「最近の町医者の事情」

 先日近隣の親しい先生から発熱のお子さんを診てほしいと依頼がありました。特別に新型コロナが疑わしい事情もない患者さんなのですが、なぜわざわざうちに依頼が来るのかというと、一般の方には分かりにくいかもしれませんが、今地域医療の現場では次のようなことが起こっているからです。

 まず一般的には、


さらに制度上の決まりで、
 当院では診療設備・検査体制を整え、保健所経由で専門家のアドバイスを受けたうえで、コロナウイルスの検査の受託を東京都から認可されています。冒頭の知り合いの先生も受託を前提に準備していたのですが、コロナの検査をすることに関してテナントビルのオーナーさんのご了承が得られなかったのです。なんだかなあという話ですがこれが現状です。うちは自分の土地での開業なので誰にも反対はされませんが、オーナーさんとしては今の世論では風評被害を気にされるのも無理はなく、断られても責めることはできません。ただ普段かかりつけの近所のクリニックが発熱に対応できないという場合には、背景にこのような事情もあるかもしれないということをご承知おきいただきたいと思います。

 コロナに関しては現場の医師たちはいろいろと理不尽な思いを抱えながら働いています。