 当医局での雑談では、「上腸間膜症候群」ではないかという話になりました。血管によって十二指腸水平脚の圧迫が起き、閉塞が起こる病気です。
 マスコミの書き方では、わざわざ「十二指腸閉塞」とは書かないでしょうし・・・

 それよりも気になったのが、「脂肪製剤の経鼻注入」の記載です。
 歌丸さん、また元気な姿を笑点で拝見することができるんでしょうか・・・
 歌丸師匠ですが,血管が腸を圧迫とは 上腸間膜動脈症候群ではないでしょうか。症例報告はしませんでしたが,一例だけ(サブ受け持ちでした)経験があります。
 腸閉塞?と言うのとは違うかもしれませんが。
 上腸間膜動脈症候群ではないでしょうか?
(この記事のアドレス・・・http://www.wound-treatment.jp/new_2015-06.htm#0625-06:00-3)
 歌丸さん、腸閉塞だそうです。術後の合併症ではないでしょうか。麻酔方法が気になります(腰麻、局麻、全麻)
 老人を寝かしつけると碌なことが起きません。このまま寝たきりになる可能性もありそうですね。
 やはり、誰か手術前に止めてあげる人がいれば・・・残念。

 ところで、痩せすぎで血管が腸を圧迫ってどういうことでしょう?意味不明です。
     ⇒【入院中の桂歌丸、腸閉塞だった…痩せすぎが原因、退院めど立たず】
 体調不良により14日から神奈川県内の病院に入院している落語家、桂歌丸(78)の病名が腸閉塞だったことが22日、分かった。
 関係者によると、痩せすぎているため血管が腸を圧迫していることが原因。歌丸は現在、アメをなめているぐらいで、きちんとした食事ができておらず、この日から脂肪を増やすために、鼻から脂肪を注入し始めたという。退院のめどは、まだ立っていない。
 歌丸は1日に床ずれにあたる背部褥瘡(じょくそう)の手術を受け、9日に退院したが、胃腸の不調で14日に再入院し、検査を受けていた。
 
 治療中にトラブルが起きた時,「治療はうまく行ったのですが,患者さんが〇〇だったため,思わぬトラブルが起きました」と説明するのは,医者・医療者の常套手段です。つまり,「自分は悪くない。トラブルの原因は患者自身だ」と言いたいわけですね。今回の歌丸さんの場合,医者は「〇〇=痩せすぎ」と説明(=言い訳)したわけです。医者ならこの説明に「変だな」と思いますが,素人やマスコミは騙せます。
(この記事のアドレス・・・http://www.wound-treatment.jp/new_2015-06.htm#0624-06:00-2)